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  法律 平成20年7月号  
夫が友人から借金 妻にも返済義務?  荒川区/47歳女性

 夫が友人から借金をして、自分のパチンコ代や飲み代、昼食代などに使っていたようです。その友人から、妻であるわたしにも「連帯責任があるのだから返すように」と求められたのですが、わたしにも夫の借金を返済する義務があるのでしょうか。


 民法の規定によると、「夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負う」となっています。したがって、夫の借金が日常の家事債務となるか否かによって、あなたが連帯責任を負うかどうか分かれます。

 そこで、日常家事債務とは何かという問題になります。日常家事債務とは、夫婦が婚姻共同体として家庭生活を営むために通常必要とされる行為に基づく債務と説明することができます。具体的には家族の衣食住に関する費用、光熱費、子どもの教育費、医療費、それから交際費などが含まれます。

 しかし、その内容や範囲、程度については学説上、夫婦の主観的事情を重視する説と、行為の外観を重視する説があり、その範囲について差が生じることがあります。この点について、判決によると個々の夫婦の社会的地位、職業、資産、収入などによって異なり、またその夫婦が共同生活をしている地域社会の慣習によっても異なるとしています。

 民法の規定は、夫婦の一方と取引関係にある第三者を保護することを目的としていることを考えると、夫婦の内部的事情や行為の個別的な目的を重視して判断すべきではないと考えます。

 あなたの夫の場合も借金の金額が多額ではなく、パチンコも度を過ぎず単なる娯楽の程度であったり、飲み代も交際の範囲であったり、昼食もぜいたくでない範囲なら日常家事債務といえるでしょう。しかし、借金があまりにも多額で、分不相応な場合は日常家事債務とはいえませんから、あなたに責任はないでしょう。


弁護士 山下英幸
TEL:03-3508-0581

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