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  東京版 平成22年12月上旬号  
音に“魂”込める  バイオリニスト/千住真理子さん

長兄は日本画家の千住博、次兄は作曲家の千住明。「互いの存在が刺激になっています」。コンサートは年間で約100回あり、2年先の予定もほぼ決まっている。「バイオリンは体の変化が音に出る楽器。体調管理と体力維持に気を遣います」
苦難越え感動と出合う
 「天才少女」と呼ばれたバイオリニスト、千住真理子さん(48)は20代の一時期、演奏活動から遠ざかった。「どう生きて良いかさえ分からなくなった」。苦悩の果てに得た気付きは、「音楽の根底には愛情が流れているということ」と話す。復帰後は「音の一つ一つに魂を吹き込む思いで弾いている」。デビュー35周年を迎えた今、ストラディバリウスの名器「デュランティ」を手に、「今は音楽が楽しくて仕方ない。音楽の可能性を追い続けたい」と声を弾ませる。

♪20歳で“一時引退” 
 “天才弾き”。すごく速く弾いたり、大きい音を出してみせる|。10代の千住さんが拍手喝采(かっさい)を浴びた“天才らしく見せる弾き方”だ。千住さんは苦笑する。「真の音楽の感動とは無縁。まるで曲芸でした」

 東京に生まれ、2歳3カ月の時からバイオリンを習った。コンクール出場を機に特訓を始め、12歳でNHK交響楽団と共演しプロデビュー。15歳の時、第46回日本音楽コンクール・バイオリン部門で1位に輝いた。しかし、「天才という言葉にとらわれてしまった」。練習のし過ぎで筋肉を痛めた上、「バッシングをひどくしたような出来事もあった」と回想する。20歳の時、引退を決意し、楽器に触れることすら避けた。「音楽は好きなのに…、心が濁流にのみ込まれたような感じだった」。クラシック音楽を耳にするだけで吐き気やめまいに襲われ、点滴を受ける日が続いたという。

♪天才弾きを封印 
 先の見えない苦悩の中、ホスピス病棟の患者に頼まれ、10カ月ぶりに楽器を手にした。おぼつかない演奏をしながら目の当たりにしたのは、死を目前にしながらも、音の一つ一つを聞き逃すまいという真剣な表情、そして鑑賞後の笑顔…。慰問演奏を重ねる中、「慰め、癒やし、あるときは勇気付け…、広い意味での愛情が音楽の根底に流れていることに気付いた」と、今も鮮明な記憶を語る。コンサートの舞台に戻ってからは天才弾きを封印し、音の一つ一つに気を配った。「音符と音符の間、(楽譜に)書かれていない思いも読み取り、魂を吹き込むのが演奏家の使命」と今は揺るがない信念を話す。

 プロの演奏家としてのブランクは2年に及び、復帰後、技術が元通りになるまで7年かかったというが、「つらい時期の中、(演奏の)ロボットから人間に変わっていく感覚を持てた」と言う。

愛器で“新しい音”発見
 そんな千住さんにとって、愛器「デュランティ」(1716年製)との出合いは、「20代の苦悩に続く第2の転機になった」。17〜18世紀に作られたストラディバリウスの中でも“幻の名器”といわれたバイオリン。「想像を膨らませれば想像した通りの音が出る。表現の領域が計り知れないほど広い」と、初めて弾いた時の衝撃を語る。8年前に入手した後も、「自分がそれまで発見できていなかった音がどんどん出てくる。例えば霧の中を漂うような淡い音」。

 千住さんは「今は暇があればデュランティに触っている」と笑う。「技術を磨き、想像力を豊かにできれば、デュランティはそれを音に反映させてくれる」。20代ではバッハの名曲を人前で弾く自信がなかったが、「今なら曲に宿る慰めと、とてつもない奥深さを感じていただけるのでは…」とよどみない。

♪名手たちと共演
 12月16日(木)の「クリスマス・コンサート」では、そのバッハの協奏曲などを奏でる。共演は“弦の国”チェコのスーク室内オーケストラ。「個性のきらめきと全体のまとまりを兼ね備えた素晴らしさがある」と評するだけに、「わたしとスーク、複数の弦楽器が織り成すぜいたくな響きに浸っていただきたい」と声を弾ませる。自ら音響の研究を続ける理論家でもあり、「ライブの弦楽器の波長は、脳にすごく良い影響を及ぼす」とほほ笑む。

♪“原点”忘れない 
 ベテランと呼ばれる年代になったが、「これからも新しい音を発見できる確信がある。80代までに、どれだけ見つけられるか楽しみ」と先を見据える。「感動の涙を流してもらえる“おばあちゃん演奏家”になりたい」

 そして、今もホスピスにライブの音を届ける。「わたし自身が音楽の感動を知った“原点”に立ち返ることができるのです」


スーク室内オーケストラ
♪千住真理子 with スーク室内オーケストラ クリスマス・コンサート
 16日(木)午後7時開演、東京オペラシティコンサートホール(京王新線初台駅徒歩5分)で。

 バッハ「ヴァイオリン協奏曲第1番」「2つのヴァイオリンのための協奏曲」「主よ、人の望みの喜びよ」、バッハ/グノー「アヴェ・マリア」、シューベルト「アヴェ・マリア」、ヘンデル「ラルゴ」、コレルリ「クリスマス協奏曲」ほかを演奏。

 全席指定A席6000円〜C席4000円。ジャパン・アーツぴあ TEL.03・5237・7711

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