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  埼玉版 平成26年8月号  
「主婦の自分がどう変わるか」  「さいたまゴールド・シアター」滝澤多江さん

劇団に入ってみて、「学ぶことがたくさんある」と気付いた滝澤さん。60年間知らずに過ごしてきた自分にもびっくりしていると笑う
8月、ダンス演劇に挑戦
 「60歳になる直前でした。この先、自分に何ができるのか、主婦の自分がどう変われるのか挑戦してみたい、と思いました」と話すのは、蜷川幸雄率いる平均年齢75歳の演劇集団「さいたまゴールド・シアター」の滝澤多江さん(67)だ。8年前に入団し数々の作品に出演してきたが、このほどピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団のダンサーとして活躍する瀬山亜津咲(せやま・あづさ)の演出・振付でダンス演劇“タンツテアター”に出演する。越谷市在住の滝澤さんは、「自分なりに表現したものを見てもらいたい」と思いながら、日々稽古に取り組んでいる。

 滝澤さんは、主婦として夫と男の子2人、義母が一緒に住む家庭を切り盛りしてきただけでなく、55歳まで事務職として2つの会社にフルタイムで勤めてきた。そんな滝澤さんに、演劇と関わる機会はほとんどなかった。「義母は若いころ少しだけ宝塚(歌劇団)に入っていたらしいんですが、私はそれまで歌舞伎や新派のお芝居を見に何回か出掛けた程度で、ましてや自分が人前で演じるなんて考えもしなかった」とおかしそうに笑う。

 演劇とまったく縁がなかった滝澤さんが、さいたまゴールド・シアターの劇団員募集に応募することになったのは、東京で1人暮らしをしていた実の母のところへ行った帰り、運転していた車のラジオで聞いたのがきっかけ。

 そのラジオで「55歳以上の人が対象で、応募締切日が1週間後」と聞いた滝澤さんはなぜか、強い興味を持った。「蜷川さんの芝居も見たことがないのに、応募したいと思ったんです」と話す。何かに触発された瞬間だった。

 ちょうど、そのころ、実の母が軽い認知症にかかっていることを悩んでいた滝澤さん。「私もまもなく60歳。この先、何ができるんだろう」と母の姿を自分の将来に置き換えて考えていた時期だった。「でも、母のこともあるし…」と1度はあきらめた。

 しかし、締切日が近づくにつれ、「応募してみようか」という気持ちが再び頭をもたげてくる。その直後に、「演劇経験のない自分が応募しても選ばれるはずはない。やっぱり無理だよね」と打ち消すもう一人の自分がいた。

 そんな葛藤を心の中で繰り返すうち、いよいよ締切日当日。「応募だけでもしてみよう」と決心し、急いで書きあげた書類をポストに投函した。滝澤さんはぎりぎり応募することができた。

 さいたまゴールド・シアターの劇団員募集には1200を超える応募があった。結局、その中で選ばれたのは48人。その中に滝澤さんが含まれていた。

 「スポーツが好きでテニスやゴルフ、水泳などもやってみましたが、夢中になれるものを探せませんでした。そんな気持ちがあったので、(劇団員に選ばれたら)自分にも何かあるのかな、輝くものが見つけられるのかな、って思いました」と期待に胸を膨らませての入団だった。

 それから8年。「船上のピクニック」「アンドゥ家の一夜」「聖地」「ルート99」など蜷川幸雄演出で数々の舞台に立ってきた。昨年公演した「鴉(からす)よ、おれたちは弾丸(たま)をこめる」は初の海外公演となるパリ公演を行い、今年も同作で11月香港、12月パリ公演が予定されている。

 「実は入団して3カ月くらいたったころ、挫折しかかったことがあったんです。私以外の人たちはみなさん、演劇に詳しい方たちばかりで…。辞めようかと思いました。しかし、自分のこれまでの60年間を振り返ってみてスポーツをやってもみんな中途半端で終わっていたことを思い出し、『このチャンスは何があっても乗り越えてつかまなくてはならない』と思ったら積極的に取り組めるようになりました」と振り返る。

 滝澤さんを含め結成以来、一緒に続けてきた39人のさいたまゴールド・シアターの面々。63歳〜88歳の男性14人、女性25人。「みなさん、それは個性的な人ばかりで」と滝澤さん。そんなメンバーと時々、演劇について議論し合うなど、「言いたいことが言える仲間ができた」と喜ぶ。

 応募するとき気がかりだった認知症の母。入団してからも、母の病状を気にしながらボイストレーニングなどの練習に通っていたが、その後自宅近くの施設に預かってもらえるようになり安心したという。

 5年前には義母が亡くなり、2人の子どもも独立。36年住んでいる越谷市で夫と2人暮らしをしている。夫は定年後、学生時代にやっていたジャズバンドを当時の仲間とともに再開。生きがいを見つけた。滝澤さんが出演する舞台は友人と一緒に必ず見に来てくれるという。

 8月は舞踊界の偉大な振付家・演出家のピナ・バウシュの作品に代表される、ダンスと演劇を融合させた手法“タンツテアター”に挑戦する。「演出の瀬山さんから『水を体で表現して』などと課題を与えられますが、なかなかできずに苦労しています」と笑う。「ただ、演劇もダンスも表現したものを見てもらうのは同じ。舞台に立ったら演技に集中するだけです」と滝澤さん。現在、公演を前に稽古に励んでいる最中だが、公演では「真正面から表現し、(観客に)ぶつけたい」と目を輝かせる。


©Matron、2013年ワーク・イン・プログレス公開
さいたまゴールド・シアター×瀬山亜津咲 新作
 28日(木)〜31日(日)、彩の国さいたま芸術劇場小ホール(JR与野本町西口徒歩7分)で。

 演出・振付:瀬山亜津咲(ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団ダンサー)、出演:さいたまゴールド・シアター。全席指定一般3000円。

 チケット申し込みは財団チケットセンター Tel.0570・064・939

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