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  法律 平成21年9月号  
知人の土地を通行できるか  墨田区/63歳男性

 わたしは、10年程前に知人から所有地の一部の40坪を譲り受けて、そこに自宅を建てて住んでいます。譲り受けた土地は公道に面していなかったので、知人の敷地内に幅2メートルの通路を認めてもらい、そこを利用しています。しかし最近知人から「通路部分を買い取ってほしい」と言われ困っています。わたしには通行する権利はないのでしょうか。


【答】一般的には他人の土地を利用するには、その土地の所有者との間で利用についての契約が必要となります。この契約は必ずしも書面を作成する必要はなく、口頭による契約でも有効です。しかし、口頭では後日契約の成立について争いになったとき、契約があることを証明するのが困難となる恐れがあります。

 特に契約が明示的にではなく、黙示的になされた場合には、次のような要件が必要とされます。あなたが知人の土地を通行しているという事実と、土地所有者である知人がこれを黙認しているというだけでは足りず、さらに所有者が通行権を設定し、「法律上の義務を負担することが客観的にみて合理性があると思われるような特別な事情」があることが必要です。

 ですから、単に好意的に黙認していただけでは、権利として通行権を主張することは難しいです。

 それでは「特別の事情」とは何か? 例えばあなたが40坪購入した際に、知人が敷地の通行部分を分筆したとか、通路部分に石を並べたり、柵を作ったり、両側に植え込みをしたりしているような場合には、知人も法的に通行権の負担を認めたものとして、通行地役権の設定契約があったことになるでしょう。特にあなたの場合は、公道に面していない土地を買ったのですから、売り主として通行権の負担を認めたことになるでしょう。仮に契約が認められなくても10年の時効で地役権を取得できるし、また公道に出るために知人の土地を通行する権利も有しています。

 しかし、将来のことを考えると、買った40坪の土地の価値を高めるためにも、通路部分をこの際買い取ることをお勧めします。

弁護士 山下英幸
TEL:03-3508-0581

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