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  東京版 平成20年4月上旬号  
愛の奥深さ、言葉に託す  俳優/長塚京三さん

「理想の上司像」といわれる穏やかな笑みを見せる長塚さん。台本では「縁」の字に「よすが」と振り仮名を付けていた。「“よすが”という言葉の響きがいいですね」
 
 海外で見た舞台に魅せられた俳優の長塚京三さん (62) が、自ら脚本を翻訳し主人公を務める─。“真実の愛”を会話や表情に込める「エンバース〜燃え尽きぬものら」。長塚さんは「感動がさめないうちに日本で劇にしたかった」と初めての翻訳に挑んだ思いを話す。言葉の大切さを絶えず意識しているだけに「せりふ一つ一つを吟味しました」。5月15日(木)からの上演を控え「酸いも甘いもかみ分けた人間の“愛の奥深さ”をお伝えできそうです」と手ごたえを語る。

舞台出演の長塚京三さん
自ら発案、脚本を翻訳

 俳優の仕事は通常、出演依頼が「始まり」だ。しかし「エンバース」では発案の段階から長塚さんが“主役”。「一つの作品に長く深くかかわることができている。『やりたい』と言ったことが形になるのは幸せ」。“理想の上司像”といわれる控えめな笑みを交え、長塚さんは言葉を継ぐ。

 「エンバース」との出合いは2006年5月。ロンドンでの仕事の合間に「予備知識もなく(劇場に)入ったのですが…。引き込まれました」。フランスの大学にいた「30歳手前」の時、フランス映画でデビューした長塚さんだが「英語の辞書と首っ引き」と初めての翻訳を振り返る。ウィーンを経てハンガリーに入り、物語の舞台となる「第二次世界大戦下の東欧」の情景を頭に描いた。「時代背景を絡め、分かりやすくなるよう工夫した」と言う。舞台では、長塚さん演じる古城の主ヘンリックが、旧友コンラッドと41年ぶりに再会する。共に75歳。ヘンリックの妻クリスチナはもういない。ヘンリックの傍らには、彼の乳母だった91歳のニーニがいるだけだ。ヘンリックにとって再会は復讐 (ふくしゅう) に近い波乱の対決であった…。

「今だから演じられる」
 派手な動き、叫びはなく、奇をてらった演出もあえて入れない。穏やかにさえ見える会話から愛や友情、信頼といった時代や国境を超えるテーマが広がっていく。「かぎになるのは言葉」「言葉の展開が妙味」。“言葉”と繰り返す口調が熱を帯びる。

無言の演技も
 ヘンリックとコンラッド、かつての親友同士がもうどうにも取り返しのつかない人生の悔恨をかみしめながら、問い掛け合う。果たして自分たちは1人の女性を「本当に愛した」と言えるのか…。見る人がそれぞれの人生経験を重ね合わせ「愛することの意味」に思いを巡らす余情豊かな作品という。

 泣いたり叫んだりした方が「演技としては楽」と話す長塚さん。会話としぐさで心の奥を表す演技は「難しい。それができる役者はなかなかいない」と話す。コンラッド役は益岡徹、ニーニ役は樫山文枝。長年、2人の演技を見てきた長塚さんは「これ以上はないという配役」と声を弾ませる。益岡が挑む“無言の演技”も見どころの一つ。「表情やちょっとした体の動きだけで心中を(観客に)伝える。辛らつな言葉を発するぼくの方が楽じゃないかな(笑)」

俳句のように
 フランスで学生生活を送っていたころは「教育関係の仕事を考えていた」と言う長塚さん。自らを「書斎派かな」と言うだけに、俳優になって30年以上「理想の芝居」を考え続けている。「和歌や俳句のように言葉をもっと磨きたい。日本語の素晴らしさを、翻訳劇の『エンバース』で感じていただければ…」。誠実な人柄が言葉一つ一つににじむ長塚さんだけに、国会中継を見て「余計なこと」を感じたという。「ぼくより年上の議員が声を荒げたり、乱暴な言葉を使ったり。『いい年をして』とね」

 「その“いい年”になった今だからこそ演じられるものがある」と長塚さんは語る。激動の時代を生き抜いた人間の誇り、居住まい、若い人とは違う愛の形…。「演技の技巧だけでは無理。演じ手の生きてきた蓄積が芝居に出ないと」。世田谷区出身の長塚さんは、両親をはじめ多くの人から「きずな」の大切さといった “古い時代のエキス”を吸収したという。効率化が進み数値での評価に偏りがちな現代にあって「数字には決してできない愛の重みを表現したい」。

「愛」という言葉を口にする時、少しはにかんだような笑顔を見せた。



  『エンバース〜燃え尽きぬものら』
原作:シャーンドル・マーライ
脚本:クリストファー・ハンプトン
翻訳:長塚京三
演出:板垣恭一
出演:長塚京三、樫山文枝、益岡徹

期間:5月15日(木)〜6月1日(日)の全22回公演
※5月26日(月)のみ休演
※時間は日によって異なります
場所:俳優座劇場 (地下鉄六本木駅すぐ)
料金:全席指定7000円
問い合わせ・チケット予約:
CATチケットBOX (TEL) 03-5485-5999

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