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  東京版 平成21年3月上旬号  
「定年」決め話芸に精進  落語家/古今亭志ん輔さん

師匠の教えをずいぶん聞き流してきたという志ん輔さん。「まず『人の話をちゃんと聞く』。これが大事。最近分かってきたんですけどね(笑)」
 
 「定年は63歳。それまでに1年に1席ずつ、15席を完成させる」。落語家の古今亭志ん輔さん(55)は48歳の時、自らの定年を師の享年に重ねた。師は古典落語の名手として活躍した3代目古今亭志ん朝(1938〜2001)。軽妙な語り口とその“華”にほれて弟子入りした志ん輔さんは師匠の死を見つめ、独自の話芸を探る。真骨頂の“シェイクスピア落語”も第10弾を迎え、円熟期の入り口に立つ。「落語のシェイクスピアがどんなものか見えてきた。今、それが表現できそうで面白い」

シェイクスピア落語「円熟の予感」
 師匠譲りの口跡のよさに巧みな人物描写、聴き手をぐいぐいと引き込む噺(はなし)のテンポと間─。古典落語のほか、若手や上方落語家との落語会、オペラやオーケストラとの共演などにも意欲を見せる志ん輔さんは、今の心境を「一日一字を学べば三百六十字」と例える。

 かつては「声が出せれば生涯できる」と思っていた落語家という仕事も、師匠の死を通して「寿命はある」と確信。独自の話芸を模索し始めた時期だっただけに、「自分の寿命を一度63歳で区切った。今生きている土台にしっかりと腹を据え、1年に1席、定年までに15席の噺を完成させよう」と決心した。

 「タレントの落語家は嫌いだった」。“食わず嫌い”の志ん輔さんがテレビや舞台などでも活躍する志ん朝師匠の高座を見たのは高校2年の時だった。

志ん朝の“志”を継ぐ
 テンポのよさと流れるような語り口、浮かび上がる噺の情景…。志ん朝師匠の高座に周囲が爆笑する中、「自分は笑えず、まばたきもできない。師匠の“華”に引き込まれていた」。

 大学進学を勧める両親を1年がかりで説得し、72年に入門。朝助、朝太を経て85年、真打ち昇進で「志ん輔」を襲名した。NHK「おかあさんといっしょ」にレギュラー出演(82〜99年)し、子どもたちにおなじみの顔に。

 バブルの恩恵もあってか収入が安定してくる一方、「(八方破れな自由人で知られた)志ん生の孫弟子だ」と無茶な酒もずいぶん飲んだ。「弟子たちが遊びに夢中なとき、師匠はけいこしていたのにね」

古典見直し新境地
 「自分も師匠にならなければ駄目」。志ん朝師匠が亡くなる5年ほど前からそう思っていた志ん輔さんを触発したのは、長年、毛嫌いしてきた歌舞伎。中村勘九郎(現・勘三郎)の演技を見ると「つまらない言葉でもきちんと伝える。ひたむきに役に入れば客は笑う」と気づかされた。

 歌舞伎を見直し、シェイクスピア劇を“かじり”始めてすぐ、昔の仕事仲間とおでん屋で再会した。3人の娘の誰に家督を譲るか悩む「リア王」の物語が落語の「片棒」に似ていると得意気に話すと「今、東京グローブ座(当時はシェイクスピア作品の専門劇場)で働いている。落語でシェイクスピアをやらないか」と誘われた。

 期待と不安を胸に99年から始めた「シェイクスピアを楽しむ会」。シェイクスピア作品を基に笑いで仕立てる創作落語に、色物や古典落語などを加えた寄席スタイルが特徴だ。初期は“シェイクスピアらしさ”を克明に描写しようと手を加えるあまり「エスプレッソの30倍の濃さになった」という噺も、回を重ねる中で、言葉を厳選し、笑いの要素を加えてきた。「今では落語のシェイクスピアがどんなものか見えてきて、それが体現できそうな段階」。第10弾では“原点”の「リア王」(シェイクスピア四大悲劇の一つ)を題材に口演するが「かなりの喜劇に仕上がりそうです」。

「追善」の念で
 「解釈は任せます」と断りながら、志ん輔さんは亡き師匠との不思議な体験を明かす。「高座の最中、師匠がヒュンと降りてきたんです」。演目は「お見立て」だった。「一つ一つの言葉を大切に、かみしめて話そう」と独自の話芸に励んできた志ん輔さんに対し、「もういいよ。前みたいにやってみな」と志ん朝師匠は背中を押したという。「馬と御者の関係みたいだった」と志ん輔さん。手綱を握る師匠に合わせて噺のテンポを速めていくと会場は大ウケ、加速しすぎると手綱が締まり「『いつもここで飛ばしすぎるから、お客さんは息苦しくて笑えなくなるし、お前も間違える』と言われた」と頭をかく。

 志ん輔さんは「追善」という言葉の意味を考える。志ん朝師匠が生きていたらこの噺をどうしていたか、どうしたかったのか。「今は自分の中にいる師匠とじっくり向き合い噺をつくっている。最近降りてこないから、ちょっと寂しい」

赤坂青山寄席 古今亭志ん輔第十回「シェイクスピアを楽しむ会」
日時:21日(土)午後2時開演
場所:赤坂区民センター(地下鉄赤坂見附駅徒歩10分)
演目:創作落語「寿大尽」(W・シェイクスピア作「リア王」翻案)、古典落語「茶の湯」ほか。
出演:カンジヤマ・マイム、桂才紫
料金:全席指定3000円
お問い合せ:華のん企画TEL03-5917-4845

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