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  東京版 平成22年4月上旬号  
動物のいる自然撮る  写真家岩合光昭さん

開催中の「岩合光昭写真展 IWAGO,S WORLD」会場に立つ岩合光昭さん。「ぼくの世界観を感じていただけるよう、展示構成を考えた」=たばこと塩の博物館(渋谷区)
 
   
 野生動物の命の輝きを撮る写真家、岩合光昭さん(59)は、地球全域を撮影のフィールドとして活動する。動物の珍しい表情や面白い格好だけでは満足しない。「動物がいる自然の“ありのまま”を写す」と言葉に力を込める。35年を越す取材・撮影を通し、地球環境の変化を感じてきた。「人間は自分も自然の一部ということを、少し忘れてしまう気配がある」。これからも地球の目撃者でありたいと念じている。「人と自然の関係を見つめ直すきっかけに、ぼくの写真がなればうれしい」。  

 岩合さんは野生動物と自然との関係を「役者と舞台」になぞらえる。「役者のアップだけでなく、舞台全体も見ていきたい」。ライオンが望む平原の地平線、ホッキョクグマの母子が風雪にさらされる氷上—。「澄み切った空気、暑さや寒さ、風、においも感じてもらえれば…」と作品に込める思いを話す。近年の作品で自身も納得したのは、枝を傘のように使うオランウータン。舞台はボルネオ島の熱帯林。以前はフィルムを変色させた湿気を恨めしく思ったが、「今度はその湿気を含め、自然そのものの表情を写せた」と笑みを見せる。  

 「動物写真には魅力を感じていなかった」。戦後を代表する動物写真家の一人、岩合徳光(故人)を父に持つ岩合さんは回想する。東京都足立区に生まれたが、子どものころから父親の助手として、野生動物のいる自然の中にたびたび足を運んだ。望遠レンズや双眼鏡で動物を追いながらも、「広告写真かファッション関係の写真家になろうと…。きらびやかに見えた世界へのあこがれもあった」と苦笑する。

「地球環境は身近な問題」
 しかし、1970(昭和45)年、19歳で訪れたガラパゴス諸島で、イグアナや海鳥の営みを目の当たりにした岩合さん。広角レンズでも撮影し、「自然の奥深さに感動した。(進路の)カーテンが開いたように思えた」と振り返る。  

  大学卒業後、フリーの写真家となり、街角の猫や犬を撮る一方、世界各国に足を延ばした。北極圏から南極大陸まで—。「生き物がいる所はほとんど行った」と語る。1年半にわたって、家族と一緒に東アフリカの平原が広がるセレンゲティ国立公園(タンザニア)に滞在した経験も。「観察し続けていると、野生動物が撮られることを全く意識しない瞬間を発見できる」。その瞬間を「動物たちの命が最も輝く時」と表現する。滞在中の写真を収めた「おきて」(86年)など、写真集の多くは国境を超えて親しまれる。
  
 いつも生態を綿密に調べた上で撮影に入るが、「予想外の動きとの出合いがある」と話す。「その出合いこそ動物を撮る妙味。いい意味での衝撃を切り取ったような写真を物にしたい」。チーターのあくびなど表情に焦点を絞った写真もあるが、落日や青空、海原などを写し込んだ壮大な作品も多い。「年を重ね、ますます自然にひかれている。自然の美しさも伝えたい」と歯切れ良い。

環境の変化実感
 岩合さんは、取材・撮影を通し、環境の変化を骨身に染みて感じてきた。例えば20代からクジラの撮影で潜るハワイ沖の海。「透明度が落ちた」と表情を曇らせる。70年代以降の開発で多くの沼沢地が埋められたため、濁った雨水が十分ろ過されず海に流れ込むようになった。「こうしたことが世界各地で起きている」。3年前にはアフリカ大陸の最高峰・キリマンジャロ(標高5895メートル)に登り、縮小する山頂付近の氷河を撮影した。地球温暖化などに言葉の数を費やさないが、「作品に写る“地球の今”を見た一人ひとりが自分の問題として地球環境を考えてくれれば…」。

  現在、たばこと塩の博物館(渋谷区)で開催されている写真展では、初期から最近の作品までをそろえた。「写真を目にし『いいな』と思えたら、身近な所でいいから自然の中に足を運んでほしい」と話す。「野生動物の生きざまから、人は自分も自然の一部という、当たり前の原点を学べるのでは…」。動物が野生のまま生きる場所は狭くなっているが、「野生動物を見る人のまなざし、ほほ笑みに未来への希望を見いだしている」とかみしめるように言葉を継ぐ。1年の半分以上は撮影で歩くとあって、「キリマンジャロに登った体力を維持している」と言う。「ぼくのスタジオは地球。これからも駆け続けます」。


(C) Mitsuaki IWAGO
 
岩合光昭写真展 IWAGO'S WORLD
 11日(日)まで、たばこと塩の博物館(JR渋谷駅徒歩10分)で。
  世界各地の野生動物、猫や犬など人間とのかかわりが深い動物を撮った写真計120点を展示。午後2時から特別映画「地球温暖化の目撃者—岩合光昭シリーズ 日本・知床編」(2008年取材・62分)を上映。
  一般100円、70歳以上無料。問い合わせは同館TEL03・3476・2041

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