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  東京版 平成25年7月下旬号  
平和の恩恵を再認識  俳優・伊武雅刀さん

今回、ハリウッド映画に出演して、伊武さんがあらためて感じたのは日本の魅力。「日本の素晴らしい景色や文化を後の世代にしっかりつなげていきたい」
米映画「終戦のエンペラー」に出演
 終戦直後の日本再建においてGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)最大の問題となった「天皇の戦争責任」。昭和天皇は戦争を遂行するのにどこまで関与していたのか—をめぐってGHQの極秘調査を描いたアメリカ映画「終戦のエンペラー」が27日(土)から全国公開される。トミー・リー・ジョーンズや西田敏行ら日米の多彩な俳優が出演する中で、カギを握る天皇の側近、木戸幸一を演じたのが伊武雅刀(いぶ・まさとう)さん(64)だ。「かつて戦った国同士が一緒に映画を作るのは素晴らしい試み。それができる時代なんだとあらためて思いました」と話す。

 GHQ最高司令官マッカーサー元帥の命を受けて極秘調査を行うフェラーズ准将。戦争前に恋人だったアヤの消息が気になりながらも、東條英機らの重臣たちから天皇の戦争責任について聞き出そうとする。そして、ついに内大臣だった木戸と会うことに—。

 同映画には、アメリカによる原爆投下や天皇とマッカーサーが並んで写真に納まるシーンなど扱い方の難しい場面が登場するが、バランスの取れた視点で描かれているためか、見ていて違和感を覚えない。それは、「奈良橋陽子さんと(息子の)野村祐人君がプロデューサーだったから」と伊武さん。劇中に登場する関屋宮内次官は奈良橋さんの祖父、野村さんの曽祖父にあたる。2人の存在が作品全体の作り方に大きく影響しているという。

 かつてスティーブン・スピルバーグ監督の「太陽の帝国」(1988年公開)に出演したこともある伊武さん。さぞ、英語が堪能かと思いきや、「いや、出演した日本人俳優の中で僕が一番英語を話せないんです」と頭をかく。「ただ、木戸幸一のせりふだけがすべて日本語という設定でした。みんなが慣れない英語のせりふに苦労しているのを見て、『役得だな』と思っていました」とにんまり。感情を表現する時などは、やはり日本語の方が演じやすいという。

 それだけ重要な役を演じている伊武さんだが、ニュージーランドのロケ地に到着早々、あわや帰国させられそうになったと明かす。「日本から飛行機に11時間乗ってようやく着いたらすぐに衣装合わせの仮縫い、それが終わって健康診断に行きました。すると血圧が高いからすぐ日本に帰れ、と言うのです」

 「自分はまったくの健康」と自信を持っていただけに、そんな事態になろうとは想像もしていなかった伊武さん。言われるまま帰国するわけにもいかず4日間の猶予をもらい、降圧剤を飲む一方、日本食を食べて静養することに。「ホテルの部屋にはキッチンがあったので、近くの日本食材店で買って料理し、ご飯も鍋で炊きました。日ごろから料理していたのが役に立った」と笑う。

 ようやく現場に入ると、すぐに撮影が始まった。「まったく知らない相手(フェラーズ准将役のマシュー・フォックス)といきなり長いシーンのやりとりをさせられました」と伊武さん。天皇の戦争責任について木戸が重要な証言をする、という場面だけに「撮影現場には緊張感があった」と言う。

 「ただ、ハリウッドはいろんな角度から撮って、後でベストテークを編集するという方式。だから(現場の緊張感にもかかわらず)リラックスして演じられました」と話す。

最初は「声」で
 新劇を出発点に10代のころから俳優を目指していた伊武さん。だが若いころは生活苦に追われるだけで、なかなか芽が出なかった。最初に注目されたのは「声」の出演だった。アニメ「宇宙戦艦ヤマト」のデスラー総統やラジオの「スネークマンショー」でのきわどいコントが評判となって、次第にスクリーンやテレビに登場するようになる。

 以来、刑事ものなどでの重厚な役やコミカルな上司役、あるいは悪役まで幅広い役を演じてきた伊武さん。ただ、理想として思い描いているのは、「居るだけで味があるような役者、たとえば笠智衆さんのような役者になること」だと言う。「なかなかその理想にはたどりつけないですね。これまでいろんな役をやってきたことが墓穴を掘ることになったかな」と苦笑する。

 しかし、伊武さんはすでに自らの個性を十分に発揮しているようだ。「終戦のエンペラー」でも日本における天皇という存在をGHQに理解してもらおうという必死の演技が、見ている者の心を打つ。

書き換えを提案
 「最初、台本を読んだ時に木戸のせりふが翻訳調だったんです。そこで了解を得て、自然な感じが出るよう何カ所か書き換えました」と伊武さん。豪快に見える半面、役づくりの細かなところにも気を配る。

 そんな伊武さんの気分転換は神社めぐり。「一番パワーを感じるのは和歌山。熊野に玉置神社というしぶい神社があります。出雲では神魂(かもす)神社、伊勢神宮では別宮の瀧原宮。森の中に存在しているという平穏さが気持ちいい。1年に1回は行きたいですね」と声が弾む。

 役者には定年がないが、今後どれだけ長く俳優を務めることができるかは健康次第と最近、伊武さんは真剣に考えるようになった。「今までイタリアンだ、フレンチだ、中華だと好きなものを好きなだけ食べてきましたが、今は主に穀物と野菜、海藻を採るようにしています。そのせいか、深夜までドラマの撮影をしていても、疲れ方が以前と違ってきたようです」と喜ぶ。

 「終戦のエンペラー」でロケ地から帰国させられそうになった苦い経験が、健康を考える良いきっかけになったようだ。


© Fellers Film LLC 2012
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「終戦のエンペラー」  アメリカ映画
 監督:ピーター・ウェーバー、出演:マシュー・フォックス、トミー・リー・ジョーンズ、初音映莉子、西田敏行、羽田昌義、火野正平、中村雅俊、夏八木勲、桃井かおり、伊武雅刀、片岡孝太郎ほか。原作:岡本嗣郎「陛下をお救いなさいまし」(集英社)。107分。
 27日(土)から丸の内ピカデリー(TEL.03・3201・2881)ほかで全国上映。

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