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定年時代
 
  東京版 平成31年4月上旬号  
 晩年の荷風の心中に迫る  劇団民藝・水谷貞雄さん

趣味は近所にある図書館通い。「荷風の本はほとんど読みました。図書館からの帰りに喫茶店でコーヒーを飲むのが楽しみです」と水谷さん。戦後、高価だったインスタントコーヒーを購入していたという荷風と、コーヒー好きのところは共通している
舞台「新・正午浅草 荷風小伝」で主演
 失われていく江戸や明治の風情を惜しみ、時流に逆らって世間との付き合いに背を向けた文豪・永井荷風(1879〜1959)。その半生をユーモラスに描く劇団民藝の舞台「新・正午浅草 荷風小伝」に主役の荷風役で出演しているのが同劇団の水谷貞雄さん(85)。「最晩年、荷風が住んでいた千葉・市川には何回も行ってきましたし、荷風の作品は半年間かけてほとんど読みました」と話す。荷風生誕140年、没後60年の節目に当たる今年、(作・演出の)吉永仁郎と水谷さんの80代コンビで荷風の日記「断腸亭日乗」の世界に挑む。

 今回の「新・正午浅草荷風小伝」は、かつて一人芝居として吉永が書いた台本を書き直して演じられる。タイトルは、晩年の荷風が日記にただ1行「正午浅草」とだけ記すことが多くなった昼飯の記録から付けられている。

 その吉永は、3月から神奈川県川崎市にある民藝の稽古場に毎日通って演出。89歳にもかかわらず元気に俳優に意見をぶつけているという。そんな姿を見て、水谷さんは「人間は仕事をしているほうが長生きするというのはこういうことかと思っています」とにこやかに話す。

 物語は千葉県市川市八幡の荷風の自宅で、戦後も終わった1957(昭和32)年秋の昼下がりから始まる。一人で暮らす77歳の荷風は居間に七輪を持ち込み、野菜入りの釜飯を作っている。そこへ久しぶりに訪ねてきたのが、かつての愛妾(しょう)、お歌。2人の思い出話はやがて荷風の日記「断腸亭日乗」へと移り、名作「 濹東綺譚(ぼくとうきだん)」の娼婦、お雪との日々に…。盛り場の雑踏や路地裏を一人歩いた荷風が晩年、何を思っていたのか。最後は独居老人として孤独死を選んだ作家の半生が、老後と過去とを行き来しながら描かれる。

 水谷さんはそんな荷風を、「軟派な作家だけれども、戦争に突き進む軍政府を厳しく批判し、そんな風潮に乗る民衆を皮肉る硬派な精神を持っている人。特に僕らの世代に好まれています」と話す。

 若いころから芥川龍之介や志賀直哉、海外ではジードやサルトル、カミュの小説が好きだったという水谷さん。1933(昭和8)年、横浜で青果店を営む家の長男に生まれ、横浜商業高校卒業後、早稲田大学文学部(ロシア文学)を目指すが不合格。1年後、同大法学部に入学する。そんな彼が劇団民藝の門をたたいたのは、「大学を中退したかったから」という“変わった理由”からだった。法律の勉強が嫌いでマージャンに熱中していたこともあり、4年生に進んでも卒業するに足る単位数が取れない。「卒業できないと親は怒るだろうし、といって留年も嫌。どうしよう」と思っていたとき、たまたま目にしたのは劇団民藝が劇団内に設立した俳優養成所「水品演劇研究所」2期生募集の広告だった。それを見て多くの応募者が押し掛けたが、その中でわずか30人程度が合格。その中に水谷さんも入った。

 早大で学生演劇は一切見ていなかったという彼が「民藝に入ろう」と思ったのは、浪人生のときに民藝の滝沢修が主役で宇野重吉、佐野浅夫も出演していた「セールスマンの死」を帝国劇場で見て、その舞台が心に残っていたからだ。「水品演劇研究所では(劇作家や演出家として著名な)久保栄先生から教えを受け、励まされました。そのときのことがあったからこそ今もこうして民藝の舞台に立っているんだと思います」

 木下順二作「冬の時代」や「アンネの日記」など節目の作品と出合い、民藝に入ってから63年がたった。「今年はこの後、同期の俳優らと『集金旅行』の舞台で全国を回ります。妻(民藝の田畑ゆり)と始めた自主公演『水田の会』の2人芝居も再開したいですね」。芝居ざんまいの日々は続きそうだ。

「新・正午浅草 荷風小伝」
 17日(水)〜28日(日)、紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA(JR新宿駅徒歩5分)で。
 作・演出:吉永仁郎、演出補:中島裕一郎、出演:水谷貞雄、伊藤孝雄、みやざこ夏穂、白石珠江、田畑ゆりほか。全12公演。
 入場料全席指定一般6300円(夜公演は4200円)。問い合わせは劇団民藝 Tel.044・987・7711

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