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  東京版 平成25年2月上旬号  
「落語に恩返し」  落語家・三遊亭好楽さん

「伝統のバトンタッチはやらないと、必ず罰が当たります」と好楽さん。「やんちゃな私が落語と出合い、家族も弟子もできた。のほほんと暮らしていたら、先輩たちに申し訳ないじゃない(笑)」
自宅に寄席開設、初の著書も出版
 日本テレビ系の長寿番組「笑点」でおなじみの落語家・三遊亭好楽さん(本名:家入信夫=66)がこのほど、初の著書「好楽日和。」(晶文社)を出版した。所属団体や東京・上方落語の垣根を軽々と飛び越える落語界の“つなぎ役”。ことし正月には台東区池之端の自宅に寄席「池之端しのぶ亭」をオープンし、若手の実践修業の場を設けた。「師匠、先輩に育ててもらった。受け取ったバトンを弟子や後輩に渡すのが私の役目です」。笑顔で、落語への恩返しを誓う。

 「人に恵まれ、叱ってもらった」。「好楽日和。」は、好楽さんが落語への恩返しの気持ちを形にした一代記だ。

 前座時代の破門記録や二人の師匠、「笑点」共演者のエピソード…。自身の半生を振り返り、感謝の思いを込めた。本の帯には、親交の深い笑福亭鶴瓶の「昭和の名人たちにかわいがられ、平成の噺(はなし)家にその生きざまを伝えられる兄さん」という推薦文。「春風亭小朝は、『最近では珍しいほのぼのとしたいい本』と言って宣伝してくれます」と好楽さん。

母が笑った落語
 豊島区東池袋で、8人兄弟の6番目(四男)に生まれた。警察官の父が40代の若さで急死し、母が一家を支えた。好楽さんも新聞配達で家計を助ける傍ら、仲間内ではラジオ体操の企画や野球チームの総監督を務めるなど、いたずら好きの人気者。「みんなで楽しくがモットー。人を喜ばせるのが好きで、面倒見のいいガキ大将でした」

 真面目でおとなしい兄弟の中で唯一“わんぱく”だった好楽さんは毎日、母から叱られてばかり。そんな厳しい母が毎晩楽しみに聴いていたのがラジオの落語放送だった。母の笑顔が好楽さんの落語の原点だ。

 高校時代は小遣いや銭湯のビラ下券をかき集め、池袋演芸場に毎日通った。「映画、寄席は一人で行きたいタイプ」と、舞台最前列に張り付いて多くの落語家の噺に没頭。19歳の時、八代目林家正蔵(のちの彦六)の落語に心を奪われた。ラジオから流れた人情噺「鰍沢(かじかざわ)」。「こんな噺、語り口もあるのか。30分以上も演じ、泣かせる落語なんてすごい」と翌日には師匠の自宅へ。年齢差50の正蔵師匠に「もう弟子はとらない」と断られたものの、通い続けて3日目。「『ばあさん、また来たよ』と言った師匠のうれしそうな顔は一生忘れられません」

 こうして66年4月に「林家九蔵(くぞう)」の名で入門した好楽さん。前座時代の“しくじり”の数々は著書に詳しいが、大の酒好きらしく「全てお酒絡みです」と舌を出す。「江戸っ子で、堅物のかたまり」と評する正蔵師匠からは、通算23回の破門宣告を受けたほど。それでも、叱る時にはいつも間に人を立て、「この人に免じて」と許されたという。一方、所属する落語協会以外の若手とも交流を持ち、勉強会も。「(落語芸術協会の)桂米助や三遊亭小遊三たちは一緒にやってきた仲間です」

 その後、二つ目時代の79年に「笑点」レギュラーになり、81年に真打ち昇進。82年に正蔵師匠が亡くなった後は五代目三遊亭圓楽門下に移り、三遊亭好楽に改名。83年には心機一転、「笑点」を卒業し、独演会などで古典落語をみっちり修業した。  88年に「笑点」に復帰し、今ではピンクの着物と笑顔は好楽さんのトレードマークだ。「メンバー8人の家族劇」と表現する「笑点」の中で自らを三男と位置づけ、「前と後ろをつなぐ役目かな」。

長男は“兄弟弟子”
 「100回の稽古より、1人の客の前で演じる方が勉強になる」。好楽さんは10年前から後輩がしゃべる場所を作ろうと考えてきた。正月には念願の「池之端しのぶ亭」を新築の自宅1階にオープン。席数は35席ほどながらこけら落とし公演には多くの仲間が駆けつけ、盛り上げた。今後も平日の昼間は若手が高座へ上がり、好楽さんも「ゲストとの対談や大作披露など、企画ものに挑戦したい」と意欲的だ。

 09年には長男の三遊亭王楽(35)が真打ち昇進。大学卒業後、五代目圓楽に弟子入りしたため、「親子でありながら兄弟弟子」という異色の組み合わせだ。そんな若手へ好楽さんが望むのは、「一人のお客さまを大事にする」という心構えの徹底だ。そのためには、人を立てること、人にかわいがってもらうことを知る。そして、世間の人と同じ苦労を背負い込むことだという。

 好楽さん自身も「老骨にむち打ちながら」と、古典落語に力を注ぐ。その魅力は、「底辺ではいつくばってきた人たちの思いや暮らしが現代にも通じているから」。「子は鎹(かすがい)」「芝浜」など、親子や夫婦の情を描いた演目がお気に入りだ。

 震災後、宮城県女川町で開いた落語会では年配の女性が大笑いした後、どっと泣き出す姿を目の当たりにした。「感情のタガが外れたのか。喜怒哀楽とはああいうものなのだとつくづく思いました」

 「好きな言葉は『お互いさま』です」。悲しみや苦しみを分かち合い、喜びや楽しみをお裾分けする好楽さんの仕事はまだまだ続く。

「好楽日和。」三遊亭好楽著
 「笑点」メンバーで唯一著書を出していなかった著者の満を持しての一代記。親子にして兄弟弟子である三遊亭王楽との対談、親子リレー落語も収録。1785円。晶文社 TEL.03・3518・4940
【池之端しのぶ亭】
 台東区池之端2の5の47  連絡先 TEL.03・3828・6420

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