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  東京版 平成29年10月下旬号  
演技も人生も…自然体で  女優・原知佐子さん

最近では「シン・ゴジラ」にエキストラで出演。庵野秀明総監督の盟友で、監督・特技監督を務めた樋口真嗣氏から声を掛けられたという。「撮影時間などに注文を付けたら、『あなたみたいな威張っているエキストラなんていないよ』と言われちゃいました(笑)」と原さん
「赤いシリーズ」の“いびり役” 80代の今も活躍
 1970年代のドラマ「赤いシリーズ」で、山口百恵へのいびり役を務め、お茶の間に強烈な印象を残した女優の原知佐子さん(81)。私生活では11年前、長年の伴侶だった映画監督・実相寺昭雄と死別したが、その悲しみに負けることなく現在も映画や舞台で活躍。来年3月にはドストエフスキーの「罪と罰」をモチーフにした舞台に出演する予定だ。原さんはこれまでの軌跡を振り返り、「演技も人生も健康も、何事も我慢せず自然体のままがいいの」とほほ笑む。

 原さんは1936年、高知県高岡町(現・土佐市)で出生。幼少時から歌ったり踊ったりすることが大好きだった。「学校の先生に『宝塚歌劇団に入ったらいい』と言われその気になり、芸能界へ強い憧れを抱くようになりました」

 高校卒業後は迷うことなく同歌劇団を受験。だが声楽のイロハも知らぬまま試験に臨んだためあえなく不合格に。しかし芸能界への思いは断ちがたく、「芸能人の多い京都ならコネをつくって潜り込めるかも」と、同志社大に入学。とはいえなんのつてもない女子学生。映画会社の撮影所付近を歩き回ったりしたが、関係者にお茶をおごってもらうのが関の山だった。

 転機となったのは大学2年生のとき。新聞で見つけた「新東宝 第4期スターレット募集」に応募し見事合格、ついに芸能界入りを果たす。「水着審査は最終段階なんですけど、そんなことも知らず中に着込んで一次審査に臨みました(笑)」

亡き夫の縁で「特撮」も
 デビュー当時、原さんはきりっとした目鼻立ちでボーイッシュ。個性も光り、周りに埋もれることなく不良少女などの役柄で度々キャスティングされ、映画などに早くから出演を果たす。だが原さんはそれに満足することなく、自分自身を表現する場を開拓するため、20代で新東宝や東宝など、次々所属を変え、やがて演技派の名脇役として映画、テレビ、演劇と活躍の場を広げていった。

 ドラマ「赤いシリーズ」に出演したのは40歳のころ。当時、あまりにも多忙だった山口百恵抜きで撮影することも多く、原さんの熱演もその多くが後ろ姿のみ映る山口百恵の“影武者”や、カメラ以外誰もいない虚空に向かってなされたものだったという。「嫌がる役者さんもいましたが、当時の映画やドラマ撮影ではこういうケースが多く、私も慣れっこでした」

 夫となる実相寺昭雄と出会ったのは27歳のころ。出会って1年で結婚した。後にウルトラマンシリーズなどに度々参加し名をはせた特撮界の巨匠も、当時はまだ駆け出しの演出家だった。ただし業界内では実相寺の“変人ぶり”は有名だったらしく、「多くの知人から、『実相寺だけはやめておけ』と止められました。でも結婚って勢いですから(笑)」。

束縛ない結婚生活
 結婚生活は互いを束縛せず、仕事も趣味も好きなことをやるのが基本だったという。ただ実相寺は名うてのコレクター。「鉄道模型から特撮・アニメのフィギュアまで、興味のあるものは何でも集めていました。自分の爪もずっと保存していたのには閉口しましたが…」。住居を圧迫していたコレクションの多くは現在、実相寺の愛着が深かった神奈川県川崎市に寄贈され、同市の市民ミュージアムに収蔵されている。

 実相寺は晩年、体調を崩したが、病床にありながら遺作となる映画「シルバー假面」(2006年)製作を指揮。そのパワフルな様子に原さんも安心して豊橋市(愛知県)の舞台に出演していたが、そのさなかに容体が悪化。原さんが駆け付けるのを待つように永眠した。06年11月、69歳だった。だが原さんは悲しみにふける間もなく、豊橋市にとんぼ返り。舞台を空けるわけにはいかなかった。「忙しかったことで救われました。でなければ私も後を追うようにガクッときていたかもしれません…」

 現在、原さんは免許皆伝の腕前を持つ趣味の長唄を続けながら、オファーが来たら映画や舞台に出演しているという。「最近の映画では認知症を扱った『彦とベガ』(14年)に主要キャストとして出演し、『シン・ゴジラ』(16年)ではエキストラ出演しました。特撮業界には若いころ実相寺のファンだった人たちが多く、よく声を掛けてもらえるんです」

 80歳を超えても現役を続けられる健康の秘けつを聞くと、「あれもいけない、これもいけないと我慢せず、ストレスをためないことが第一です。演技も人生も自然体のままがいいんです」と笑う。

Pカンパニー公演「〜シリーズ罪と罰 CASE 5〜 鎮魂歌(レクイエム)」
 2018年3月22日(木)〜26日(月)、全労済ホールスペース・ゼロ(JR新宿駅徒歩5分)で。全6公演。
 ドストエフスキ—の「罪と罰」をベースとして、現在の日本を舞台に社会の価値観、善悪、良心、責任、命の意味について問い掛ける舞台シリーズ第5弾。
 脚本・演出:木島恭、出演:林次樹、観世葉子、木村万里、森源次郎、原知佐子ほか。
 全席指定一般5000円、65歳以上4000円。詳細はPカンパニー Tel.03・6808・5306

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