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  法律 平成20年6月号  
相続の配分を知りたい  府中市/52歳男性

 不動産会社を経営していた父が亡くなりました。相続財産は不動産以外に銀行預金や貸金などの債権があるほか、銀行からの借入金や会社の借金の連帯保証など債務もあります。これらの債権や債務について相続人(3人)間における具体的な相続分はどのようになるのでしょうか。なお、父の遺言はありません。


 預金や貸金のような金銭債権は分割が可能ですから、可分債権といって法定相続分に応じて法律上当然に分割されて、各共同相続人が相続割合に従い権利を承継します。したがって、可分債権は原則として遺産分割の対象とはならないとされています。

 そのため、理論上は銀行預金については、各相続人がそれぞれ法定相続分に応じた払い戻しを請求することができるのです。しかし、銀行は相続人全員の同意に基づき、全員に対して全額を一括払いとする方法をとっています。この方法は債権の本来の性質からみると妥当ではないのです。このことは訴訟を起こして判決をとれば銀行も応ずることからも明らかです。

 土地や建物の明け渡し請求権のように不可分債権については、これを分割することができないので、契約終了後は共同相続人全員がそれぞれ不動産の明け渡しを求めることができます。

 債務についても金銭債務のように、給付内容を相続割合に応じて分けられるものについては、各相続人はその相続分に応じて承継します。建物の明け渡し義務のような不可分債務は相続人全員が義務を承継し、各相続人が全部について履行する責任を負います。

 連帯保証は、債権者は本人、保証人に対し、いずれかの1人または両人に対して債務の全部または一部を請求できるので、相続人は被相続人の連帯債務を法定相続分に応じて分割した範囲で承継します。

 もちろん、このような債権・債務も遺産分割協議によって、共同相続人の1人に帰属したときは、その承継人1人の権利または義務となって、1人だけで請求し、あるいは、履行することになります。


弁護士 山下英幸
TEL:03-3508-0581

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