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  東京版 平成25年10月下旬号  
「時代劇に飢えていた」  俳優・若林豪さん

「「武士道とは美しきもの。人、年長者を敬い、家族を守る。弱気を助け、強きをくじく。その精神を持つと、自分が豊かになれる」と若林さん。「『蠢動―しゅんどう―』は真正面から作った時代劇映画。『良し』と言える作品になりました」
映画「蠢動―しゅんどう―」に城代家老役で出演
 橋本忍脚本の映画「切腹」「上意討ち」「仇討」から50年。武士道の義をテーマに、男たちの緊迫した駆け引きと「走る」「斬る」を描いた時代劇映画「蠢動—しゅんどう—」が公開中だ。同作で、藩の行く末を担い決断する城代家老を演じた若林豪さん(74)は、「時代劇に飢えていた。それぞれが信じる正義を貫き、ぶつかり合う」。ダンディーな印象と貫禄を支えるのは豊富な演技経験だ。「僕の人生も決断の連続。役者は1段1段うまくなるものじゃないんですよ」

 2時間ドラマから舞台、時代劇まで息の長い活動を続ける若林さん。67歳で東宝芸能へ移籍するまで30年以上、自ら事務所を切り盛りしてきた。「出演作品や出演料など決断の連続。妻や番組プロデューサーに相談したけれど最終的には自分。どうしても損得になってくるので、すごろく的な決断に頼ってきた」

 劇団新国劇出身。島田正吾の直弟子からスタートし舞台「同期の桜」(1966年)でデビューした若林さんは、ドラマ「顎十郎捕物帳」(68年)の主役に抜てきされテレビの世界へ。「Gメン」シリーズの立花警部は当たり役。ミュージカルにも活動の幅を広げ、「シカゴ」(85、86年)では鳳蘭、「サウンド・オブ・ミュージック」(95、00年)では大地真央の相手役として再演を重ねた。

名優の教え、身に染みる
 「演じる面白さは、全く無関係の人間になれること。初めは台本通りでこじんまりしていた役に、どれだけ役の血が流れ出し、イメージが膨らんでいくか。イメージがつかめず奈落の底にいる体験を何度もした。だからあがく。僕は今でも一人前になれていない」。そう話す若林さんの転機は、師の島田正吾と共演した「人生劇場」(70年)だ。作家・尾崎士郎の自伝的小説で何度も映画化、舞台化された同作。新国劇公演でも辰巳柳太郎(飛車角役)、島田(吉良常役)の組み合わせで演じられてきた作品で、若林さんは飛車角を務めることに。

 「男ってのは、顔で笑って腹で泣くんだ」—。男の悲哀を込めた飛車角のせりふに、島田からは「これがこの芝居の肝だな。辰巳柳太郎はうまかったな」と喝を入れられた若林さん。公演期間中にその場面の真意はつかめなかったが、別の芝居の最中にすっと理解できた。「顎十郎〜」で共演した志村喬の教えが身に染みたという。「役者の成長は1段1段じゃない。10年、20年上がれずに、ある時10段、20段と上がるもんだ。それから30年、40年上がれずに終わるかもしれない。僕なんか今、重いまきを背負っていて10áaの階段1つ上がれない。君は上がれる時には1段でも上に行くんだよ」と。

「家老の義貫く」
 人、武士、公として—。映画「蠢動—しゅんどう—」では、それぞれの立場で貫く正義、意志がぶつかり合い、武士道と人間道を揺れ動く群像劇が描かれる。そして雪中での殺陣の長回し。全編オールロケで三重・伊賀の重要文化財や京都・美山などでの撮影のほか、音楽は和太鼓のみ。82年に16ミリ時代劇「蠢動」を監督した三上康雄が、「自分が見たい時代劇を作る」という信念の下、自ら脚本・監督を担当。私財を投じ、豪華キャストと時代劇映画最高峰のスタッフの力を結集し、緊迫感と殺陣が連続する“激動”の時代劇が完成した。

 「こういう時代劇に飢えていた。特に映画となると血が騒ぎ、逆流するような思いだった」。同作で城代家老を演じた若林さんは振り返る。藩主に代わり全てを担う重責…。藩の存続を貫く決断こそが、藩のリーダーにとっての義だ。「全ては藩を残すため。誰かが犠牲になるとしてもそれは家老にとっての正義の選択。決断の先に、『なぜこんな理不尽なことがあるのか』という部分も見てほしい」

原点は被爆体験
 長崎市出身の若林さんは6歳の時、原爆に遭った。爆心地の裏手にいたため直撃は免れたが、理不尽な死が脳裏に焼き付いている。「父親とリヤカーを引き、浦上地区の親戚2人を連れて帰ってきた。まるで黒い丸太ん棒のよう。服が溶け、紙が体に張り付いていたので綿に水を付け、剥がしてあげたけれど1週間後に亡くなりました。現地で被爆した人が長く生きたり、関係ないような場所にいた人が早く亡くなったり…。人の死、原爆体験が、僕が生きることの根底にあります」

 趣味は植木観賞と読書。最近は藤沢周平著「三屋清左衛門残日録」が若林さんのお気に入りだ。74歳になった今、清左衛門と同じ“隠居の身”を実感しながらも、役者として他の役の人生を生きる喜びをかみしめている。


© 2013 株式会社 三上康雄事務所
「蠢動―しゅんどう―」  日本映画
 享保20年、山陰の因幡藩。享保の大飢饉(ききん)から3年が過ぎ平穏な日々を取り戻したかに見えたが、ある出来事をきっかけに藩を揺るがす事態へ。藩の命令を貫く剣術師範、公儀への忠誠を貫く剣術指南、己の意志を貫く若き藩士…。それぞれが己の立場で正義を主張し闘う。

 監督・脚本:三上康雄、出演:平岳大、若林豪、目黒祐樹、中原丈雄、さとう珠緒、栗塚旭、脇崎智史ほか。102分。

 有楽町スバル座(Tel.03・3212・2826)ほかで上映中。

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