|
介護保険の利用開始 60代女性 |
|
|
母親の要介護認定を申請しました。いつから介護保険サービスを利用できるのでしょうか?
桐山 典悦 |
要介護認定の申請後の流れ、具体的に介護保険サービスを利用する方法についてお伝えします。
お住まいの自治体に申請すると、対象者本人がどの程度の介護や支援を必要としているかを調べるための「認定調査」が始まります。市区町村の介護認定調査員が基本的にはご自宅に訪問し、本人や家族に聞き取り調査を行います。身体機能や起床動作、生活機能、認知機能、精神・行動障害などについて調査します。この際に注意が必要なのは、訪問調査には必ず家族が立ち会って、実態を正しく伝えることです。訪問調査をご本人任せにすると、ご本人が介護認定調査員の前で過度に頑張ってしまい要介護度が低く出てしまいがちです。本人の前で言いづらいことはメモを手渡すなどの工夫をされるとよいかと思います。
その後、客観的に公平な判定を行うため、訪問調査の内容と主治医意見書をもとにコンピューターによる「一次判定」を行います。次に、一次判定の結果と主治医意見書を踏まえて、保健・医療・福祉の学識経験者による介護認定審査会が「二次判定」を行います。最終的に、この結果に基づき市区町村が「要介護認定」を行います。
本人への要介護認定の認定結果は、原則申請から30日以内に「認定結果通知書」が郵便で届きます。要介護認定は「要支援1・2」から「要介護1~5」までの7段階および「非該当」に分かれています。要介護認定の結果によって、利用可能な介護保険サービスの種類や頻度が異なります。非該当と判断された場合は介護保険サービスの利用はできません。
また、要介護認定が下りただけでは介護保険サービスは利用できません。利用するには「ケアプラン(居宅・介護予防・施設サービス計画書)」が必要となります。要介護認定が下りて自宅で過ごしながら介護保険サービスを使うためには、要支援1・2の該当者は「地域包括支援センター」、要介護1~5の該当者は「居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)」へ依頼してケアプランを作成するのが一般的な流れです。要介護に該当した人は居宅介護支援事業所のケアマネジャーをご自身で探すことができます。とはいえ、お住まいの地域にどのような居宅介護支援事業所があって、どのように探したらよいか分からないかと思いますので、まずは地域包括支援センターや市区町村の介護保険課などの窓口に相談するとよいでしょう。
今回は、要介護認定の申請から介護保険サービスを利用するまでの流れをお伝えしました。このように申請したらすぐに介護保険サービスを利用できるわけではなく、1カ月以上かかる場合もあることを覚えておいてください。
((株)クラウドケアCOO・介護福祉士 桐山典悦)
|
|
| |
|