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  茨城版 平成23年7月号  
震災復興へ必死の努力  「野口雨情生家・資料館」館長/野口不二子さん

津波に襲われる前の野口雨情生家
津波に襲われた雨情の生家
 北茨城市の野口不二子さん(68)は、野口雨情の直孫で、県指定文化財「野口雨情生家・資料館」館長を務める。野口さんは、東日本大震災で津波に襲われた野口雨情生家の復興に取り組み、5月1日にオープンさせた。「震災後1カ月半、雨情生家の復興に必死に取り組みました。今後は、雨情生家の復興だけではなく震災後の町おこしを行政と一体になって行おうと、自分の気持ちを奮いたたせています」と震災復興への情熱を話す。

 「七つの子」「シャボン玉」などの童謡、民謡の作詞を手掛けた詩人、野口雨情は1882(明治15)年生まれ。作曲家の中山晋平らとともに「兎のダンス」「赤い靴」「青い眼の人形」など、多数の童謡を残した。また、日本各地を旅行し、その地の民謡を作詞した。

 1870(明治3)年に建てられた彼の生家は水戸徳川家藩主の休息所となった名家で、磯原海岸を臨む場所に現在も残っている。木造の重厚な造りで県の文化財に指定されている。生家の横には資料館がある。


野口不二子さん
1.5メートルの津波資料館は床下浸水
 「3月11日、私は外出する用事があったのですがどうしても行く気になれず、資料館にいました。午後2時46分にあの大震災が起きました」と野口さん。職員を帰宅させ、近所の人たちを避難させた野口さんは、生家1階にある原稿など、雨情の資料を1人で12段の階段の3〜4段目からポーンポーンと2階に放り上げた。そのうち津波の第1波がくるぶし以上に来たので、野口さんはリュックサックに雨情の原稿を詰め込み、急いで高台に逃げた。振り返ると6mほどもある鉛色の壁のような第2波津波が3.5メートルの防波堤を乗り越え襲ってきた。

 「私の命と引き換えに雨情の資料を守ろうと思いました。家のガラスが割れ、塀が壊れていくバリバリ、バシャーンという音を背後に聞きながら、雨情生家も終わりかなと、うら寂しい悲しい思いでした」

 結局、生家には1.5メートルまで津波が襲い、資料館は床下浸水した。しかし資料を2階に移したため雨情の原稿や本、すずり、帽子、着物などの8割が助かった。後に戻ってみると、家の中には、ヘドロ、ごみ、砂、草木など種々な物が入ってきていて、障子も外れていた。水道は震災後1カ月以上止まったため、ボランティアの人たちや職員の助けを借り、水をくんできては、ヘドロやごみなどの撤去や清掃、資料の修復を行い、5月1日にオープンさせた。しかし、敷居や瓦などがまだ修理できず、水にぬれて修復しなければならない資料もまだある。「原稿は、1枚1枚水洗いし、陰干しして1年以上かけて修復しなければなりません」。家の壁に津波が入ってきた跡も残っているので「ここまで津波が来たのですね」と来館者は驚くという

行政と一体で町おこし
 「震災後1カ月半、雨情生家の復興に必死に取り組みました。人間、死ぬ気になれば何でもできると思いました。髪を切ったら気持ちがなえると思い、5月末まで髪を切ることができませんでした」

 修復を手伝ってくれた人たちは「140年の歴史がある雨情生家は、不二子さんだけのものではありませんよ」と言ってくれた。全国から義援金も送られてきた。

 「文化遺産などを守って残していこうという熱意が日本人の中にあり、この気持ちで多くの人たちが、洪水や火災などがあっても、千年以上前の文化遺産を残しているのだなと痛感しました」

童謡は人間形成に必要なもの
 野口さんは、月3回ほど全国講演を行っている。「悲しみ、切なさ、思いやりなど、童謡には日本人としての特徴がしみじみとした味わいのある言葉で表されています。童謡は人間形成をしていく上で大切で、守っていかなければなりません」と訴えている。

 「『船頭小唄』で雨情は『手を取り合って共に生きよう、喜びを分かち合おう。僕も弱い者の一人だから、あなたの気持ちが分かる』と歌っています。私は雨情生家で生まれ育ち、雨情の作品に、小さい時から接してきました。弱い人たちの立場に立って救おうとしてきた野口家の血がわたしを震災復興に立ち向かわせているのかもしれません」と話す。

 「日本の文化を大切にし、日本人としての誇りを持って生きてください。誇りとは信念です。悲しみ、苦しみを超えて持つ信念がその人の誇りとなるでしょう。私の誇りは県北の文化を次世代に何とかして繋いでいくことです。この津波で被災した野口生家を復興させ、町おこしをしたいと思っています。支え合いながら共に生きれば、未来に繋がっていくでしょう」

 入館料100円。午前9時〜午後4時開館。無休。JR磯原駅より徒歩13分。

 問い合わせは「野口雨情生家・資料館」 TEL.0293・42・1891
 

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