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  医療 平成21年10月号  
脂肪肝とは?  八王子市/56歳男性

 かかりつけの医師から「脂肪肝の疑いがある」と言われました。別に自覚症状はありませんが、友人たちは肝硬変の前兆だと言います。脂肪肝はほっておくと肝硬変になるのでしょうか。また、治るものなのでしょうか。


 脂肪肝は肝臓に中性脂肪が蓄積した状態で、食事からの脂肪・糖質の過剰摂取やブドウ糖・脂肪酸を原料とした肝臓での中性脂肪の合成亢(こう)進により生じます。したがって脂肪肝の原因は栄養障害(栄養過多、低栄養)、アルコール、糖尿病が多く、薬剤、妊娠などでも起こります。

 また近年、非アルコール性脂肪肝に炎症性変化や線維化を伴う非アルコール性脂肪肝炎(NASH)と呼ばれる病態も注目されています。

 一般的には全身の倦怠(けんたい)感程度で、ほとんど自覚症状はありません。血液検査や腹部CTスキャン、腹部超音波検査などでは脂肪肝に特徴的な変化が見られますが、脂肪性肝炎の確定診断には肝生検(肝臓の細胞の一部をとって調べること)が必要になります。

 治療は脂肪肝の原因となる食習慣や生活習慣の改善が中心で、具体的には食事療法による体重のコントロール、禁酒、糖尿病や脂質異常症の治療が大切です。

 食生活、運動で改善しない場合や増悪を繰り返す場合、またNASHの診断が確定した場合には薬物療法が適応されます。

 しかし、いまだに確立された薬物療法はなく、合併した糖尿病や脂質異常症(高中性脂肪血症)の効果を考慮に入れた治療薬がその都度選択されることになります。またNASHが進行すると肝硬変や肝がんが発生することもありますので、腹部超音波やCTスキャンによる定期的な観察も必要です。

 脂肪肝の診断を受けた場合は、原因(糖尿病、脂質異常症、肥満、アルコール、運動不足など)を明らかにし、まず原疾患のコントロールと食生活を中心とした生活習慣の見直しが大切です。


東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科 蔵田英明

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