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  茨城版 令和6年1月号  
乗って残そう湊線!  「おらが湊鐡道応援団」団長・佐藤彦三郎さん

左から、おらが湊鐡道応援団・伊藤敦之事務局長、ひたちなか海浜鉄道・吉田千秋社長、佐藤さん。「みなとメディアミュージアム」でデザインされた駅名標は、15年グッドデザイン賞を受賞した

ローカル線ひたちなか海浜鉄道の危機に市民が存続運動
 勝田駅から阿字ヶ浦駅まで計約14.3キロを結ぶ地元のローカル線、ひたちなか海浜鉄道湊線。ひたちなか市内を走る同線は、マイカーの普及などで利用者が激減、18年前には廃線の危機に直面した。そんなとき、「市民レベルでも強力な存続運動を」と発足したのが「おらが湊鐡道応援団」だ。一時、年間乗客数が70万人を割った同線だが、市民の応援もあって同約100万人にまで戻り、延伸を計画するまでに回復した。そんな同線を15年以上も応援してきた応援団団長の佐藤彦三郎さん(84)は今も、「乗って残そう湊線!」をスローガンに応援を続ける。

 ひたちなか海浜鉄道湊線は1913(大正2)年に開業。ピーク時の55年〜65年は年間利用客が200万人を超えていたが、マイカーの普及や度重なる運賃値上げなどで乗客数は減少し、経営が悪化。そして、2005(平成17)年12月、運営会社の茨城交通(株)がひたちなか市に対して「廃線したい」と申し入れる。だが、市は「公共交通として同線の存続は必要」と判断し07年、市と茨城交通の共同出資による第三セクター方式で存続を決め、08年4月、新会社ひたちなか海浜鉄道(株)を設立した。


那珂湊駅で沿線マップ(みなとまちなか漫遊MAP)を配布する佐藤さん。那珂湊駅は、100年前の開業以来の駅舎
 同線が廃線で揺れる中、「市民レベルでの湊線利用促進活動が不可欠」と発足したのが「おらが湊鐡道応援団」だ。このとき、団長の佐藤さんは「同線を存続させるために応援団は何をやるべきかと考えました」と話す。まず始めたのが沿線の景色づくり。07年から6年間、市民から寄付してもらった桜の木60本以上を中根駅、那珂湊駅、阿字ヶ浦駅などに植え、夜間には中根駅にライトアップも施した。さらに、ヒガンバナを中根駅構内の土手に植えたり、駅周辺の花壇作りや除草作業、清掃活動などの環境整備も行う。また、土曜日・日曜日・祝日には同応援団活動の拠点となっている那珂湊駅のサービスステーションで手作りの沿線マップによる観光案内を行い、グルメスポットの「那珂湊おさかな市場」、および地元商店で買い物割引が受けられる乗車証明書を配布するなど、懸命に“おらが鉄道”を応援した。

 07年、第3セクターとして存続が決まった後は、応援団の活動に賛同する地域の自治会、高校生や歌手らの活動も加わった。例えば、「中根駅花壇管理応援団」の三反田支部は中根駅の花壇作り・整備、駅の清掃などを行っている。音楽応援団は、シンガー・ソングライターとして活動する「みなと源太」こと大内秀一氏(65)と妻の裕子氏(63)を中心に結成。土曜日・日曜日・祝日に那珂湊駅でギター弾き語りを行っている。秀一さんは、湊線イメージソング「季節の風」を作詞・作曲した。「これら“応援団の応援団”が、自分たちでできることを自主的に活動してくれています」と佐藤さん。

 同線沿線の写真を毎日フェイスブック(SNS)に投稿している船越知弘氏(57)を中心とした「湊線情報発信宣伝班」の人たちも、「那珂湊高校発祥のゆるキャラ『みなとちゃん』が湊線と地域応援活動をしてくれています」とうれしそうだ。

 そんな応援団の熱心なサポートに感謝しているのが同鉄道吉田千秋社長(59)だ。「団長も含めて、市民の人たちの働きが大きい。市民、行政、鉄道が力を合わせて、理想の形ができています。延伸も実現できそうです」

 14年「高田の鉄橋駅」、21年「美乃浜学園駅」の新駅がそれぞれ開業し、国営ひたち海浜公園までの延伸事業許可も降りた。計画では、延伸工事は、阿字ヶ浦駅〜国営ひたち海浜公園西口付近までの全約3.1キロ。このうち第1期工事として、阿字ヶ浦から約1.4キロのひたち海浜公園南口付近に新駅を設け、先行して開業する。同工事の認可を今年度中に国に申請する予定だ。順調にいけば着工から5年後には同公園南口付近までが開通する。

 「湊線が人を運んでくれれば、商店街や『那珂湊おさかな市場』も潤います。沿線の交流人口や定住人口を増やしたいですね」と同応援団事務局長の伊藤敦之さん(69)。土地に適した応援を心掛けてきたという佐藤さんは、「『おらが湊鐡道応援団』はこれからも地域活性化を目指していきます」と話す。

 同応援団に関する問い合わせは伊藤 Tel.090・7848・0544

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