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  東京版 平成20年8月下旬号  
漫才で磨いた“無言の演技”  漫才師/内海桂子さん

映画用に自ら筆を取った「コケ鍋の作り方」を手にする内海桂子さん。「個展を開いたせいか、最近は画家や書家の先生などと呼ばれる時がある」
 
「生涯一芸人を貫く」
 漫才の大ベテラン、内海桂子さん(85)が、23日(土)公開の映画「能登の花ヨメ」で、寡黙なおばあちゃんを演じている。「しゃべってナンボのわたしに、しゃべらせないなんて」と笑う内海さん。しかし表情やしぐさを見せる“だんまりの芸”を70年もの芸歴で培ってきただけに「自然体で演じられました」と話す。昨年はけがと病気に見舞われたが、迫力と緩急のある話芸は健在。「まずは100歳まで元気にやります」と“生涯一芸人”の意気込みを語る。

 「漫才は芝居のようなもの」。

 内海さんは、にんまりとした笑顔を見せる。48年に及んだ内海好江との三味線漫才は、小気味良い言葉のやり取りに加え「話の“間”をつくっていた」。録音を聞くと無言の時も客席から笑いがわく。「目や顔、体全体の動きだね。難しい芸だけど…」。

 1997年、好江が胃がんで死去した後、1人での漫談を軸に活動しているが、とっさの機転で若い芸人を相方に仕立て“漫才風”にすることも少なくない。

 映画「能登の花ヨメ」の主な舞台は、07年3月に起きた能登半島地震後の能登地方(石川県)。東京で派遣社員をしていた主人公のみゆきは、婚約者の母親が交通事故に遭ったという知らせを受け単身、能登を訪れる。都会と過疎の町との生活の落差に戸惑い、“嫁VS姑(しゅうと)”にも直面するみゆき。東京に逃げ帰ろうとするみゆきを、近所の“フジばあさん”は「みーんな、仲いいがいい」と諭すのだった─。

 そのフジばあさん役が内海さん。地元の人たちとの会話から「能登の雰囲気を盗んだ」と笑う。

 能登半島地震の傷跡が残る地でのロケだったが、みそ汁などを差し入れる住民の姿に「映画に託す復興の思いを感じた」。予定になかった独演会を被災者の仮設住宅で催した。「すごい盛り上がり。芸人をやっていてよかった…」。内海さん自身、関東大震災と東京大空襲で命の危機にさらされた経験を持つ。小学校にも満足に通えず、奉公に出た子どものころ。栄養不良のためか、今も右目の視力はほとんどない。夫の成田常也さん(61)は「被災地の方々の苦労を見ると、ほっておけないようです」と話す。20年近く前「年の差24の大恋愛」と話題になった2人は、仲むつまじい“おしどり夫婦”。内海さんは「けんかしてばかり。老け込む暇がない」と笑いながら、成田さんと目線を交わす。

 ここ数年は絵や書にも才能を発揮している内海さん。フジばあさんが包み紙の裏に描いた「コケ鍋(キノコ鍋)の作り方」は、内海さん自身の手によるものだ。白羽弥仁監督から書を頼まれたが「絵を入れて渡したら、びっくりされた」。この絵と書は、地域の人たちと行動を起こし、家族が一緒に暮らす意味に気付いていく主人公の“お守り”になっていく。「理屈をこねず、絵(映像)で、きずなの大切さを表現したのは監督さんの手柄」と40歳以上年下の白羽監督を持ち上げる。

 ロケを終えた翌月の07年11月、自ら会長を務めていた(社)漫才協会公演の合間に足を滑らせ、右足太ももを骨折した。「はく離骨折だけど立てなかった。威張って座っている風を装い、切り抜けた」と笑い飛ばす。ロケ中は、おんぶをされるシーンで右胸に痛みを覚えた。乳がんと分かり、12月に手術。転移がなかったこともあって、08年新春の舞台に立った。3年前は右腕に大けがをしたが「おかげで左手でも書けるようになった。左手の書の注文もきたのは、けがの功名かな」。浅草近くに居を構え「チャキチャキの下町っ子」を自称するだけに「つらい時は“てやんでえ”という心意気で乗り越えてきた」と語る。

 内海さんは、今村昌平監督が設立した日本映画学校(神奈川県川崎市)で俳優科の教壇にも立つ。教え子には「ウッチャンナンチャン」たち。「若い人が力と人気を付けてくるのはうれしい」と語る一方、「今の若い芸人で“だんまりの芸”ができる人はそういない」と生涯現役を貫く考えだ。踊りも交える高座に、けがや病気の影はない。粋な言葉遊びの都都逸(どどいつ)を作り、漫談の中に織り込んでいく内海さん。高齢の観客が多い時などは、お気に入りの自作を張りのある声で披露する。

 「年寄りをいたわるばかりが政治じゃないよ、生かして使おう老いの知恵」


  『能登の花ヨメ』
監督:白羽弥仁
音楽:大江千里
脚本:国井桂、谷口純一郎
出演:田中美里、内海桂子、泉ピン子
上映時間:109分
HP:http://www.notonohanayome.com/(外部サイト)

23日(土)から銀座シネパトス(TEL:03-3561-4660)などで全国順次公開。

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