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  法律 平成19年12月号  
支払いを怠る賃借人  江東区/57歳男性

 マンションの1室を貸しているのですが、借り主が賃料の支払いを3カ月も怠っています。明け渡してくれるよう交渉したところ「これからは毎月必ず支払いますので引き続きお願いします。もし1カ月でも支払いを怠ったときは、直ちに明け渡します」と言うので、引き続き貸そうかと思います。この場合どんな書類を作ったらいいでしょうか。また、相手の約束を確実に守らせる方法はあるでしょうか。


 当事者間で作成する書類としては、現在の契約を前提として、名目は和解書、合意書、覚書のいずれでもよいのですが、失権約款付きの書類を作るとよいです。具体的には、例えば「1カ月でも賃料の支払いを怠ったときは、何らの催告をすることなく本契約を解除することができる」などの文言を入れておくとよいでしょう。

 あるいは、契約を合意解約した上で明け渡しを1年とか2年猶予し、その間に損害金(賃料とはいわない)の不払いが1回でもあったときは、直ちに明け渡すこととし、約束通り支払ったときは、猶予期間満了時に新しく契約を結ぶ方法もあります。

 しかし、前述のような当事者間における書類では、契約解除の効力や明け渡しの義務は発生しますが、賃借人が任意に明け渡しをせず居座っている場合に強制的に明け渡しをすることはできません。あらためて調停の申し立てまたは訴訟を起こして、調停調書か判決をとる必要があります。

 そこで、賃借人の住所地を管轄する簡易裁判所に、訴え提起前の和解の申立(即決和解の申立)をして、裁判所で和解調書を作成すると、賃借人に賃料不払いなどの債務不履行があったときには、この和解調書で強制的に明け渡しをすることができます。なお、公正証書では金銭債権については強制執行ができますが、建物の明け渡しについては強制執行できないことを付言します。


弁護士 山下英幸
TEL:03-3508-0581

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