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定年時代
 
  東京版 平成26年7月上旬号  
“蝦夷の気高さ”伝える  作家・高橋克彦さん

高橋さんは自身の歴史小説の特徴を「ライブ感」と言い表す。「読者に(登場人物と)同じ時代を一緒に生きているような臨場感を持ってもらえれば…。文中に史料を引用すれば楽だけど、あえてそれをしないで物語に深みを持たせるのは本当に大変」
歴史小説「炎立つ」、今夏舞台化
 NHK大河ドラマ「炎(ほむら)立つ」(1993〜94年放映)と「北条時宗」(01年放映)の原作を手掛けた作家・高橋克彦さん(66)は、故郷の岩手県盛岡市で創作を続ける。東京での学生時代、“田舎者”のコンプレックスに悩まされたが、東北の歴史を深く知る今は、「自分が住む土地に誇りがある」と話す。今夏、舞台化される「炎立つ」は、「蝦夷「(えみし)」とさげすまれた平安後期の東北人が中央権力と相対する歴史小説。「理不尽なものに対して命懸けで『ノー』と言った彼らの気高さを伝えたい」

 ミステリー、SF、ホラー、歴史・時代…。83年、歴史ミステリー小説「写楽殺人事件」でデビューした高橋さんは、分野の枠を幾つも超える。その評価はいずれも高い。「写楽殺人事件」で江戸川乱歩賞を受賞したのを皮切りに、伝奇SF小説「総門谷」(85年)で吉川英治文学新人賞、ホラー小説「緋(あか)い記憶」(91年)で直木賞、歴史小説「火怨(かえん)」(99年)で吉川英治文学賞などに輝いている。「器用」と思われがちだが、新しい分野に挑む前は、各分野の先達の作品を徹底的に読み込んできた。伝奇SFなら半村良、歴史小説は司馬 遼太郎…。その上で「独自の書き方を追求してきた」。

 高橋さんは盛岡市の中学・高校在学中、演劇部に所属し、自ら脚本を書いた。高校を1年休学しヨーロッパ長期旅行をするなど、もともとは活動的な性格。「父親と同じ医者になると思い込んでいた」と言うが、小説執筆にのめり込み、「3浪」の後、早稲田大商学部に進学した。入学後は“あか抜けない自分”への気後れもあり、「だんだん内向的になった」。在学中、「小説現代新人賞」の三次選考に残ったものの、当時の「小説現代」編集長から「10年は(小説を)書かず人生経験を積め」と言われたことを真に受け、卒業後は浮世絵の研究に軸足を移した。乱歩賞受賞時、12年ぶりに再会したその編集者から「実は当時、若い書き手の皆にそう言っていたんだよ」と謝られた。高橋さんは苦笑する。「それを聞いて拍子抜けしてしまった」

短大講師から転身
 30歳過ぎに盛岡に帰り、短期大学の講師になった頃は、「東京を離れたことで(作家の)夢はついえたように感じていた」。だが82年、同じ盛岡市に住んでいた中津文彦が歴史ミステリー小説「黄金流砂」で乱歩賞を受賞したことに触発され、2カ月ほどで「写楽殺人事件」を書き上げた。36歳でのデビュー作は、浮世絵師・東洲斎写楽の謎に迫る主人公の周囲で現実の事件が立て続けに起こる歴史ミステリー。浮世絵研究の著書もある高橋さんは「歴史や美術の論文と小説の差は大きくない」とよどみない。「(論文の)仮説を導く想像力、ストーリーの想像力、この二つはかなり近い」  乱歩賞受賞により、期待のミステリー作家として一躍脚光を浴びながらも、すぐに他分野の小説も書き始めた。「読む側だった時は、あらゆる分野を読んだ。書く側に回った途端、ジャンルを限られる風潮にあらがう気持ちはあった」

伝承に残る「真実」
 92年から手掛ける歴史小説の舞台は、多くが東北だ。「住む土地や古里に誇りを持てないのは、土地の歴史を知らないからでは…。盛岡に戻ってから、ようやくそれに気付いた」。前九年の役から後三年の役を経て奥州藤原氏滅亡までをつづった「炎立つ」(92〜94年)は、大河ドラマの原作・原案として書き下ろした3部(全5巻・講談社文庫)から成る大作だ。執筆前に目を通した史料は、段ボール6箱分以上。前九年の役で敗れた安倍貞任の“貞任伝説”など、各地に残る民間伝承の共通項に目を見張った。「中央権力の正史から消された“歴史の真実”がそこにある」

 後三年の役の第2部(第4巻)を基にした「舞台版」は奥州藤原氏初代・清衡が主人公だ。第1部の貞任や藤原経清のように「蝦夷の大義」に殉じたわけではない。第3部の藤原泰衡や源義経のように「滅びの美学」を持つ人間としても描いていない。捕虜同然の身から、戦乱を生き抜き“黄金の楽土・平泉”をいた清衡を、高橋さんは「耐えに耐えたすさまじいまでの意志を持った人物」と言い表す。兄弟間の対立、敵味方の立場を超えた源義家との絆…。舞台版では小説以上に、清衡の人間的な大きさ、葛藤を際立たせる。8月からの全国公演を控え、「命のやり取りという極限の状況が生んだ清衡のオーラを感じていただければ…」。

「3・11」後の思い
 高橋さんは150作以上に上る著書の中から「炎立つ」の舞台化を望んだ。「大震災の後、再びこの作品に目を向けてほしいと考えた」。「3・11」直後の混乱のさなか、「文学は無力とさえ感じた。なかなか立ち直れず、2年間は文章を書けなかった」と唇をかむ。だが、東北人の誇りを持つ“蝦夷”を自任するだけに、自らを鼓舞するように語気を強めた。「かつての蝦夷は、自然災害を含め、理不尽なものを『仕方ない』ではすませずに立ち向かった。そんな彼らの生きざまを今、俺もあらためて見つめたい」

ほむら立つ」(東京公演)
 8月9日(土)〜31日(日)、Bunkamuraシアターコクーン(JR渋谷駅徒歩7分)で。全26回公演。

 原作・原案:高橋克彦、演出:栗山民也、脚本:木内宏昌、出演:片岡愛之助、三宅健、益岡徹、新妻聖子、花王おさむ、三田和代、平幹二朗ほか。

 全席指定S席1万円、コクーンシート5000円。上演時間は問い合わせを。サンライズプロモーション東京 Tel.0570・00・3337

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