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  東京版 平成20年4月下旬号  
“絡み合う心”撮る  監督/高橋伴明さん

電車の中で“人間ウオッチング”をするという高橋さん。「1人に絞って見ていると、いろんなことをしますよ。やっぱり人間はおもしろい」
 
 芥川賞、直木賞の創設者として知られる菊池寛が主人公の映画「丘を越えて」は、菊池を含む男女3人の“絡み合う心”を描いた物語だ。監督は連合赤軍事件に題材を取った「光の雨」(2001年) で反響を呼んだ高橋伴明 (ばんめい) さん (58)。「アウトローが好きで撮り続けた」と言うが「今、そういうこだわりはない。『丘を越えて』には随所に楽しさをちりばめた」と話す。ただ一貫している“こだわり”に「人の内面を表現すること」を挙げる。

映画監督の高橋伴明さん
昭和初期の“気分”を表現 主人公は菊池寛

 「真珠夫人」などのベストセラーを著し、「文藝春秋」「オール讀物」の創刊者でもある菊池寛。戦後、公職追放になったためか、生誕120年・没後60年の今年まで「その実像は意外に語られていなかった」と高橋さんは指摘する。学生運動に参加し、早稲田大を「除籍」になった高橋さんだが「(菊池は) もっと見直されていい人」と歯切れよい。アメリカの文化が急速に入り、日本文化との“ごった煮状態”になった昭和初期にあって「時代の気分を消化しリードしようとした人物」と評価する。

 映画は菊池と菊池の私設秘書の細川葉子、朝鮮出身の若い編集者、馬海松 (ま・かいしょう) の3人を中心に展開する。破格の人情家で「時代のパトロン」といわれた菊池、江戸情緒を残す下町の娘から銀座近くのビルで働く女性へと変ぼうした葉子、そして遊び人を気取りながらも母国の変革へ野心を燃やす馬。3人の思いが温かく切なく、時に哀愁を帯びて交錯する─。

「人間にこだわりたい」
 大学入学後すぐ映画の撮影現場に入った高橋さんは「初めは“奴隷”でした」と笑い飛ばす。いわゆるピンク映画の監督を経て、79年の三菱銀行人質事件に着想を得た「TATTOO (刺青) あり」(82年) で初めて一般映画のメガホンを取った。「人間の深いところを描いている」と評判になった転機の作品。しかし高橋さんは「一般映画という言葉は嫌い。自分にとっては (ピンクも一般も) 同じ映画」と断言する。ただ、この作品で“魔性の女”のイメージから起用した関根恵子 (現・高橋惠子) と後に結婚した高橋さん。「話してみると全然違う人で…。先入観で人を判断してはいけないことを彼女から学んだ。そういう意味では転機だったかな」と笑みを見せる。

心の闇“照らす”
 連合赤軍リンチ殺人事件に焦点を絞った「光の雨」では“劇中劇”の形を取りながらも事件当事者になった活動家の心理に肉薄した。「撮影の後、自分がゼロになれた」と語る高橋さん。女性陶芸家の鬼気迫る生きざまに迫った「火火(ひび)」(05年) では骨髄バンクの重要性を取り上げ「これで (アウトローへの) こだわりが完全になくなった」と笑う。

「遊び心」随所に
 5月の公開を控えた「丘を越えて」は、これまでの主な代表作とは趣を異にする「遊び心」に富んだ作品だ。昭和初期のファッションや流行曲、粋な江戸風の言葉遊び…。日本が戦争へと「かじ」を切り始めた時代だが「そんな中でも希望を持って、前向きに生きた人たちの文化的営みがあったことを表したかった」と話す。

 撮影現場ではかつて「鬼の伴明」の異名を取ったが「怒って得することは、あんまりない。ここ20年以上は極めて穏やか」。「丘を越えて」では菊池を演じた西田敏行ら出演者を評し「現場で急に言ったことを10秒で消化する役者ばかり。毎日が楽しかった」と撮影を振り返る。

 老いを感じつつ葉子への思いを募らせる菊池、菊池と馬の“愛憎”にも似た感情…。「作家は一度撮りたかった。プライドが高いけど情けない面もあって、そういう人種って本当におもしろい」

 高橋さんは「サイボーグやSFXに興味はない。人間へのこだわりを延々と持ち続けている」と話す。“こだわり”の理由を尋ねると「やっぱりおれ、人間が好きなんだよ」。「ピース」の紫煙をくゆらせながら、かみしめるように話した。



  『丘を越えて』
ジャンル:日本映画
監督:高橋伴明
脚本:今野勉
原作:猪瀬直樹「こころの王国」(文春文庫)
主演:西田敏幸、池脇千鶴、西島秀俊
上映時間:114分
HP:http://www.okaokoete.com/(外部サイト)

5月17日(土)からシネスイッチ銀座 (TEL:03-3561-0707) ほかで全国一斉公開。

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