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  茨城版 令和4年4月号  
命を燃やし ビート刻む  タンゴ楽団「チコス・デ・パンパ」リーダー・宮沢由美さん

当日のコンサートは、タンゴの演奏だけではなく、ダンスを前面に押し出すステージとなっている。幼少時にバレエを習い、タンゴ・ダンスにも覚えがある宮沢さんもダンスを披露するという。「私たちの楽団の音楽をダンサーの皆さんがどう表現していただけるのか楽しみです。それに、ダリエンソ・スタイルは、リズムに特化しているので、ダンサーに好まれるんです。また、従来の“ダンス・ショー”としてではなく、私たちの持つ楽団の強みを生かした、新しいスタイルを打ち出せればと思っています」
“ダリエンソ・スタイル”のタンゴ、25日にコンサート
 「哀愁漂う音色」と評されるタンゴにおいて、リズムを重視し大編成楽団が一糸乱れぬビートを刻む迫力あるアンサンブルを追究した“ダリエンソ・スタイル”。それを4人の小編成で挑み続けるタンゴ楽団が「チコス・デ・パンパ」だ。「タンゴは恋人」とほほ笑む同楽団のリーダーでピアニストの宮沢由美さん(47)は、先日亡くなった日本におけるタンゴの第一人者である師匠・西塔祐三をしのび、25日に都内で行われるコンサートに向け意気込みを語る。「大編成楽団に負けぬ迫力を出すため、4人がそれぞれのパートで命を燃やして演奏します。タンゴは知らなくても、頭で考えず体で感じていただければ、“燃える気持ち”を共有していただけると思います」

  「チコス・デ・パンパ」は、1955年の結成以来、一貫してダリエンソ・スタイルを追究し続けるアルゼンチン・タンゴ楽団「西塔祐三とグランオルケスタ・ティピカ・パンパ」(略称:「パンパ」)に属している若手により2003年に結成。楽団名は、スペイン語で「『パンパ』の子どもたち」を意味する。

 「リズムの王様」と呼ばれたアルゼンチンの巨匠ファン・ダリエンソ(1900〜76)が打ち立てたスタイルは、大編成楽団が前提。若手奏者たちの演奏機会拡大のため、師匠より新楽団を託された宮沢さんだったが、結成当初は戸惑うことも多かったという。「方々から『4人で“ダリエンソ”なんて無理』と言われましたが、だからこそその常識を覆してやろうと燃えました」

 ピアノ、バイオリン、コントラバス、バンドネオンの各奏者が息を合わせ、“針の先の小さい穴を通すように”一斉にビートを刻む。「全員が内に秘めた力を絞り出し100%の力を出し切ることで、大編成楽団のような“音の厚み”を実現しています」。コンサートのたびにへとへとになるが、「毎回お客さんより惜しみない拍手をいただくことで、楽団の一人一人がさらなる高みを目指し励んでいます」。

 客層はやはりシニア層が多いという。当初はコアなタンゴファンのみが足を運んでくれたが、近ごろはタンゴを知らなくても、「チコス」の演奏を楽しみに来てくれる人が増えたと宮沢さんは喜ぶ。

 コンサートでは楽曲解説のほか、司会も担当する。「舞台上でお客さんと話をすると、ジェネレーションギャップを感じることも正直あります。でも、私たちの演奏を聞いて皆楽しんでいただいており、音楽を通じての交流には世代間のすれ違いはないと感じています」

“演奏の喜び”知る
 だが、おととしからのコロナ禍でコンサートの中止・延期が相次ぎ、大いに意気消沈。最近、感染・流行が少し落ち着いたことで演奏機会が徐々に復活し、分かったことがあるという。「仲間と一緒に、大勢のお客さんたちを前に演奏できる喜びを、真の意味で初めて知ったかもしれません」

 宮沢さんがピアノを始めたのは4歳のとき。普通のサラリーマン家庭で育ち、習い事の一環として始めたのだが、並行して習っていたバレエの伴奏を見よう見まねで練習するほどピアノに傾倒。音楽大学に進学後は、コンクールにも参加した。しかし、コンクールのためだけの練習に疑問を感じ、在学中はクラシックから遠ざかり、主にロック・バンドで活動。「『ディープ・パープル』のコピーバンドとかね…(笑)」

タンゴに“一目ぼれ”
 そして卒業の間際、知り合いに頼まれ病欠のピアニストの代理でタンゴ・バンドに参加。それが運命の分かれ道となる。「タンゴなんて聞いたことも、ましてや弾いたこともありませんでしたが、いざ弾いてみるとその“かっこよさ”に胸が熱くなりました。『自分が求めていたのはこれだ!』」

 卒業後は音楽教室の講師やフリーのミュージシャンとして活動。結婚式場で伴奏などをしていたが、その合間にタンゴを独学で勉強した。「読みあさるように楽譜やビデオを見ていました」

 卒業から2年後、知人の紹介で師匠となる西塔祐三に出会い、小さな実績を積み重ね、いつしか西塔の楽団「グランオルケスタ・ティピカ・パンパ」のピアニストとして認められる。当初はモダン・タンゴを確立したアストル・ピアソラ(1921〜92)のあか抜けた音色を好んでいたという宮沢さん。「西塔さんに、『“ダリエンソ”をものにするまで“ピアソラ”は弾くな!』と言われました。一本筋が通っていないとプロとして大成しないということだと思います」

 現在は、ダリエンソ・スタイルのピアニストとしては第一人者と評価されるほどに自分のスタイルを確立。「今は“ピアソラ”の楽曲もダリエンソ・スタイルで弾いています。今や自分のアイデンティティーですね」

 今後は、ピアノ・ソロでダリエンソ・スタイルを生かしたタンゴを演奏することが夢と語る宮沢さん。「師匠の西塔さんにはたくさんのものをもらいました。当面は西塔さんの遺志を継いだ演奏を追究していきます。そして、次代にその音楽性を引き継ぐことができれば、それが一番の恩返しとなると思います」


チコス・デ・パンパ
♪アルゼンチン・タンゴコンサート 〜世界のタンゴVol.48‐ダンス&ダンス&ダンス‐♪
 25日(月)午後2時、練馬文化センター(西武線練馬駅徒歩1分)小ホールで。

 予定曲:「パリのカナロ」「エル・チョクロ」「夜のプラットホーム」「愛のタンゴ〜愛は喜び愛は涙〜」「ラ・クンパルシータ」ほか。演奏:宮沢由美(ピアノ)、永野亜希(バイオリン)、佐藤洋嗣(コントラバス)、鈴木崇朗(バンドネオン)。ダンス:高志&めぐみ、ズーハン&京子、すみれ&玉井。

 全席指定5500円。インターナショナル・カルチャーTel.03・3402・2171

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