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  東京版 令和元年12月下旬号  
“家族のカタチ” さまざまでいい  女優・瀬奈じゅんさん

瀬奈さんは不妊治療中の2年半、女優活動を完全に休んだという。「私が押しつぶされそうになったつらさと苦しさを、今も抱えている人たちはすごく多い」。夫と共に更新するブログ「&family..」(https://andfamily.jp)では、特別養子縁組に関する情報を発信する。「特別養子縁組を誰にでも勧めるつもりはありません。でも、『家族が欲しい』という人に限らず、『誰でも知っている』というくらい、認知度が上がればうれしいです」
1月、舞台「黄昏」に出演
 「老い」と「家族のあり方」をテーマに、見る人の心を潤す舞台「黄昏(たそがれ)」。1月の公演で老夫婦の一人娘を演じる瀬奈じゅんさん(45)は、「私の本業は女優と母親」と快活に話す。私生活では「特別養子縁組」により、一児の母に。「黄昏」では、恋人の息子と温かい関係を築きながらも、父親との和解をためらう、複雑な胸中を表現する。「血のつながりにとらわれない、さまざまな“家族のカタチ”が当たり前のように受け入れられる世の中になれば…。私の願いと『黄昏』の静かなメッセージは、重なり合っているようにも思えます」

 《2017年初夏、私たち夫婦のもとに待望の小さな天使がやってきました》

 瀬奈さんと、夫で俳優・ダンサーの千田真司は、夫妻で立ち上げたブログ「&family..」に、わが子を抱いた喜びをつづっている。「特別養子縁組」は、子どもと実親の法的親子関係を解消し、新たに養親との法的親子関係を結ぶ制度。「実親による養育が著しく困難」など、子どもの福祉のために、厳格な成立要件が定められている。瀬奈さんは不妊治療を2年半続け、夫から特別養子縁組の提案を受けた。1年間悩んで決断した結果、「救われたのは(特別養子縁組で迎えた)子どもではなく、私たち夫婦だったようにも思えます」。

 杉並区に生まれた瀬奈さんは、高校1年生のときに宝塚歌劇団入団を決意。1992年、同劇団の初舞台に立ち、05年には月組トップスターとなっている。芝居とショーの双方に出演しながら、「大劇場の空間に埋没することなく、お客さまを魅了したい―。そのための努力と工夫は惜しみませんでした」。“骨太の男役”を志向しながらも、オーストリア=ハンガリー帝国皇妃の生涯を描いた「エリザベート」(宝塚版)では、主要3役を全て経験するなど、「順応力に優れたトップスター」として、高い評価を得た。

宝塚時代の“癖”
 09年の退団後も舞台を中心に活動。だが、「初めは宝塚時代の“癖”が邪魔になりました」と明かす。「せりふ回しや所作が大仰になりがち。それと必要以上に『華やかさ』が出てしまう(笑)」。退団後初のミュージカル出演作は「エリザベート」(東宝版)。エリザベート役の瀬奈さんの父親役は、「黄昏」でも父親役となる村井國夫だった。「村井さんの楽屋を訪ね、教えを請う毎日。その一言一句は私の身に染みました」

 八千草薫の「最後の舞台」になった2018年の「黄昏」では、村井は「何よりも八千草さんの『すてきさ』を感じてほしい」と考え、その存在感を際立たせている。今回、同作初出演となる瀬奈さんは、こう話す。「仕事に厳しく、人としては温かい村井さん。『だいぶマシになったな…』という“辛口”のお褒めをまた頂けるよう、精いっぱい頑張ります」。八千草に代わる母親役の高橋惠子には、「八千草さんとはまた違う『すてきさ』がある」との印象を抱いてきた。「共演は光栄。すごく楽しみです」

「心の動き表現」
 「黄昏」の舞台は、米国北東部にある湖畔の、古びた別荘。そこで一夏を過ごすノーマンとエセルの老夫婦の元に、一人娘のチェルシーが、恋人とその息子を伴いやって来る。父親の期待が重荷となったチェルシーはそれに反発し、ノーマンも素直に娘への愛情を表せない。瀬奈さんは「台本を読んでまず感じたのは『(チェルシーは)実はお父さんが大好き』ということでした」と話す。「8年ぶりの再会なのに互いにぎこちなく、時にはかたくなになってしまう…。母親の後押しもあって和解へ向かう心の動きを、繊細に表現していきたいです」

 劇中、チェルシーは恋人と再婚し、その息子の「母」になる。瀬奈さんは「私の実生活と重ねて見られてしまうかも…」と言いながらも、「それが嫌ということはありません」とよどみない。「むしろ、特別養子縁組を“新しい家族のカタチ”として、知っていただくきっかけになればありがたいです」

エッセーも発行
 現在、瀬奈さんは、各地で特別養子縁組に関わる自身の体験を話すほか、ブログ「&family..」の更新も続けている。今月には、エッセー「ちいさな大きなたからもの」(方丈社)を夫との共著で発行。「息子が大きくなったとき、さまざまな“家族のカタチ”が当たり前であってほしい。そんな気持ちを込めています」

 宝塚のトップスターになる目標をかなえた瀬奈さんにとって、不妊治療は「努力してもどうにもならないことはあると…、私にとって初めての挫折だったかもしれません」。だが、「おかげで人の痛みが分かるようになりました」と柔和な笑みを絶やさない。そして今の目標を「人としても女優としても『本物』になりたい」と言い表す。「例えば村井さんを見ていると、『本物』と感じる。私も年を重ねながら、『自分も本物になれた』という実感を求め、日々努めていきます」

「黄昏」(東京公演)
 1月16日(木)~19日(日)、紀伊國屋ホール(紀伊國屋書店新宿本店4階、JR新宿駅徒歩5分)で。全5公演。開演は16日が午後6時半。17日(金)と19日が同2時。18日(土)が同2時と同6時半の2公演。
 作:アーネスト・トンプソン、演出:鵜山仁、出演:高橋惠子、瀬奈じゅん、松村雄基、石橋徹郎、若山耀人、村井國夫。全席指定8000円。チケットスペース Tel.03・3234・9999

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