定年時代
定年時代はアクティブなシニア世代の情報紙
ASA(朝日新聞販売所)からお届けしています
会社概要 媒体資料 送稿マニュアル
広告のお申し込み イベント お問い合わせ
個人情報保護方針 サイトマップ  
HP更新日 → 新聞発行日の翌々日(水曜日)
新聞発行日 → 第1月曜日:東京/埼玉/千葉/横浜・川崎/茨城
  第3月曜日:東京
トップ 東京版 埼玉版 千葉版 横浜・川崎版 茨城 高齢者施設 プレゼント
旅行 | おすすめ特選ツアー | 趣味 | 相談 |  | 仕事 | 学ぶ | これは便利これは楽々 | リンク | インフォメーション | 出版
定年時代
 
  東京版 平成29年6月上旬号  
平和願い、自作小説を映画化  作家・演出家のロジャー・パルバースさん

パルバースさんは著作も豊富。今回の映画原作のような小説のほか、自伝、日本や日本文化を内外に発信したものなど、英語、または日本語で執筆した著書は合わせて約50冊にも上る。俳優経験もあり、今回の映画にも出演。「大河ドラマ『山河燃ゆ』(1984年)、映画『スパイ・ゾルゲ』(03年)などに出演したことがあります。日本には『性格俳優』という言葉がありますが、私は自称『人格俳優』です(笑)」
70代で念願の初監督作
 太平洋戦争末期の沖縄。戦争を拒否した日米双方の脱走兵による平和な共存を描いた映画「STAR SAND—星砂物語—」が8月に封切られる。監督はオーストラリア国籍のロジャー・パルバースさん(73)。米国出身で、現在は日豪を股に掛け作家、劇作家、演出家として活躍するコスモポリタン(世界市民)だ。同作は自身が日本語で書き上げた小説を原作に、72歳で挑んだ初監督作品。ベトナム戦争に反発し、母国アメリカを“捨てた”経験を持つパルバースさんは、平和への強い思いを込めメガホンを取ったという。「戦時に“戦わない”という裏切りは、私の生涯のテーマ。臆病で卑怯(ひきょう)とされる脱走兵をヒーロー(主人公)とする物語を作りたかったのです」

 1945年、沖縄。日系アメリカ人を母に持つ16歳の少女・洋海(ひろみ)は、戦火から遠く離れた小さな島で自給自足の生活を送りながら、何のためか自分でも分からないまま浜辺にある美しい星形の砂「星砂」を集める毎日。ある日、洞窟に隠れている、脱走兵とおぼしき日本人・隆康とアメリカ人・ボブという2人の青年と出会う。3人はまるで戦争などないような不思議なコミュニティーを洞窟内に築くが、戦争で心身を病んだ隆康の兄を受け入れたことにより、戦争の狂気の影が3人に徐々に忍び寄る…。

 2012年に文芸誌に発表した原作小説についてパルバースさんは、「書く端緒となったのは03年のイラク戦争への怒りです。ベトナム戦争を思い出し、反戦の思いを表現したくなったのです」と語る。

「日本は自分の国」
 パルバースさんは1944年、米国生まれ。幼少時は自国のありように何の疑問も持たなかったが、成長するに従い、徐々に違和感を覚えていったという。「アメリカ人の大半は、自国を歴史上唯一の偉大なる国だと思っています。戦前のファシズムに酔いしれた、日本人と変わらないですね。私はいつしかここは“自分の国”ではないと感じるようになりました」と嘆く。

 青春時代になると、自分の居場所を求めるように母国を離れ、ポーランドやフランスに遊学。23歳のとき一時帰国したものの、ベトナム戦争にのめり込んでいく母国に失望し、国籍離脱を決心した。「自分も徴兵され、人を殺すことになるのかと考えると、反戦運動に参加することもなく“逃げ”ました。映画の隆康と同じく『人を殺すなら、自分が死んだ方がまし』と思ったからです。自分の行いが正しかったのか卑怯なのか、誰が判断するというのでしょうか ! 」

 そして同年の67年、日本に渡る。言葉も、何もかも分からなかったが羽田空港から乗ったタクシーで、「ここは“自分の国”だ」とつぶやき、新生活をスタート。日本では語学教師のほか執筆活動や舞台演劇の演出・脚本家として活躍し、多くの文化人とも交流した。今年は日本の地を踏んでからちょうど50年。「京都には15年間滞在しましたし、浪曲師として修業したこともあります。肌の色や国籍は違いますが、自分のアイデンティティーは日本人だと思っています」

“戦メリの姉妹編
 映画監督としてのスタートラインは、大島渚監督の知遇を得、「戦場のメリークリスマス」(83年)の助監督を務めたことだという。「とても大変でしたが、大島監督の下、映画製作のノウハウを吸収することができました。そして、いつしか自分がメガホンを取ることを夢見るようになりました」と振り返る。また、同映画に出演、音楽も担当した坂本龍一とは今も交流が続いており、今回の映画でも主題曲を依頼している。

 パルバースさんは映画で、国家の洗脳により殺し合いを続ける人たちの悲しさ、そして逃げることで平和を実践する勇気を描く。「この映画は『戦メリ』の小さな姉妹編だと思っています。舞台は沖縄ですが、シリアやドイツの人が見たら、自分の国も同じ(だった)と思ってくれると思います。普遍性のあるテーマとして世界中の人に見てもらいたい」と目を輝かす。

 気になる物語の結末については、わざと百人百様の解釈ができるようにしたという。「明確なメッセージよりも、映画を見た人それぞれに判断を委ね、戦争や暴力について考えてほしいですね」


©2017 The STAR SAND Team
「STAR SAND—星砂物語—」 日本・オーストラリア映画
 原作:ロジャー・パルバース「星砂物語」(講談社)、監督・脚本:ロジャー・パルバース、主題曲:坂本龍一、出演:織田梨沙、満島真之介、ブランドン・マクレランド、寺島しのぶ、石橋蓮司、三浦貴大ほか。110分。

 8月4日(金)から、ユーロライブほかで順次公開。問い合わせはThe STAR SAND Team Tel.050・3695・8074

ポイントページの先頭へ
東京版
最新号
→ 平成31年過去の記事一覧
→ 平成30年過去の記事一覧
→ 平成29年過去の記事一覧
→ 平成28年過去の記事一覧
→ 平成27年過去の記事一覧
→ 平成26年過去の記事一覧
→ 平成25年過去の記事一覧
→ 平成24年過去の記事一覧
→ 平成23年過去の記事一覧
平成22年過去の記事一覧
平成21年過去の記事一覧
平成20年過去の記事一覧
平成19年過去の記事一覧
   
定年時代読者のためのおすすめ特選ツアー
 
 
定年時代
トップ | 会社概要 | 媒体資料 | 送稿マニュアル | 広告のお申し込み | イベント | お問い合わせ | 個人情報保護方針 | サイトマップ
当ホームページに掲載されている全ての文章、写真、イラスト等の無断複製・転載を禁じます。
Copyright Shimbun Hensyu Center Company. ALLrights reserved.