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  東京版 平成25年5月上旬号  
“すっぴん”で歌の世界を演じ切る  歌手で推理作家の戸川昌子さん

「世間で『定年』といわれる65歳は働き盛りじゃないの。私は80歳でも働いているのに」と戸川さん=「青い部屋 月曜シャンソンコンサート」の出番前(渋谷・文化村横のライブハウス「サラヴァ東京」の控室で)
 歌手で推理作家の戸川昌子さん(80)は、傘寿を迎えた今も精力的に活動する。「80年の人生は転機、紆余(うよ)曲折ばかり。精神的な飢餓状態が文化を生む」。今月25日に菅原洋一とのジョイントコンサートに出演する戸川さんは、これを記念して新アルバム「商売やめた」も発表した。「とり直し、編集なしの“すっぴん”CD。歌の世界を裸のまんまの自分で演じ切りたい」

「心の飢えが文化を生む」
 「夜中族」で深夜になると目がさえるという戸川さんは、3〜4年前から独自の手法で絵を描く。自身をモチーフにした「歌うケバネコ」。新アルバムの表紙も戸川さんの作品だ。

 画材に使うのは、化粧品など身の回りのアイテム。鉛筆とボールペンで下絵を決め、自分の指や綿棒を筆代わりに。口紅で赤色を塗り、ぼかしたい部分は水でなぞって溶かす。アイシャドーを使う時もあれば、衣装のドレスから抜け落ちたカラフルな毛糸を貼り付けることも。「油絵っぽさを出したい時は台所からごま油を持ってきて使うけど少し臭うわね(笑)。絵は恨みつらみではありません」

 東京育ちの戸川さん。読書家だった父の影響で、幼少から書斎に山積してあった推理小説を読みあさり、「(くみ取り式の)トイレで長時間読んでいたので、出てくると体が臭うほどでした」と振り返る。

 シャンソンとの出合いは1940年頃。絵描きで、音楽好きの兄が持っていたSPレコードがきっかけだ。ダミアが歌う「人の気も知らないで」「暗い日曜日」。擦り切れたレコードと針の音を聞いた時、「しわがれた歌声と陰陰滅滅の曲想が衝撃的。これが私の血肉になった」と戸川さん。

 当時は戦争のさなか。学校にも通えず、疎開できなかった戸川さんは大空襲で父と兄を亡くし、戦後は母と2人きりの生活に。「経済的にどん底の時代でも金持ちがいたからお手伝いの仕事があった。母は“こぶつき”の女中として苦労しながら私を育ててくれた」

小説では乱歩賞
 その後、伊藤忠商事の英文タイピストの仕事をしながら、夜はアルバイトという生活を10年送った戸川さん。いつしか表現したいという思いが募り、仕事の合間に歌う場所を探し、57年頃からシャンソン喫茶店「銀巴里」に出演するように。

 とはいえ、歌で生計を立てるのは難しかったという。「売れない歌手の恨みつらみ…。精神的な飢餓状態が創作の原動力になった」と出演の合間に楽屋で長編小説を執筆。62年、自身が住んでいた独身女性専用の同潤会アパートを舞台にしたミステリー小説「大いなる幻影」で江戸川乱歩賞を受賞。その後は流行作家として100タイトル近くの作品を発表してきた。

 67年にはシャンソン・ライブハウス「青い部屋」(2010年閉店)をオープンし、三島由紀夫や美輪明宏、川端康成ら文化人をはじめ政界・財界の名士たちと交流を重ねた戸川さん。「先日、篠山紀信さんが当時の従業員を撮ったヌード写真が出てきた。篠山さんも不遇の時代の思いを爆発させ、作品にぶつけた人。いじめられ、空腹から文化が育つ。人間はぬくぬくした環境にいたら何も生み出さない。今はしゃべる人がいなくなっちゃって寂しいですね」

月曜にコンサート
 「シャンソンに限らず、いい歌は何でも歌った方がいい」と考える戸川さん。一方で、人間の喜怒哀楽や生きざまを表現したシャンソンは自身の紆余曲折の人生に重なったという。現在は毎週月曜の夜に渋谷のライブハウス「サラヴァ東京」で「青い部屋 月曜シャンソンコンサート」を開催している。

 私生活では46歳で高齢出産を経験し、頭をよぎるのは次世代へのエールだ。往時の名曲や歴史背景などを語り継ぐ役目を自負するだけに、新アルバム「商売やめた」にも遺言ならぬ“遺歌”の念を託した。「何十年ぶりの発表かしら」と苦笑するものの、独自の世界観を作り上げるのはお手の物。戸川さんの原点の曲も収録した同作はとり直し、編集なしの一発勝負で完成した。

 25日には「パリ祭」などでおなじみの菅原洋一と、初のジョイントコンサート。エンターテイナーのROLLY(ローリー)や戸川さんの息子NERO(ネロ)らも加わり、ステージを盛り上げる。

 「昔は透明度のあるきれいな声、技巧に憧れた。歌のメロディーに寄りかかり上手な歌い手にみせたいという下心があった」と戸川さん。80歳を迎えた今、歌の世界を演じ切ることが大切だという。「役者にはセリフがあるけれど、私はセリフがない役者が好き。その時の空気感を読んで作っていく。今は裸のままで演じ切ること。年輪でもって、どう伝わるかが楽しみです」

♪戸川昌子・菅原洋一 ジョイントコンサート 〜そしてなぜか! お客様にROLLY
 25日(土)午後2時開演、大手町日経ホール(地下鉄大手町駅C2b出口直結)で。
 予定曲目:「商売やめた」「リリー・マルレーン」「恋心」「知りたくないの」ほか。全席指定5800円。

● CD「商売やめた」 戸川昌子×NERO ●
 「枯葉」「不倫」「人の気も知らないで」など全10曲。2000円。
 インターナショナルカルチャー TEL.03・3402・2171

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