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定年時代
 
  東京版 平成19年12月下旬号  
静かに反骨精神燃やす  俳優/三國連太郎さん

家出は繰り返したが、父親のことは一番好きだったと話す。「女好きだったんです。わたしと同じですね(笑)」
 
旧制高校舞台に映画出演
 旧制第七高等学校(現・鹿児島大学)に入学した生徒の青春と戦争を描いた映画「北辰斜 (ななめ) にさすところ」が22日(土)から公開される。現代を生きる主人公を演じた三國連太郎さん (84)。自身も大陸で戦争を体験した。これまで出演した170本以上の作品の半数以上が反戦映画だという。反骨精神を静かに燃やしながら役者を60年近くやってきた。

 「嫌なものは嫌だと言いたい。役者をやれる間は世の中に何かしらのメッセージを提示する、それがわたしの生きがい」と語る。

 映画のタイトル「北辰斜にさすところ」は、映画の舞台となる鹿児島の旧制高校・七高造士館の寮歌に由来している。

 学生たちは白線帽に黒マントをはおり、高げたをはいて寮歌を歌いながら街を練り歩く。当時、その世代の男子の1%未満にだけ許された行動だ。

青春と戦争描く
 この映画の見どころは、旧制高校の学生が経験した青春のシーンの数々だ。寮ごとに別れてのけんか、酒を飲み交わす夜、学説を論じた春の日、船での急流下り、校庭でのばか騒ぎ、そしてライバル校との野球。しかし戦争が始まると、エリートであれ何であれ容赦なく戦場に駆り出されていく。青春の輝きがまぶしいほどに描かれているからこそ、わずかな戦争のシーンがとてつもなく暗く写る。主人公・上田勝弥は医者として成功し、大学生となる孫を持つ年齢になっても、まだ癒えない傷に苦しめられている。

中国出兵の経験
 三國さんも中国へ出兵した。「これで今生のお別れだという気持ちを心と体で感じ、自分の生まれた土地を踏むことはもうないだろうと覚悟しました。そのころの記憶は鮮明に残っています」

 中学校時代、校門の真影に最敬礼をするのが嫌だった。「権力に対する漠然とした恐怖と抵抗感があった」と言う。家を飛び出しては引き戻されることを徴兵まで繰り返した。「家出ばかりしていたせいか、妙に頑固なところがあるんです」と笑わせる。実際、三國さんの「こだわり」の強さを業界内で知らない者はいないという。常々、「ポリシーにそぐわない仕事は遠慮したい」と公言しており、出演作品はかなり慎重に選ぶ。作品のテーマに一貫性が見られなければ降板することも。

世の中にメッセージ
役者としての生きがい

 「ばかなんでしょうね。調子よくやっていけないんです。嫌なものには出たくない。若いころ、木下順二さんだとか岸田國士さんだとか気概のある人たちと仕事ができたから、せめてその人たちの心情を裏切るような役者にはなりたくないという気持ちがあるんです」。一気に話した後、「ちょっときざですが」とはにかんだ。

偶然始めた仕事
 もともと役者に興味はなかった。戦後、職を転々とし、「今日の飯のために」と偶然始めた仕事だった。しかしもう半世紀以上も役者を続けている。

 「わたしにとって役者の仕事は、ささやかに生きていける範囲で、嫌なものは嫌だと言える場所を持つ、ということかもしれません。役者をやれる間は世の中にメッセージをプレゼンテーションしていく、それが生きがいになると思います」と語る。

 俳優を続ける理由のひとつとして、「社会への警鐘を鳴らす」こともある。「スーさん」でおなじみの「釣りバカ日誌」は、作品に漂う社会風刺が気に入って出演している。「これまで170本以上の作品に出演しましたが、その半数以上が反戦映画ですね」。本作もまたしかりだ。

 映画のラストは、主人公の負った過去の傷が孫である若い世代に受け継がれ、癒やされることに希望を託して終わる。三國さんにも孫がいる。芸事が好きなようだとうれしそうに語り、親子3代での活躍を促すとまんざらでもない様子だった。

 最近気に入っているのは坂本真民の詩「あとからくる者のために」だという。「もちろん死という決定的な命の終わりは怖いことは怖いです。けれど、生きている限りは世の中の大きなねじれに対して抵抗を持って生きていきたいですね」

 終始、穏やかな表情だったが、鋼のような「抵抗する魂」を感じずにはいられなかった。


  『北辰斜にさすところ』
監督 : 神山征二郎
出演 : 三國錬太郎、緒方直人ほか
上映時間 : 111分
22日(土)からシネマスクウエアとうきゅう(TEL:03-3202-1189)で公開
ホームページ : 北辰斜にさすところ (外部サイト)

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