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民話で郷土愛する心 銀河ステーション文庫代表／石月ひろ子さん |
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銀河ステーション文庫、小昼飯経営の石月さん夫婦 |
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「第23回国民文化祭・いばらき2008」が9日(日)まで茨城県各地で開催されている。8日(土)に東海文化センターで行われる「民話フェスティバル」で読み聞かせ活動団体「銀河ステーション文庫」は、常陸太田市に伝わる民話を語る。「銀河ステーション文庫」代表の石月ひろ子さん(60)は、「少しでも多くの次世代に民話を通して郷土を愛する心や豊かさを持ってほしい」と語る。
国民文化祭で読み聞かせ
常陸太田市の石月さんの自宅では、毎月第1日曜に「子どものためのおはなし会」、年に4回「大人のためのおはなし会」が開かれる。「読み聞かせを始めると、子どもたちとともに想像の世界で遊べ、子どもたちのきらきらしている瞳に出会えます。語ることにより、自分の存在が生かされていると感じ、そのことが喜びとなって返ってきます」と石月さんは読み聞かせのだいご味を話す。
石月さんは、子育て中に子どもの友人たちに絵本を読み聞かせていた。実家の商売の手伝いが一段落した時、地域で活動したいと常陸太田市立図書館の朗読講座を受講し、同市社会福祉協議会の読み聞かせ活動に参加するようになった。常陸太田市立図書館で最初に認められた読み聞かせの個人ボランティアは石月さんである。
1996年4月に、読み聞かせ活動「銀河ステーション文庫」を立ち上げた。以来、図書館、小中学校、高齢者福祉施設などで読み聞かせのボランティアを行う。「銀河ステーション」の名は「純粋に人類の幸せについて書かれている」と本人が言う、大好きな宮沢賢治に由来する。立ち上げ当時は石月さん1人で活動していが、現在ボランティアは18人に増えた。かつて読み聞かせを聞いた子どもたちのほかに、定年退職者もいる。立ち上げて10年を経た06年12月には同文庫の活動が認められ「伊藤忠記念財団」より子ども文庫100冊が寄贈された。
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子どもたちのおはなし会 |
文庫を立ち上げてすぐ、NPO法人「こども劇場」から民話の語りを依頼された。石月さんが読み聞かせと並行して、民話の語りも行っていたことを知っての依頼だった。常陸大田で生まれ育った石月さんは、父母や近所に住む知り合いから「ここが黄門さまが通られた道だよ」というような様々な「伝説」を聞いて育った。それならばいっそこの機会にまとめようと、民話集「常陸太田そのむかし」を手作りで出版することを決意する。
常陸太田の民話には、北関東の豪族・佐竹氏や水戸黄門、ほかに親鸞、弘法大師などの高僧に関する民話が多い。石月さんは、それらの事実の裏づけなどに時間を割き、民話集の制作に半年を掛けた。例えば、民話「黄門さまのこと」には鶴が西山荘に飛んでくるという語りの場面があるが、実際に鶴が飛んできたかどうかを図書館で調べたりもした。
「ほかにも宗教に関する部分は、和尚さんに尋ねました。時代考証をいかに表現するかが難しかったですね。伝説と史実の違いに苦労しました」。学生に分かりやすい文章にすることを心掛け、会話は茨城弁に。その努力が実り、5年前から市内中学校の総合学習の授業に同本が使われるようになった。
「伝説や民話は知恵や示唆に富んだ日本人の心を伝える」と石月さん。核家族化が進む現在では民話を語り継ぐことは難しいが、「少しでも次世代に民話を通して郷土を愛する心や豊かさを持ってほしい」と願っている。
銀河ステーション文庫
問い合わせ :TEL 0294-72-3866 |
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