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  東京版 平成24年3月下旬号  
“好き”から始めて! 現代人へのエール  森田芳光監督の妻で映画プロデューサー/三沢和子さん

映画「僕達急行」のPRで各地を回る三沢さんは、「趣味」ではなく「好きなこと・もの」という表現を好むようになった。「『ちょっと好き』という現代的な言い方にすると、皆さん、夢中になって語ってくれるんです」
夫と遺作「僕達急行」語る
 仕事は快速、恋は各駅停車—。昨年12月に急性肝不全で亡くなった森田芳光監督(享年61歳)の遺作「僕達急行 A列車で行こう」が24日(土)から公開される。「趣味や“好きなこと”から始まる人間関係」を描いた心温まる青春コメディー。監督の妻で長年、映画プロデューサーとして森田作品に携わってきた三沢和子さん(60)に、森田監督との出会いや最後の作品への思いなどについて聞いた。

 「ジャズと映画が好き。どちらかの道で就職したかった」。大学時代、ジャズのフルバンドに参加した三沢さんは日本中を回った本格派だ。「監督も大のジャズ通」と、共通の仲間の紹介で知り合った二人。夫婦の縁も互いの“好きなこと”から始まった。

 日大芸術学部在学中から自主映画制作を始めた森田監督。三沢さんが初めて見たのは、8ミリフィルムで電車と風景を撮った「水蒸気急行」。「実験映画でまさにアート。全てが監督の手作業で、一人で公開までするというので『私が手伝います』と言いました」

 長編映画監督としてデビューした「の・ようなもの」(1981年)は、三沢さんにとっても思い出深い作品だ。助監督経験もない森田監督にとっては全てが手探り。撮影スタッフや配給先が決まったという段階で、スポンサーが白紙になる窮地にも立った。「監督は自宅を抵当に入れ銀行から3000万円を借りた」と三沢さん。「何も知らないまま臨んで何とか完成した作品。失敗なら今ごろどんな生活を送っていたことやら…」

質と興行を両立
 松田優作主演の「家族ゲーム」(83年)など出世作を出す一方、映画作りへの迷いから90年代前半に撮影を離れた時期もある。「劇場勤め経験のある監督は、『どんなにいい映画を作っても客が入らないと劇場の人たちが不幸になる』という考え。ただ、ヒット作を生むために迎合する性分でもない。作品の質(作家性)と興行的成功の両方を追求する30年でしたね」と三沢さんは振り返る。

 とはいえ、転んでもただでは起きないのが森田監督。この時期、趣味の競馬で大勝した資金が次作の準備費用に。数年の沈黙を破って発表した「(ハル)」(96年)は、パソコン通信による男女の出会いを描いた意欲作だ。今でこそ一般的なインターネットやメールでの交流がまだ珍しい時代。パソコン通信のやりとりを文字情報で画面に並べるという斬新なアイデアも注目された。「興行的には不入りでしたが評判はよく、次につながった作品」と三沢さん。直後の「失楽園」(97年)で大ヒットを記録した。

映画作り支える
 その後も数々の話題作を手掛ける森田監督を支えてきた三沢さん。「欠乏感が監督の映画作りの原動力。いつも今の時代に何が足りないかを考えていた」。暗い題材が多い世相にあえて明るい作品を、という思いから誕生したのが「僕達急行」だ。

 構想10年という本作は、森田監督のオリジナル脚本。大好きな鉄道を通して友情を育む青年二人が、恋に仕事に悪戦苦闘する姿を、のびやかなユーモアでつづる。映画には東京・九州各地での長期ロケを合わせて、計20路線80モデルの電車が登場するなど森田監督のこだわりが満載だ。

 「出発点にあるのは、趣味や好きなことから始まるコミュニケーション」。三沢さんは森田監督の構想を代弁する。「仕事のしがらみもなく、性格や年齢も関係ない。楽しい話でつながるうちに本音が言い合えるようになって本当の友達になれるかもしれない」

明るい作が遺作に
 現代のナイーブな青年コンビを絶妙の距離感で演じたのは、初共演の松山ケンイチと瑛太。三沢さんは笑顔で語る。「二人の関係は漫才コンビならボケとボケ。女性陣がツッコミを入れている。ただ、どちらも真面目で仕事は一生懸命。家族や同僚など周囲にも優しいし、つらい時には好きなことに打ち込んで前に進むしなやかさもある。監督は『そういう芯があれば表面的な男らしさは追わなくてもいい。今のままでも大丈夫だよ』と伝えたかったのでは…」。それは同時に、中高年に対し、「今こそ好きなことを」と呼び掛けるエールでもあるという。「監督も私も定年世代。まさに周りが定年退職のさなか。監督自身、彼らの期待も背負って『10年は頑張る』と意気込んでいただけに残念です。こんなに明るい作品が遺作になるとは思わないですよね」

 仕事は、昔から製作スケジュールを狂わせたことがなかったという“綿密派”の森田監督。一方、「デートの予定などは前もって決めると嫌がる人」と三沢さん。休日には電車に揺られ、OLや学生の会話にアンテナを張っていたという。「思い立ったら、『今から冷麺を食べに行くぞ』と一緒に新幹線に駆け込むこともありました」と懐かしそうにほほ笑む。

 「映画を見て、真面目な若者が大真面目に生きる姿を楽しんでもらえれば。温かい気持ちになって、鉄道の旅をしたくなる人がいれば世の中の活性化にもなりますしね。監督は、永六輔さんの『横町を曲がれば、それはもう旅の始まり』というフレーズが好きでした」

(C)2012『僕達急行』製作委員会
「僕達急行 A列車で行こう」  日本映画
 大企業に勤める小町圭と鉄工所の2代目・小玉健太は、「鉄道」という共通の趣味を持つ友人同士。九州支社に転勤になった小町は、くせ者の地元企業社長と鉄道をきっかけに意気投合し事態は好転。ところが、恋愛となると小町も小玉も順調とはいえず、悩みを抱えていた。

 監督・脚本:森田芳光、出演:松山ケンイチ、瑛太、貫地谷しほり、村川絵梨、ピエール瀧、笹野高史、松坂慶子ほか。117分。

 24日(土)から丸の内TOEI(TEL.03・3535・4741)ほかで上映。

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