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定年時代
 
  東京版 平成27年9月下旬号  
「映画は時代を映す鏡」  映画評論家・松本侑壬子さん

松本さんの新著「銀幕のハーストリー 映画に生きた女たち」の「ハーストリー」は、「女性の視点から見た歴史」を意味する英語の造語「her story」だ。「1970〜80年代は、よく目にしたのに、今はほとんど消えてしまったようで残念」と話す。「それでも『女性の視点で語る映画の話』の本には、ぴったりの題名と思いました」
 “女性映画史”の本執筆
 映画は時代を映す鏡—。女性の視点を重視する映画評論家・松本侑壬子(ゆみこ)さん(75)は確信を抱く。通信社記者時代、取材を通し、「映画と女性問題の密接なつながりに気が付いた」。今夏発行の著書「銀幕のハーストリー 映画に生きた女たち」は、映画に描かれた女性像の変化などをつづった“女性映画史”の読み物だ。「人間の多様な生き方を示す映画は人生の学校」とほほ笑み、言葉を継ぐ。「映画の世界をさらに豊かにするのは、今を生きる女性の力です」

 ヒロイン3条件—。松本さんは多くの映画に共通していた原則を挙げる。(1)若い(2)美しい(3)性格が良い。「性格が良いは、従順・けなげと言い換えてもいいですね」。一例は「ローマの休日」(1953年)でオードリー・ヘプバーンが演じた王女役だ。「男性の目線で理想の女性像を粗っぽく言い表したのが3条件。でも、女性が思い描く理想の女性像は違います」。60年代、アメリカを起点に広がった女性解放運動の波が、映画には10年ほど遅れて現れたと指摘する。「若くなく、美人を売り物にせず、自己主張できる。そんな女性がスクリーンでも躍動するようになりました」

女性描写に違和感
 鳥取県に生まれた松本さんは、米子東高校から津田塾大に進学。卒業後、英文事務の仕事や秘書、英語塾講師を経て、28歳で各地の新聞社などに記事を配信する共同通信社に入社した。75〜80年は文化部の映画担当。“映画少女”だっただけに、「幸福の黄色いハンカチ」(77年)のロケ取材では、「高倉健さんにうっとりしていた(笑)」。ただ、他の評価の高い作品では、女性の描写に首をかしげる場面もあった。「でも、高名な評論家たちは大絶賛。『私の見方は間違っているの?』と不安になりました」

 40代に入って映画担当を離れ、女性や家族問題の取材を重ねた。国際女性会議や男女雇用機会均等法の法制化を報じる傍ら、映画を見続けるうち、「映画に単なる娯楽を超えた意味を見いだした」と話す。「映画は社会の変化と共に変わる。『その時その時の女性の生き方を映す鏡』ともいえる」。元岩波ホール総支配人の高野悦子らが企画した東京国際女性映画祭(85〜12年)などにも、「学ぶところが多かった」と振り返る。

 60歳で共同通信社を定年退職した後は、評論の軸足を「女性映画」に置く。(1)女性が主要な役(2)製作でも女性が中心(3)鑑賞の主体が女性。「これが劇映画とドキュメンタリー双方に共通する、女性映画の3条件かな」

 評論やエッセー執筆に加え、2000年発行の研究書・資料集「女性監督映画の全貌」作成でも主要な役割を果たした。21世紀に入って女性映画は多様性を増し、女性監督の活躍も目立つとはいえ、「映画の現場では、女性の力はまだまだ弱い」。「映画誕生120年」の今年、新著「銀幕のハーストリー 映画に生きた女たち」に込めた思いを語る。「男女両性の視点が偏りなく入るようになれば、映画の世界は一層豊かになります」

恋愛だけでない
 新著では、懐かしい名画や最近の話題作、女優、女性監督などを幅広く取り上げた。「『女性映画=恋愛物』のイメージは誤りです」。恋愛のほか、友情や仕事、自立、教育、性…。紹介した映画の内容はバリエーションに富む。「古今東西の映画をたくさん見ていけば、女性をめぐる問題の本質も見えてきます」

 シニア層を描いた作品の増加も、国内外を問わない近年の傾向だ。老いや介護に向き合う家族の絆、世代を超えた男女の愛…。「それらの大切さを感動とともに教えてくれる映画は、やはり最高の『人生の学校』です」

 母校の津田塾大などで次世代に映画の魅力を説く一方、「人間の成長・成熟に定年はない」と明言する。90歳過ぎで「八月の鯨」(87年)に主演したリリアン・ギッシュ、「ナチスに加担した監督」と長く批判を浴びながらも02年、100歳で新作を公開したレニ・リーフェンシュタール…。“年齢神話”を打ち破った女性の実例も新著に記し、「見る側の理解力・鑑賞眼も、人生の経験を重ねる中で鍛えられる」と歯切れ良い。「私自身、若いころはピンとこなかった作品に、新鮮な驚きを感じることがある」。穏やかな笑みを見せ、こう続けた。「私の本が多くの人にとって、映画と良い出合いをするきっかけになればうれしいです」

「銀幕のハーストリー 映画に生きた女たち」
 巻末に著者・松本侑壬子さんおすすめの女性映画307本のリスト付き。
 パド・ウィメンズ・オフィスから発行。2700円。Tel.03・5292・8200

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