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  東京版 平成21年10月下旬号  
限界の一歩先へ  俳優/鹿賀丈史さん

舞台「錦繍」で、主人公の中学生時代も演じる鹿賀丈史さん。思春期の出来事、結婚後の無理心中事件、再生への行動などを演じ分ける。「衣装も変えず表現できる。舞台の醍醐味(だいごみ)です」
 
   
鹿賀丈史さん、再演の舞台に意欲
 舞台げいこの前に、台詞(せりふ)の暗記をあえてしない。俳優の鹿賀丈史さん(59)は「なぜこの台詞なのか納得してから、言葉を体に染み込ませていく」と話す。「だから、すごく時間がかかる」。11月の舞台「錦繍(きんしゅう)」は2007年に続く再演だが、「白紙の状態から臨む」と言葉を継ぐ。往復書簡が織り成す“愛と再生の物語”。「今の自分の限界を一歩越えたところに挑んでいく」と言う鹿賀さんが、小道具の一切ない舞台で、心の一番奥深いところを表現する。

「白紙の状態から挑む」
 「ものすごくきついです」。自分の限界に挑む胸中を、鹿賀さんは吐露する。「でも(限界を)乗り越えていくのは、自分が俳優として生きている証し」。乗り越えた確信を自身の中と観客の反応に見いだした時の感動は、「何歳になっても変わることがない」とかみしめるように話す。

 徹底した役づくりで知られる鹿賀さんだが、俳優になったのは「偶然に近い」。声楽家を目指し古里の金沢市から上京したが、1972(昭和47)年、友人の誘いもあり劇団四季に入団した。73年、ミュージカル「イエス・キリスト=スーパースター」で主役デビュー。歌唱力が評価されての抜てきだったが、その後、「カッコーの巣をこえて」の主演などを通し、「芝居そのものの面白さに目を見開かされた」と振り返る。

「役の人生を生きる」
 「他人を演じるというよりも、役の人間の中に入っていく感覚」。劇団四季を80年に退団した後、映画、テレビでの活動を本格化させたが、「根本の姿勢は舞台も映像も変わらない」とよどみない。

 映画では「麻雀放浪記」(84年)などで3度の日本アカデミー賞助演男優賞。「キリストでデビューした男がチンピラやばくち打ちも…。われながらいろいろやってきたと思う」と笑みを見せる。「どんな人間の中にも自分と重なる面がある」。演技の技術に依存することなく、“役の人生を生きる”ことで、「自身の人間のありようまでも変わってきた」と語る。

 「自分の変化とともに役者としてのありようも変わっていく」。93年から6年間にわたってレギュラー出演した「料理の鉄人」(フジテレビ)では“美食アカデミー主宰者”として派手な衣装に身を包んだ。過去のイメージにとらわれることなく、「いい意味で『この人は今度、何をしでかすのかな…』と思われていたい」と笑う。

「どん底も表現」
 映画、テレビの出演を重ねながら、舞台での活動に力を注ぐ。11月再演の「錦繍」は、心の奥底を物語につづる作家・宮本輝の小説の舞台版。「泥の河」「優駿」などとともに宮本の代表作に挙げられる同作は、愛し合いながらも離婚した2人の手紙のやり取りを通し、“愛と再生”を深く繊細に描いた作品だ。鹿賀さん演じる主人公は「人生のどん底を見た男」。黒を基調とした舞台で小道具を手にすることなく、“死へのとらわれ”や“生の丘への一歩”を表現する。

“演技の錦繍”へ
 物語の冒頭は紅葉の蔵王。「錦繍」という言葉は紅葉の美を言い表す時などに使われるが、美しい詩文の例えにも用いられる。「生きることの美しさが根底に流れている」という舞台で、鹿賀さんが追究するのは“錦繍を重ねた演技”。モーツァルトや尺八の音楽に和するかのように言葉を紡ぎ、観客の心の琴線に触れていく。

 以前、違う芝居で台詞を暗記してから舞台げいこに入ったこともあるが、「芝居がなかなか成長しないと感じた」と回想する。試行錯誤を重ねた末、再演でも「白紙の状態から、台詞、表情、所作を芝居全体のイメージとともに体に染み込ませていく」。あえて時間のかかる舞台げいこに挑む。

いつも“旬”で
 鹿賀さんは「経験は助けにはなるが、それだけで(芝居が)面白くなるものではない」と断言する。「いかに新鮮な気持ちで役と向き合えるかが大切」。芝居の面白さに気付いた20代の時以上に“旬”でありたいと念じている。「肉体など『しんどい』と感じる時もある」と言うが、「それでも限界を乗り越える作業を続けていく」。限界の一歩先に行けた時、「59歳なら59歳なりの、鹿賀丈史の“旬”が生まれる」と話す。

 
「錦繍」
日程:11月4日(水)〜13日(金)全13回公演
場所:天王洲銀河劇場(東京モノレール天王洲アイル駅直結)
原作:宮本輝「錦繍」
脚本・演出:ジョン・ケアード
出演:鹿賀丈史、小島聖、中村ゆり、高橋長英
音楽・演奏:藤原道山
料金:全席指定S席9000円、A席6000円
上演時間など詳しくホリプロチケットセンターTEL03-3490-4949

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