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  埼玉版 平成30年5月号  
「童謡はやさしい心育む音楽文化」  歌手・たいらいさおさん

洗足学園音楽大学で「童謡学」を教えているたいらさん。「子どもの本性を尊重しつつ童謡を創作していくという鈴木三重吉の精神に多くの作家が共感しました」
 今年は児童文学者、鈴木三重吉が文芸誌「赤い鳥」を創刊してから100年。同誌から子どもにとって価値ある童謡や童話を創作する“赤い鳥運動”が起こって「赤い靴」や「シャボン玉」、「月の沙漠」など数々の童謡が生まれた。世代を超えて歌い継がれてきた童謡を約30年歌い続けている歌手のたいらいさおさん(65)は「童謡は豊かでやさしい心を育てることができる希少な音楽文化だと思います」と話し、近年は大人も対象にした童謡コンサートに力を入れている。6月3日(日)に川口総合文化センター・リリア音楽ホールで開かれる「どうよう100さいコンサート」では作者の思いに自身の思いを重ね合わせて童謡を歌う。

童謡“生誕”100年、記念コンサート開催
 たいらさんが子どもだけでなく大人をも対象に童謡を歌うようになったのは今から20年ほど前。当時44歳で、胃がんの手術を受け、手術は大成功だったものの肉体的、精神的ダメージで体重が激減した。そんな状態のたいらさんに親しい人が声を掛けてくれ、始まったのが千葉県市川市にあるレストランで少人数の大人を対象に童謡を歌うライブだった。その後、同ライブは場所を都内に移して行われ、昨年までに27回を数えている。

 しかし同ライブの話があった当初、「童謡は『子どものために歌う歌』という認識しかなかったので、大人のお客さんの前でどうやって歌ったらいいのか、と戸惑いました」とたいらさん。「詩の意味など、きちんと咀嚼(そしゃく)していないと歌えない」と思い、童謡がどのような背景から生まれたのかなどを調べ始めることに…。すると、詩に込められた作者の思いなどが次第に分かってきた。

 その一例として、たいらさんが上げたのが野口雨情の「シャボン玉」。明るい調子の曲だが、「雨情は幼い子どもを亡くしています。この詩の中には“一瞬で消えた”幼児への親の切ない思いが込められており、命の大切さを歌っていると思います」。

兄に続いて歌手の道へ
 切ない親の気持ちを込めて「シャボン玉」を歌うと、歌の世界に陰影が生じ、「聴いているお客さんも共感してくれた」と言う。

 大人も対象に童謡を歌うようになって、メロディーだけでなく、文学や哲学、メッセージなど、作者がその歌に込めた思いを理解して歌うことの重要性に気付いた。それ以来、コンサートなどで童謡以外の歌を歌うとき—アニメソングやロック、フォークソングなども1曲、1曲、自分なりに解釈して、歌うようになったという。すると歌が生きているように感じられ、以前にもまして「歌うことが楽しくなりました」と話す。

 たいらさんは長崎県佐世保市に生まれた。大学生のころに、兄の歌手・平浩二が「バスストップ」で大ヒットを飛ばし、大きな刺激を受けた。そんなとき、兄が所属する音楽事務所の社長からすすめられ、兄に続いてプロの道を歩きはじめる。

 歌のレッスンに通っている時期に、厳しいオーディションを経てNHKの長寿番組「おかあさんといっしょ」の三代目“うたのおにいさん”に選ばれた。うたのおにいさんを2年間務め、その後も、アニメソング「復活のイデオン」などがヒットするなど仕事は順調で、テレビなどマスコミに登場する機会も多かった。

 しかし、あるときからテレビなどの出演依頼がぱったりと来なくなる。たいらさんのアニメソングを聴いて育った世代の子どもらが大きくなったことが主な理由だった。テレビなどからの出演依頼が無くなったことで「ストーンと谷底に落ちたような感覚に陥った」と言う。そんな“暗闇”の中で、しばらく歌手としての方向性を模索する時期が続いた。このころいろんな仕事を経験し、結婚式の司会業も真剣に勉強したという。たいらさんの下積み時代だった。

 そんな中、転機が訪れる。1986年に「日本の童謡200選」のレコーディングに参加したのを機に童謡に軸足を置いて活動するようになった。童謡を歌う男性歌手が少ないこともあって、地方で行われる童謡コンサートなどで歌う機会は増えていった。

 最近のたいらさんは、童謡コンサートやシニア向けライブのほか、葛飾区や文京区で行う童謡をテーマにした「講座」も好評だ。子どもの歌から“童謡叙情歌”、アニメソングまで、世代を超えたエンターテイナーとして幅広く活躍している。「これまでの歌手人生の中で童謡と出合えたのは幸せでした」と話す。昨年11月に童謡100年を記念して発売された「童謡誕生ストーリー」CD5枚組(歌唱CD4枚プラスカラオケCD)では歌はもとより、企画監修、ナレーションも担当した。

 6月3日、川口総合文化センター・リリアでのコンサートでは童謡リーディング・ミュージカル「魔法の実」も上演。劇中でたいらさんは「とんでいったバナナ」などの楽しい童謡を歌う。「親子三世代で楽しめます」


今年1月、岡山で開催された童謡コンサートで歌うたいらさん(左)
童謡誕生ストーリー in おめでとう! どうよう100さいコンサート
 6月3日(日)午後2時、川口総合文化センター・リリア(JR川口駅徒歩1分)音楽ホールで。

 出演は、たいらいさお、シュガーシスターズ、岩田瞳、佐藤由里亜、佐藤唯史。曲目は「とんでったバナナ」「ありがとうの花」「赤い鳥小鳥」「ドロップスのうた」「夏は来ぬ」「世界中のこどもたちが」「月の沙漠」ほか。一般前売り3000円(当日3500円)、子ども1500円。全席自由。

 問い合わせは(株)オフィス ルナピエナ Tel.03・6459・5450

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