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定年時代
 
  東京版 平成19年10月下旬号  
年を重ねて増した演じる充実感  女優/高橋惠子さん

ワンピースにロングブーツを合わせた若々しいコーディネートで。「おばあちゃんらしくしなくちゃ、とは考えないですね」と華やかな笑顔を見せる高橋さん
 
 結婚、出産を経て現在は2人の孫を持ちながらも、息長く活躍する数少ない女優・高橋惠子さん (52) 。現在公開中の映画「ふみ子の海」では、豪雪の地・新潟を舞台に、盲目の身で生きていく少女の将来のため、厳しく指圧を教える女性を演じている。自身も北海道から上京し、10代で仕事を始めて、ことしで37年になる。高橋さんは、最近になって特に仕事の充実感が増したと話す。

 「失敗を恐れなくなることが年を重ねることのよさではないでしょうか。ハンディがあってもその時その時の輝き方があるのではないかと思います」と語る。

「その時の輝き方がある」
 昭和初期、貧しさから視力を失い、家計を支えるために指圧の修業に出ながら点字の勉強をあきらめなかった少女・ふみ子の成長を描く「ふみ子の海」。「女に学問はいらない」という時代に、ふみ子はハンディを乗り越えて自分の道を懸命に切り開いていく。

 同映画は、目を患いながらも新潟県高田盲学校の教師として視覚障害教育に生涯をささげた粟津キヨさんがモデルとなっている。撮影は昨年、新潟県内各地で行われた。粟津さんが教壇に立った高田盲学校は、昨年3月、映画の撮影中に118年の歴史に幕を下ろした。

「意地と感謝」で続ける
 最後の卒業式に出席した高橋さん。閉校は残念だが、未来に向って懸命に生きる学生の姿に胸が熱くなったという。「やはり人の心を打つものは、困難に立ち向かっていく勇気とか、あきらめない心だと思います」と話す。

 デビューから40年近く。ふみ子と同様、高橋さんも人より早い時期から働き始めている。厳しい大人の世界で多くの試練に耐えなければならかった。

 「ふみ子には親を思う気持ちとともに、意地もあったでしょうね。ただの純心さだけではないと思います。ここで弱音は吐けない、自分に負けたくない、という気持ち。それはわたしにもありました」

 一方で意地だけではやり抜けないことも、経験から知っている。「映画ひとつを作るにも自分ひとりの力では何もできませんから。周囲の人への感謝を忘れると次の場がなくなりますものね。相手あっての自分という思いがないと、どんなことも続けることは難しいと思います」。意地と感謝、この2本柱で仕事を続けてきた。

失敗を恐れずに
 ことしは舞台を4本こなし、脂の乗った時期にいる。しかし、仕事が楽しくなってきたのは実はここ5年ほどのことだという。

 「楽しくなってきたのはだんだん失敗を恐れなくなったからかな。経験によるものでしょうね」と分析。もちろん失敗しないように努力はするが、「失敗してもそれ以上の何かをお客さまに感じてもらえるようになった方がいいかな、と思うようになりました」と話す口調も穏やかだ。肩の力が抜けてきて、「楽しいと思うことが増えてきた」とも。

 「自分を過大評価せず、これでもいいんじゃない、と思えることが年を重ねるよさでしょうね」

心を開き自分磨く
 現在52歳。プライベートでは映画監督・高橋伴名氏と結婚して25年になる。4歳ともうじき3歳になる孫が2人いる。職業柄きれいでいることに関心はあるが、高額な化粧品や過剰な運動で補おうとはしていない。インタビュー中、写真の撮影に注文などは一切つけなかった。取りつくろったり、少しでもよく見せようという欲は少ないようだ。家族の話になった時、「誰かの役にたてる喜びを持ったり、自分以外の人のことを知ろうと心がけることがきれいにつながるのではないかと思う」と口にした。

 「結局、人はひとりでは磨かれないんですよね。夫婦だったらお互いのしていることに関心を持つとか、本でも映画でもいい、他人に対して心を開かなくなると、ひからびて (笑) しまう気がします」

 年を取ると身体的なハンディも生まれてくる。残念な気持ちも確かにある。「ふみ子のようにハンディを持ちながら前向きに生きるのはなかなかできることではありませんけれど、人にはその時その時の輝き方があるということだと思います。わたしはこれからもそれを見つけて生きていたいし、みなさんにもぜひ映画の中でそれを感じていただきたい」と締めくくった。


  『ふみこの海』
監督 : 近藤明男
出演 : 鈴木理子、高橋惠子、あおい輝彦ほか
上映時間 :105分
シネスイッチ銀座 (TEL:03-3561-0707) で上映中。
ホームページ : ふみこの海 (外部サイト)

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