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  東京版 平成24年11月上旬号  
“生の軌跡”が演技ににじむ  俳優の宝田明さん

「ファンタスティックス」の舞台構成は「棒と演台、紙、垂れ幕ぐらい」と宝田さん。
舞台と同様の空間を調えた稽古場に立ち、「この作品は見る人の想像力をかき立てる」と話す
ミュージカル製作・演出・出演の3役に挑戦
 普遍的な愛の寓話(ぐうわ)—。俳優の宝田明さん(78)は6日(火)から上演されるミュージカル「ファンタスティックス」で、製作・演出・出演の“3役”を務める。「分かりやすくて笑いも適度にある中、親子の愛が輝いている」。これまで同作の舞台に300回以上立ったが、今回は26年ぶりの出演だ。終戦後、旧満州から引き揚げ「筆舌に尽くし難い苦労をした」と言う宝田さんは言葉を継ぐ。「演技には生きてきた軌跡がにじみ出る。役者人生の集大成ぐらいの気持ちで臨みたい」

 映画「ゴジラ」(1954年)出演などでデビュー直後から、「長身の二枚目スター」として脚光を浴びた宝田さん。今もスーツを着て稽古場に姿を現すなど、ダンディーな印象を持たれるが、「僕は命懸けではい上がってきた人間」と断言する。

 小学5年生の時、旧満州で終戦を迎えた後、ほぼ2年間、日本への引き揚げがかなわなかった。“無政府状態”の中、たばこ売りや靴磨き…。旧ソ連兵に腹部を撃たれ、麻酔なしで鉛の弾を摘出された。慕っていた兄、姉とは生き別れに。両親や弟と共に引き揚げてからもアルバイトで学費を稼いだ。そんな中、心を躍らせてくれたのがアメリカ映画。旧満州で見た国策映画とは違う西部劇やラブストーリーに引き付けられ、小銭を握り締め映画館に通った。

 都内の高校を卒業後、東宝のオーディションに合格し54年、「かくて自由の鐘は鳴る」で映画デビュー。3作目の「ゴジラ」を皮切りに数多くの映画に主演した。

「演じ続ける誇り」胸に
 当時、自己主張が苦手だった半面、「役には自分の体験、思いを込められた」。64年には「アニーよ銃をとれ」でミュージカルに初挑戦。美声を大劇場に響かせ、その後も大作の主要な役を任された。

 だが、30代の宝田さんはニューヨークの小劇場で見た「ファンタスティックス」に衝撃を受ける。楽器はピアノとハープのみで、出演者も8人だけ。60年初上演の“大人向けの愛の寓話”に「小さな空間から生まれる表現の広がりを感じた」と回想する。日本での公演と出演を熱望したが、大勢の観客動員を望まれていたため、「かなり反対され、日本初演(67年)での出演を逃した」。しかし、71年から“語り部”として主役級の存在感を示す「エル・ガヨ」役を小劇場「渋谷ジァン・ジァン」などで演じ、第10回ゴールデン・アロー賞演劇賞を受賞した。エル・ガヨの役柄を「舞台全体を包む大きさと細やかな配慮を併せ持つ。実に複雑で魅力的な人間像」と言い表す。経験を積み重ねた70代後半の今、「前回までとは一味違うエル・ガヨをお見せできるのでは…」。

「全員が主役」
 “宝田のエル・ガヨ復活”を望む声を受けた今回は、著作権交渉や資金、配役に責任を持つ製作・演出も自ら手掛ける。ミュージカル「タイタニック」で共演した歌手・松岡充の実力に目を付け「6年近く前から(出演の)声を掛けていた」。二つの家族とエル・ガヨを中心に物語は展開するが、「8人が織り成すアンサンブルのような作品。全員主役と考えている」と歯切れ良い。「親子の情愛には国境や世代を超えた普遍性がある。1人でも多くの人に笑って泣いていただきたい」

 宝田さんは15年前、狭心症のため、11時間に及ぶ大手術を受けた。60年以上前に撃たれた腹部の傷痕は、「湿度の具合などで今も痛む時がある」と苦笑する。「今までよく生きてきたとさえ思う。悪運は強いのかな…」

 人間愛を歌う「ファンタスティックス」をライフワークに位置付けながらも、「近い将来、エル・ガヨ役を若い人に譲ってもいい」とほほ笑む。「でも今回は『日本で一番長くエル・ガヨをやっている人間』として誇りを持って演じ切る」

「ファンタスティックス」
 6日(火)〜12日(月)、銀座博品館劇場(JR新橋駅徒歩3分)で。全10回公演。

 青年マットは隣に住む少女ルイザと恋人同士。互いの父親は「親の反対が2人の絆を強める」という考えからあえて不仲を装っていた。さらに「2人に試練を与える手段」としてルイザの狂言誘拐を仕組み、流れ者の「エル・ガヨ」に相談を持ち掛けるが…。

 製作・演出:宝田明、脚本・詩:トム・ジョーンズ、音楽:ハーベイ・シュミット、出演:宝田明、松岡充、彩乃かなみほか。全席指定8000円。

 同作は12月6日(木)〜9日(日)、草月ホール(地下鉄青山一丁目駅徒歩5分)でも上演。全5回公演。

 全席指定S席8000円、A席6000円。  CATチケットBOX TEL.03・5485・5999

【読者割引】
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