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  東京版 平成22年7月上旬号  
他者の支え実感 自分も人の役に  ピーコさん

片目を失って初めて、他者に支えられる自分に気付いたピーコさん。「『おすぎとピーコは嫌い』という人が多かった時代に良くしてくれた人がいた。わたしはその人たちにきちんと対処してきたかということを最近よく考えている。これからは自分が何かを残していく番です」
 
   
がん…左目を失い見えてきたもの
 ファッション評論家のピーコさん(65)は44歳の時、目の腫瘍(しゅよう)で左目を摘出した。片目を失って見えてきたのは、他者の存在と支え。それまでの自分本位の生活を後回しにし、「これからは人の役に立てる生き方を」と心に誓った。がん再発の恐怖と闘う中、歌い始めたシャンソンに意欲を見せる。「人生が歌われたシャンソン。素直に普段通りの自分を出し、聴く人の心を少しでも和らげられたら…」

 横浜市出身のピーコさん。高校卒業後、アパレル会社、文化服装学院を経て、衣装デザイナーとして芸能界へ。30歳のころから、一卵性双生児の弟・おすぎ(映画評論家)とともにテレビやラジオに出演し有名に。テレビ番組での“辛口”ファッションチェックや舞台の仕事で生活が安定してきたころ、ピーコさんは病魔に侵された。

 とはいえ、はっきりした自覚症状はなかったという。原稿を書く際、見えづらさを感じたものの、「どこも痛くなかった」。ところが半年後、人間ドックで異常を指摘され、精密検査の結果、目に腫瘍ができていることが分かった。

 「マリグナント・メラノーマ(悪性黒色腫)」。転移しやすくて、眼球に出るのは30万人に1人という難病が体をむしばんでいた。「少しでも見える目があるのに取るのはつらい。でも命にかかわるから取る」。医師のその言葉を信頼し、ピーコさんはすぐに眼球摘出を決めた。

シャンソンに思いを託す
 レギュラー番組を撮りため、おすぎに仕事を引き継ぎながら手術前夜まで原稿を書いた。「いつ帰れるか分からない。この時期が一番不安でした」

 術後1週間を病院で過ごし、少量の抗がん剤治療で退院したピーコさんは、「入院から3週間で仕事復帰した」。しかし1カ月半後、薬の副作用で髪の毛が抜け落ち、手足の指にしびれが出た。「片目で、中年でゲイ…。テレビカメラの前では耐えたけど1人の時に泣きました」。距離感がつかめず、電車とホームの狭いすき間に落ちたことも。「そんなつらさも、しばらくして産毛が生えてくるとケロッと忘れた」と今でこそ笑う。

 「人は1人で生きているんじゃない」。ピーコさんにそんな“気付き”を与えたのが、義眼を作る際に誕生した「オシャレ目の会」だ。保険が使えず高額な義眼。ピーコさんのためにと永六輔や黒柳徹子、故・淀川長治らが中心となって寄付金を集めた。「1口1万円で300人。名簿には好きじゃなかった人の名前もあった」とピーコさん。宝石、服、酒…。「有名になって、気持ちいいことやおいしいものを追いかけていた」というそれまでの生活を後悔し、「これからは人の役に立てること。特にマイノリティーやハンディキャップを持つ人のための仕事を優先したい」と考えるように。

 シャンソンを始めたのも周囲の支えがきっかけだ。がんの転移や再発…。術後5年間の定期検診で不安になるピーコさんに、「気が紛れるから」と永六輔が歌を勧めた。「昔から聴いていた好きなシャンソンなら」とピーコさんは歌を習い始めた。

「3分間の人生」
 癖のない、伸びやかな歌声に情感がこもる。技巧的になろうとせず、素直に歌うことがピーコさんの信条。「あなたは歌だけをしてきた人じゃない。素人っぽくても人柄が出ればいい」というシャンソン歌手・石井好子の助言を大切に守る。

 「自分の人生は1度きりでも、シャンソンを歌う3分間は別の人生を生きられる」とピーコさんはほほ笑む。「自分だけだと思うと苦しい悩みも、昔からシャンソンに歌われている。聴いてくれた人のつらさを少しでも緩和できればうれしい」

 8月には恒例の「シャンソン&トーク」を開催するピーコさん。今回は親友の女優・吉行和子をゲストに迎える。トーク、朗読、歌の3部構成で「パリやシャンソンの魅力をたっぷり伝えたい」。

“身の丈”の生き方
 講演などで自身の体験を語ってきたピーコさん。病気を通して一番変わったのは、「人に優しくなれたこと」。家族のきずなが深まったと同時に、背伸びをしない“身の丈”の生き方も見つけた。「真っ先に自分のことを考えない。そうすると、いい人に見られたいという欲や自分を過大評価することがなくなった。それが学べたという点で、がんになったのはいいことだった」

 ピーコさんは「年齢を重ねるのは格好いいこと」と考える。若い時に知らなかった世界が見えることを強みととらえ、そんな経験や実感をこつこつと社会に還元する。「今だから歌詞の意味が分かるし歌える歌がある。初めての65歳、年を取ることを楽しめたら…」

 
ピーコ シャンソン&トーク 我が心の歌vol.3
 8月13日(金)午後7時開演、成城ホール(小田急線成城学園前駅徒歩4分)で。

 出演:ピーコ、小泉源兵衛(ピアノ)、吉行和子(トークゲスト)。 

 全席指定、前売り3500円(当日3800円)。成城ホールTEL.03・3482・1313

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