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  横浜・川崎版 平成20年12月号  
横浜文学賞受賞 戦時下ジャーナリズム研究に半世紀  戸塚区/高崎隆治さん

「子どものころから、権力的なものや命令されるのが嫌いなんです」と話す高崎さん
 
「これが私の生きる道」
 教職の傍ら、半世紀以上にわたって戦時下のジャーナリズム研究を続けている戸塚区の高崎隆治さん(83)。長年の功労が認められ、2008年の横浜文学賞を受賞。8日(月)には横浜中華街の広東飯店で贈呈式が行われる。出版業界ではタブーとされるメディア批判を行ってきた高崎さんだが、「立場が不利になることは承知だが、これがわたしの生きる道。これからも書き続けたい」と語る。

不利は承知でメディア批判に挑む
 「戦時下のジャーナリズム」(新日本出版社)「上海狂想曲」(文藝春秋社)など、高崎さんがこれまでに出版、編さんした著書は40冊以上になる。

 「メディアの批判は出版界ではタブー。不利なことは承知ですが、自分で考え、悩んだ末に『この道が正しいんだ』と思ったらその道を行くしかないと考えています」

 その姿勢が評価されたのはこれで2度目だ。1度目は京都大学人文科学研究所から1996年に贈られた同協会研究奨励賞。「いまだに信じられません」と謙そんするが、見る人は見ているという証である。

 研究を始めたきっかけは、朝鮮戦争だ。太平洋戦争で学徒兵を経験した高崎さんは、「自分はもう1度戦争に引っぱられるのではないか。その前に、あの戦争(太平洋戦争)はなんだったのだろうかを考えなくては」と決意した。県内の高等学校で国語の教師を勤めながら、「暇のある限り、金の続く限り」、全国の古本店を巡って戦時中の資料を集めた。

 開戦のころは、メディアも原子爆弾や列強の動向、終戦状態の予測などを書いていた。しかし、終戦間近には真実は押さえられ、「アメリカをやっつけろ」などといったやけっぱちなあおり表現が目立つ。中国に現地観察に行った作家も多くいたが、必ずしも客観的で冷静な視察ができていたわけではなかったことも分かってきた。そういったことを分析し、高崎さんは自著の中で繰り返し「自分の目で判断し、行動すること」の大切さを説く。

 立場はあくまで中立で、そのため孤独だ。「右でも左でもないから、右からも左からもにらまれている」と笑う。出版社から断られた原稿もあるが、「その時は机の引き出しにしまっておくだけ」。

 高崎さんは、戦時下のメディア研究以外に、低評価にある戦時下文学の価値の見直しも訴えている。法政大学予科1年生だった19歳のころ、堀口大学の詩「歴史」を読んだ。「(略)国はだんだん大きくなつた。世路はだんだん嶮(けわ)しくなつた。ばらはだんだん咲かなくなつた。」の言葉に「本当のことを言っている」と胸をふるわせた。しかし、学問の世界では堀口の評価は低い。

「嫌なものは嫌。貫きたい」
 「堀口はこの詩一編のために相当にらまれたと聞いています。終戦直後の評論家は、みな一斉に戦時下の文学作品の価値はゼロだと言いました。確かに価値のないものもありますが、この詩のようにいいものもある。すべてが無価値なのではないのです」。特に、詩や俳句にいいものが多いといい、「無名兵士の詩集」(太平出版社)「戦時下俳句の証言」(新日本出版社)といった本も上梓(し)した。

 語る内容に反して、口調は穏やかである。本物の信念を持つ人に、パフォーマンスなど無用なのだろう。研究を開始して半世紀以上になるが、今でも情熱は衰えず、一日2箱のセブンスターを片手に原稿を埋めていく。

 「権力的なものはすべて嫌です。子どものころからそうでした。嫌なことは嫌だと貫きたいのです」

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