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定年時代
 
  東京版 平成20年11月下旬号  
動物と出会って“命の強さ”得る  舞踊家/長嶺ヤス子さん
「現代人は社会のルールに慣らされて自分が“生きている”ということを考えていない。だからすぐにくよくよしたり、つまらない野望を持ったりする」と長嶺さん  
 「踊りの原動力は動物たち。命の強さをもらった」。舞踊家の長嶺ヤス子さん(72)は故郷の福島県で160匹を超える犬や猫とともに暮らし、彼らとの思い出を題材に描いた油絵で生計を立てる。国境の壁や金策、パートナーとの別れ…。踊り手としての華やかな活躍の裏にいくつもの絶望があったという長嶺さん。多くの動物たちの生と死を見つめ、「踊りは“祈り”。動物たちからもらった命に感謝し、還元していきたい」と話す。

「同居」の犬や猫、油絵に
 1970年代にフラメンコダンサーとして一世を風靡(ふうび)し、その後日本の伝統的な題材を基にした創作舞踊で数々の賞を受賞してきた長嶺さん。70歳を過ぎた今も舞台に立ち、力強い舞を披露する。

 今年7月に行われたフラメンコ舞踊劇「あるジプシーの女」ではヒロインを演じ、2人の男性への愛に苦悩する女の葛藤(かっとう)を表現した。なまめかしいしぐさやあどけない表情、全身を振り乱しながらの圧倒的な舞で観客を魅了したが、「踊りは自分のため。生活のために絵を描き、絵を売るためには舞踊家という“名前”が必要だから」と長嶺さんは話す。

  「あるジプシーの女」公演から=2008年7月、東池袋の「あうるすぽっと」で
動物と境遇重なる
 動物たちとの生活は80年、長嶺さんが運転する車で猫をひいてしまったことがきっかけで始まった。青春時代を過ごしたスペインのフラメンコから離れ、公演資金を工面しながら自らの創作舞踊の世界を築こうと奔走していた時期。踊り手として男性として約10年連れ添ったスペイン人パートナーと別れ、恨んだことも。自らの境遇を重ねたのだろうか。「捨てられたり、殺されたりする動物。人間社会で生きていくのは大変なのに、それでも素直に生きている」と長嶺さんは捨て猫や犬を拾って育てるように。

 捨てられた動物たちは衰弱しているため病気にかかりやすく、すぐに死んでしまうことも。だが「すべてを運命と割り切って拾うことにした」と何百回という死に目に立ち会い遺骨を供養してきた。

 「たくさんの動物を飼ってぜいたく」「人の迷惑を考えない」と言う人もいれば、一方で、長嶺さんの家の近くに動物たちを捨てていく心ない飼い主もいた。

 動物たちの養育に時間を取られる生活をメディアから「猫が(本業の)足を引っ張る」と批判されたこともあった。それでも、「動物たちとの出会いがなければ踊りをやめていた。初めて自分が生きていることを知った」と長嶺さんは振り返る。けなげに生きる動物たちの姿から命の強さを知り、死を新たな“生”の出発点と考えるようになったという。以前は1人で40分が精いっぱいだったという踊りも、「ここ15年は、点滴や注射をしなくても平気で踊れる」と長嶺さん。

長嶺さんの油絵作品「ボクタ」  
絵に“思い”託す
 「公演はいつも赤字」と言う長嶺さんには自分用の練習スタジオがない。生活の基盤は、知り合いの画商の勧めで約20年前から描き始めた油絵の年収約 2000万円。毎年個展も開き、動物たちの食費や医療費など月100万円の経費を油絵で賄ってきたという。「猫たちとこうしたい、こうありたかったという情景がいくらでも浮かぶ」と言う長嶺さん。長嶺さんをよく知る演劇関係者は「絵には猫と一緒に少女時代のヤス子さんが多く描かれている」とほほ笑む。

“経で踊る”
 戦時中の暗い国防色、“灰色の時代”に寺の近所で育った長嶺さんは「仏壇や僧侶の衣装のきらびやかさにあこがれた。経には怖さと同時にセクシーさを感じた」。僧侶の声明(しょうみょう=日本の伝統的な仏教聖歌)をバックに人間の原罪と救済を追究した「曼陀羅」公演や僧侶たちとの托鉢(たくはつ)行脚の旅を行うなど「今でも“経で踊る”ことは幸せ。声明も踊りも同じ(人々の)祈りだから」と笑みを見せる。

 「“命の大切さ”や“誰かのために”と思って踊ってきたことはない」と長嶺さんは言う。だが、言葉とは裏腹に動物たちからもらった“命”を還元していきたいという感謝の気持ちもある。「今までの苦しみがあるから踊れると思う。幕が開いたらその瞬間だけは全身をささげ、見ている人に自分の持っているものすべてをお返ししたい」


「デジャヴ−あらかじめ去りし女の記憶−」
日時:12月9日(火)午後7時開演
場所:ゆうぽうとホール(JR五反田駅徒歩5分)で
料金:S席1万5000円〜B席5000円。
読者特典:申し込みの際「定年時代を見た」と言えば、全席を半額に割引。
問い合わせ TEL:03-3419-6318(K・企画)

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