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在宅介護の具体例 60代男性 |
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在宅介護を続けるために、介護保険サービスと介護保険外サービスを併用している人の具体例を知りたいです。


桐山 典悦 |
介護が長期化する中で、介護保険サービスだけではまかないきれない部分を、介護保険外サービスで補うという選択をする人が増えています。今回は、介護保険と介護保険外サービスを上手に組み合わせ、在宅で認知症の母を介護している50代男性のケースをご紹介します。
埼玉県の実家で1人暮らしを続けているお母さまは要介護4。住み慣れた自宅での生活を望んでおり、できる限りその思いを尊重したいと、息子さんは日々介護の体制を整えてきました。
現在、平日は介護保険によるサービスを活用し、次のような支援を受けています。朝は30分間の訪問介護で身支度や服薬のサポート、簡単な掃除や食事の準備を行い、その後は日中のデイサービスを利用。夕方にも再び30分の訪問介護が入り、1日の生活を支えています。土曜日にはショートステイを利用し、1泊の宿泊サービスを受けています。
一方、介護保険外サービスは土日を中心に取り入れています。例えば、土曜日の朝には、ショートステイ施設への送り出しのために1時間、日曜日には施設からの帰宅後に1時間の保険外の訪問介護を利用しています。支援内容は、介護保険のサービスと変わりません。
介護保険外サービスを選択した理由は、土日も対応可能な公的介護保険の訪問介護事業所が見つからなかったためです。その結果、以前は息子さんが毎週末に実家へ通い、介護を担っていました。しかし、自身の仕事と往復の移動、そして介護の負担が積み重なり、限界を感じるようになったといいます。
「母が望む暮らしを実現するには、制度内サービスだけに頼るのではなく、必要なときに介護保険外サービスも利用しています」と語る息子さん。
介護保険制度の枠組みにとらわれず、自分たちの生活リズムに合った支援を選ぶ。その柔軟な発想が、在宅介護を続けるためのヒントとなりそうです。
こういった介護保険と介護保険外サービスを組み合わせた介護の体験談を弊社が運営するウェブメディア「けあむすび」でご紹介しています。具体的な利用内容が、皆さまの介護の手助けになれば幸いです。
((株)クラウドケア取締役COO・介護福祉士 桐山典悦)
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