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  東京版 平成30年1月上旬号  
“巡り合い”に感謝  俳優・小林稔侍さん

今回の映画では、作り込んだ役ではなく、“素直な”演技を心掛けたという。「監督から、『稔侍さんそのままの方が、味があっていいから』と言われてね。『こんな俺でいいのか』と恥ずかしくもあったけど、苦労なく楽しくやらせてもらいました」
俳優人生55年…映画初主演
 いぶし銀の存在感と温かみのある演技で数々の映画、テレビ、CMに出演、名バイプレーヤーとして活躍する小林稔侍(ねんじ)さん(76)。その小林さんがスクリーンデビュー55年にして映画初主演に挑んだのが、27日公開の「星めぐりの町」。天涯孤独の少年と向き合う実直な老職人の役を見事に演じている。「人との巡り合わせに恵まれてここまできました。出会いに感謝です。今回の映画のスタッフもそうですね。“遅咲き”ですが、76歳にして巡ってきたチャンス。これを糧に、さらに大きく成長していきたいですね」とはにかむ。

 小林さんはテレビドラマでは「税務調査官・窓際太郎の事件簿」シリーズ(TBS系)など度々主役を演じているが、映画での主演は初めて。感慨ひとしおだと語る。「やはり、映画で育った世代です。就職したのも映画会社ですしね」

 映画の舞台は、ものづくりのまち・愛知県豊田市。昔かたぎの豆腐職人、島田勇作と娘・志保の二人暮らし家庭に、亡き妻の遠縁だという少年・政美がやってくる。勇作は東日本大震災で家族全員を失った政美に優しく寄り添う。やがて少年は、運命的に出会った老職人の背中越しに誠実な信念を感じとり、傷付いた心を徐々に再生させていく…。

 小林さん演じる勇作は、妥協を一切しない職人。その手になる豆腐は街中の誰をも笑顔にし、口にした地元大手自動車製造会社の重役をして、「ものづくりの原点を見た」とうならせるほど。「僕も職人の家に生まれたので、父の背中を見て育ちました。おかげで役にはスッと入ることができましたね」

 小林さんは1941年、和歌山県笠田町(現・かつらぎ町)の洋服仕立て職人の家庭に生まれる。故郷は農業以外何の産業もない所だったというが愛着は深い。「のんびりした時間が流れていました。でもそのリズムが自分を育ててくれました」。生き馬の目を抜く芸能界でぶれることなく歩めたのも、そのリズムのおかげだと笑う。

 中学は猛勉強して和歌山市の進学校に入学。医者になって借家住まいの両親に楽をさせることを夢見ていた。だが、高校のとき「第10期東映ニューフェイス」の募集広告を新聞で目にし、進路を一転。「役者になればすぐにお金が入り、親に家を買ってあげられる!」と即応募した。

「苦労は必ず報われる」
 小林さんは当時を振り返り、映画雑誌に影響されたと苦笑する。「東映ニューフェイス」には全国から約2万4000人が応募。ある意味医者以上の難関だったが、小林さんは書類選考や各審査を次々パス。最後の社長面接では緊張して、「最終審査に残れるなんて夢のようです」と、一言しかしゃべれずじまいだったが、見事合格。「星の巡りが良かったんでしょうね」

 高校卒業後に東映入社。養成所に通い、最終課程では約30分の映像作品を作ってもらったという。だがそこには、映画スターとは程遠い自分が映っていた。「なんだ、このジャガイモは!」

 小林さんはショックで2日間寝込んだ。だが、その“ジャガイモ”をなんとか“商品”にせねば役者として道が開けない。ショックから立ち直ると、腹をくくって芸能界で生き残る道を探った。

 それからは、特撮、やくざもの、軍隊ものなど、なんでもござれの大部屋俳優らとともに下積みの日々を送る。「撃たれ役で晴海からよく海に飛び降りました。当時は東京湾が汚くて、体中せっけんで洗わなければ臭いがとれなかったね(笑)」

 どんな境遇でも腐ることがなかったのは、「苦労は必ず報われる」とかたくなに信じていたことと、人に恵まれたからだと振り返る。硬派なプロデューサーからは、「金になるからといってつまらない役を引き受けるな。それじゃ甘い水に引き寄せられる蛍だ」と叱られたと話す。「そうやって親身に叱られたり、さまざまな撮影現場を見たからこそ、今の自分があるんです」

憧れの高倉健と共演
 そんな小林さんの転機となったのは、憧れの高倉健と共演した映画「冬の華」(78年)。共演といってもセリフのない脇役だったが、スポーツ新聞に「抜群の演技」と紹介されたのだ。そのころから役がぼちぼちと舞い込むようになり、NHK連続テレビ小説「はね駒(こんま)」(86年)では、ヒロインの父親役でブレーク。その後は、映画「夜汽車」の殺し屋役などでの演技が認められ88年に日本アカデミー賞優秀助演男優賞を、高倉健主演の映画「鉄道員(ぽっぽや)」では、00年に同最優秀助演男優賞を受賞している。華々しい経歴だが、「俳優とはいろんな人にもたれかかるもの。関わった人たちにうまく転がされたからじゃないでしょうかね」と笑う。

 そして、今回の映画にも関わる“星の巡り、人の巡り”が自分を育ててくれたと述べ、映画を見に来てくれる人にも出会いを大事にしてほしいと語る。「特にシニアの人は多くの人との出会いの記憶があるでしょうが、いくつになっても“明日につながる出会い”を大切にしてほしいですね」


©2018 豊田市・映画
「星めぐりの町」実行委員会
「星めぐりの町」 日本映画
 監督・脚本:黒土三男、出演:小林稔侍、壇蜜、荒井陽太、神戸浩、六平直政、平田満、高島礼子ほか。108分。
 27日(土)から丸の内TOEI(Tel.03・3535・4741)ほかで全国公開。

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