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40年ぶりに再結成 伝説の三重奏/ハーモニカ・ライナーズ |
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復活ライブ後の楽屋で笑顔を見せる3人。 右から波木さん、鶴田さん、町田さん |
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1962年の結成以降、5年間で400ステージを演奏、日本ハーモニカ界の草分けとなった「ハーモニカ・ライナーズ」。メンバーの地方転勤を機に活動を終え、以後個々の活動でハーモニカ界をけん引してきた3人の名手がこのほど40年ぶりに再結成、復活ライブを行った。秋以降も各地で公演を予定しており、円熟の技とトークの三重奏を楽しむ機会がありそうだ。
♪復活ライブ、秋以降も公演
「楽しい演奏ができた」。
演奏終了後の楽屋で息を弾ませながら、3人は笑った。メンバーはリーダーでコード担当の波木圭二さん (78) 、ベース担当の鶴田亘弘さん (69) 、そしてメロディー担当の町田明夫さん (68) 。軽快なテンポの「コメディアン・ギャロップ」の演奏から始まり、味のあるトークの掛け合い。じゃんけんで順番を決めたというソロ演奏では個人の技を存分に見せつけ、3人によるアレンジ版の「千の風になって」も演奏した。
「昔の曲をやるとすぐ思い出してくる。 (LP盤以前の) アメリカから入ってきたSP盤レコードを擦り切れるほど聞いて勉強した」と笑う波木さん。
鶴田さん、町田さんとともににこやかな雰囲気が印象的で、演奏もトークも息がぴったりだ。
♪結成時 : 夜行列車で演奏の旅
♪現 在 : 円熟の音色とトーク
45年前、3人は演奏で各地を回った。始発列車で九州の米軍キャンプに向かい、夜行列車で翌日帰京。夕方からキャバレーを“はしご”して演奏を続けた。帝国ホテルのクリスマスディナー公演をしたこともあれば、営業先のキャバレーでビールをかけられたことも。
「つらいけどやめようとは思わなかった。楽しんで、刺激し合っていた」と口々に言う3人。会社員でもあった町田さんは「“二足のわらじ”を隠すため、かつらや名前を変えてテレビに出たこともありました」と懐かしそうに振り返る。
結局、町田さんの地方転勤に伴い、3人での演奏はできなくなったが、それぞれが第一線で活躍を続け、親交は続いた。
♪酒のノリで再結成
「そろそろやりたいね」。再結成のきっかけは昨年暮れ、酒を飲んでいた鶴田さんと町田さんのひょんな一言から。波木さんに持ちかけると大喜びで話が進み、3人の予定が空いている6月4日に再結成ライブが決まった。
特別な練習はしなかったという。失敗を冗談で笑い合い、お互いが熱心に練習をする。そんな関係が昔から変わらなかったからだ。
「それぞれが音楽を知っている。グループみんなで楽しんでいる」と波木さんが言えば、鶴田さんは「ハーモニカがなければ今ごろ何をしているかなって考えますよ」と笑う。会社を定年退職した町田さんは「今はハーモニカが自由にやれる一生で一番いい時期です」。
再結成ライブには長年のファンが駆けつけ、惜しみない拍手をいつまでも送った。40年分の思いを乗せた円熟の音色を今多くの人が待ち望んでいる。

【波木圭二さん】
ラジオやテレビ、海外公演で活躍。現在はソロ活動をはじめ、関東一円の幼稚園や保育園で音楽や鼓笛の指導も行う。 |
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【鶴田亘弘さん】
72年にザ・ノーブランズ結成。"ふれあい"を求めて全国的に地道な演奏活動を展開し、今日に至る。78年、日本ハーモニカ賞受賞。 |
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【町田明夫さん】
95年、「世界ハーモニカ・コンテスト」フューチャー部門優勝。現在は全日本ハーモニカ連盟副理事長、ニッポン・ハーモニカ・クラブ副会長などを務める。 |
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『秋以降の公演情報』
『落語家・鈴々舎風車とのジョイントライブ』
日時 : 9月18日(火)午後4時半
場所 : 音楽スタジオ・ダボ (東武東上線大山駅徒歩5分)
定員 : 26人
料金 : 8500円 (前売り3500円)
『成増アクトホール公演』
日時 : 10月5日 (金) 午後6時
場所 : 同所 (同線成増駅徒歩2分)
料金 : 8500円 (前売り3500円)
問い合わせ : TEL&FAX 03-6785-0477 (PTC) |
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