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  法律 令和4年9月上旬号  

共同相続人が不明に  杉並区/60歳男性


 共同相続人3人のうち1人が行方不明となっています。行方不明者以外の2人の共同相続人間で遺産分割協議が調っている場合でも、行方不明者が戻ってこない限り、遺産分割協議を成立させることはできないのでしょうか。


 共同相続人のうち、行方不明者がいる場合でも、遺産分割協議を成立させて、遺産分割をすることができます。

 その方法としては、行方不明者の相続財産管理人の選任を家庭裁判所に申し立てて、選任してもらうことから始まります。この申し立ては共同相続人のうちの1人が申立人となることができます。

 申し立てをする家庭裁判所は、「従来の住所地・居住地」を管轄する家庭裁判所です。不在者が生まれてから現在に至るまで転居などで生じた全ての住所地・居住地を指しますから、その中から都合の良い家庭裁判所を選ぶことができます。

 裁判所から選任された相続財産管理人は共同相続人との間で遺産分割協議書を作成し、これに理由書を添付して家庭裁判所に対し、権限外行為許可の申し立てをします。なお、調停手続きにより遺産分割を成立させる場合にも家庭裁判所の権限外行為許可の申し立てが必要となります。

 家庭裁判所の審判により、遺産分割が成立した場合には、既に家庭裁判所が関与しているので権限外行為許可の申し立ては必要ないとされています。

 管理人は、不在者の法定相続分を確保する必要がありますが、共同相続人間の利害関係によって、具体的な不在者の相続分は決まることになります。不在者が現れたときには、管理人は家庭裁判所に管理人選任処分取消の申し立てをしたうえ、管理財産を引き渡します。

 不在者が戻ってこないときは、不在者に対する失踪宣告の申し立てや、法務局への供託によって、管理業務を終了することができます。

弁護士 山下英幸
TEL:03-3508-0581

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