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定年時代
 
  茨城版 平成28年12月号  
ふるさとの景観、スケッチで残そう  日立市の岡村参次さん

「定年退職してから何かを始めるのではなく、定年前から何かを始め助走してください」と岡村さん
“線”と“水彩”で描く風物
 ペンで表現された繊細かつ生き生きした“線”と、線に調和して色付けされた“水彩”─ 。日立市の岡村参次さん(83)は、歴史的建造物や街並み、静物などを独特のスタイルで描き続けている。岡村さんは現在、「NPO法人東京を描く市民の会」常任理事や「日立をスケッチする会」代表を務める傍ら、助川交流センター(日立市)の「ペンと水彩で描くスケッチ教室」で指導も行っている。「スケッチを通して『わが町ふるさと』の良さを再認識してほしいです。歴史的建造物、美しい景観などを描き残していきたいですね」

 小さいころから絵を描くのが好きだったという岡村さん。スケッチを始めたのは意外にも定年退職の直前だった。「サラリーマン時代は、描きたくても余裕がありませんでした。定年退職する前は、早く絵を描きたくてうずうずしていました。そこで妻が庭に植えた花を描くことから始めました。定年の2年前のことです。花の優しさや曲線美を表現しようとあれこれ描いたのがデッサンの練習になったようです」

書道の経験も
 そのころ、岡村さんはニューヨークに在住している義妹を訪ねたことがあった。かつて書道を習った経験のある岡村さんは「あるとき、書道に使う紙を地面に広げてニューヨークの高いビルなどを描いていたんです。すると周りで見ていたニューヨークの人々が『色をつけたらすごい』と言ってくれました」。このことがヒントになり、後の岡村さんのスタイルが出来上がった。「絵が好きだったことと書道を長く学んでいたこと。この2つが合わさって、(線の魅力を強調した)私のスケッチになったんだと思います」

線を生かす工夫
 帰国後、岡村さんは、本格的にスケッチを描きはじめた。「どうすれば、線を生かせるか」。岡村さんはスケッチ用のペンだけではなく、微妙な線を表現するため、竹ペン、アシペン、道で拾った枝、割り箸などでスケッチを試みた。インクは、セピア色に黒色を混ぜたり、セピア色に青色を混ぜたりして使用。岡村さんのスケッチは、線に強弱をつけ、花は優しい線、建物は強い線で描く。「上手に描こうとせず、失敗を恐れず感動した気持ちを線で表現します。速く描くためデッサンが多少狂っても直さないようにします。線で表現した絵には強さがあります」

 2001年に岡村さんは「NPO法人東京を描く市民の会」に入会した。同会は、東京駅の保存を求める写生運動をきっかけにできた団体で、今年創立23周年を迎えた。「歴史的建造物や美しい都市景観などの大切さを問いかけ描き残しておこうという趣旨で活動しています」

テーマを決めて
 同会での取り組みに触発された岡村さんは03年、地元日立市で「日立をスケッチする会」を発足させた。この会でも歴史的建造物などを描き残しておこうと、港や街角など毎年テーマを決めて日立市や近隣の市などで写生会を行っている。今年のテーマは「坂道と階段」。

 同会は会員が描きためた作品を集め、来年3月に多賀市民プラザで展覧会を行う予定だ。また助川交流センター「ペンと水彩で描くスケッチ教室」の指導にも熱が入る。

 「対象物を良く観察すること。そして何が主役か、どこを強調したいかを決めなさい。たくさん描くことが上達の早道です」と生徒にスケッチのコツを説いている。

 岡村さんのスケッチは徐々に評判を呼び、大手出版社から挿絵などの依頼が舞い込むようになった。

 08年には岡村さんも編集企画に参加した「東京よいところだけ、スケッチ散歩」(講談社)が発行。また今年宝島社から出版された「北杜夫マンボウ文学読本」では挿絵を描いたほど。

 岡村さんは話す。「まだ、自分の思う理想的な絵に到達できていません。紆余(うよ)曲折していますが、感動した風景を描き楽しみながら仕上げています。絵を描きたいと思ってはいても、行動に移さない人が多いです。絵を描いていると人生に活力をもらえます。絵に興味のある人は思い切って一歩踏み出してみてはいかがでしょうか」

 岡村さんの作品は日立市のカフェ「アーリーバード」(Tel.0294・21・4248)で常設展示している。
 岡村さんの連絡先は Tel.0294・23・2508
その他関連催し
「日立をスケッチする会」:毎月第2水曜日に市内で写生会。問い合わせは事務局・木村 Tel.090・8875・2496
「SANJIのヨーロッパと東京風景画」第6回個展:1月30日(月)〜2月5日(日)、ドゥ(doux)画廊(地下鉄宝町駅徒歩2分)で。岡村さんの各種スケッチを展示。Tel.03・5250・0860

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