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  法律 令和元年6月上旬号  
再婚した際の扶養義務  品川区/41歳男性

 私は、相手方(元妻)と平成20年3月に結婚して、平成21年6月に長男をもうけました。しかし、相手方とは平成28年3月に離婚し、長男は私が引き取り、養育することにしました。その後私は平成29年8月に現在の妻と再婚しましたが、その際妻は長男と養子縁組を行いました。このような場合、私から相手方に対し、長男の養育費として学費などの請求をすることができるのでしょうか。ちなみに年収は、私よりも相手方の方がはるかに多く、また妻は勤務地の関係で勤めを辞め、現在は無職で就職活動中です。


 現在の妻が長男と養子縁組をしたことにより、法律上親子関係が発生し、子は養親の親権に服することになります(民法818条2項)。その結果、養親である妻は一次的扶養義務者となり、実親である相手方は二次的な義務者とされています(同法820条)。

 養子制度は、古くは家のためとか親のためと考えられていましたが、現在は子のための制度であるとされています。親のいない子に親を、あるいは、親がいても養育する能力のない場合に能力のある人を親とする制度だからです。そのため、実親がいても養親が先順位の扶養義務者となるのです。しかし、扶養能力が実親の方が高いときには二次的扶養義務者であっても実子の扶養義務を認めるなど、子どものためと判断される場合には一次的扶養義務を負わせることもあります。

 したがって、扶養義務の優先順位を家庭裁判所が判断する場合には、あなた一家と相手方の収入状況を検討することになります。あなたと相手方の年収を比較すると、相手方の方がはるかに多いとのことですから、この点からみると相手方が一次的に扶養義務を負うことになると考えられます。しかし、問題はあなた一人の収入ではなく家族の収入ですから、妻が退職する前にどのくらいの収入を得ていたかという点も潜在的稼働能力として判断の材料となります。

 いずれにしても、長男の扶養については相手方と協議して、その順位や程度、方法を決めることになります。解決できなかったり、協議そのものができなかったりするときは、家庭裁判所に扶養請求の申し立てをして決めてもらうことになります(同法878条、879条)。

弁護士 山下英幸
TEL:03-3508-0581

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