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  東京版 平成20年8月上旬号  
“原点”忘れず舞台美術を創造  舞台美術家/朝倉摂さん

自宅のアトリエで舞台美術を語る朝倉摂さん。美術、舞台関係の書籍が並ぶ書棚には、「大好き。見るだけで気分転換になる」と言う猫の写真が飾られている
 
 日本を代表する舞台美術家の一人、朝倉摂(せつ)さん(86)は「今も、ごみの山から(舞台の)材料を探す」と笑みを見せる。舞台美術の世界に入ったのは60年前。大戦のつめ跡が生々しい東京で、廃材などを拾い、舞台に生かした。「戦争が一番嫌い」。市川猿之助や蜷川幸雄らの大舞台を手掛け名声を確立した現在も、創作の“原点”を忘れない。「大好きな仕事ができるのは幸せ。だから毎日が新鮮です」と平和の重みをかみ締める。

「戦争が一番嫌い」
 寝る間を惜しんで絵を描いた十代。朝倉さんは「(時差を計算し)今、ピカソが描いていると思うと、夜中も落ち着いていられなかった」と快活に笑う。彫刻界の重鎮といわれた朝倉文夫(1883〜1964)を父に持ち、物心ついたときには絵筆を握っていた朝倉さん。父の友人だった日本画家、伊東深水や福田平八郎らの影響も受け、19歳で新文展(現・日展)に入選した。

「人間でなかった」
 しかし、戦時色に染まった終戦までの10年間を「(自分たちは)人間ではなかった」と振り返る。ブロンズ像など父の作品数百点が、金属供出のため台東区の自宅(現・朝倉彫塑館)から持ち去られた。「(戦争を進める人に)言っても仕方ない」とつぶやいた父の表情が、今も脳裏から離れない。美術や芝居を語る口調はテンポ良いが戦争に話が及ぶと「思い出すのもつらい」。劇作家・演出家の永井愛らとともに、非戦を選ぶ演劇人の会実行委員に名を連ねる。

舞台は“四次元の世界”
 そんな朝倉さんと舞台美術との出合いは終戦後。フランスのバレエの来日公演を見て「舞台の仕掛けで場面が変わる。空間に時間の流れと人を加えた“四次元の世界”に引きつけられました」と強い創作意欲を抱いた。舞台美術家としての初仕事は1948年。とはいえ「指導者はいない。物もない。女性はわたしだけ」。拾った板や鉄くず、空き瓶などを舞台で使えるよう手を加えた。試行錯誤を繰り返した50〜60年代。ロックフェラー財団の招きで70年に渡米し、あらためて舞台美術を研究した。

廃品活用は面白い
 その後、芥川比呂志、市川猿之助、蜷川幸雄、唐十郎らが演出する大舞台、話題作の美術を手掛けた朝倉さん。必要とあれば高価な材料を惜しまない半面、廃品活用も続けている。「面白かった」と語るのは、壁に突き刺すようにあしらった数え切れないほどの傘の骨。「廃棄処分になる忘れ物の傘をもらいました。人が捨てる物の中に、表現の可能性を見つけるのは喜び」と話す。

 海外での実績も積み、06年には文化功労者に選ばれたが「周りの評価より、自分が納得できたかどうかが大切」と歯切れ良い。「上演のたび、新しいことを考えている」。例えば9月に再々演される「6週間のダンスレッスン」。年齢や立場を超えて愛情をはぐくむ内容を「誰にでも愛される、いい意味で軽い作品」と評価するだけに「今度はステージの奥行きを生かすイメージを膨らませています」と目を輝かせる。

今も夜中に制作
 85歳を過ぎた今も「夜中に起きて(舞台のデザインや絵を)描くことがある。十代のころとあまり変わらないかな」と笑う。先日はニューヨークで「観劇のはしご」。ニューヨークなどでは、決して豊かとはいえない人たちが格安のチケットを求める行列などに接し、舞台を取り巻く文化の“厚み”を感じてきた。

 日本の現状に「歌舞伎役者と観客が一体になっていたように思える昔の方に、むしろ文化の豊かさを感じる」。“辛口”の舞台論も交える朝倉さんは「まず、作り手がきっちりした仕事をすること。いい舞台の蓄積が文化の“厚み”を育てていく」と視線を未来に向ける。



夫に先立たれフロリダのマンションに住むリリーは、ダンスのインストラクター、マイケルと6週間の出張レッスンの契約を結ぶ。初めは激しいけんかをする2人だが、レッスンを重ねるにつれて互いに心を開き、自分のことを話し始める−。
  『6週間のダンスレッスン』
作:リチャード・アルフィエリ
翻訳:常田景子
演出:西川信廣、美術:朝倉摂、出演:草笛光子、今村ねずみ。
料金:全席指定7800円。上演時間は日によって異なる。
問い合わせ:TEL 03-5485-5999

9月4日(木)〜10日(水)
場所:天王洲銀河劇場(りんかい線天王洲アイル駅徒歩3分)で。

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