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  東京版 令和元年11月下旬号  
「音楽は心の栄養、ジャズは自由の調べ」  クラリネット奏者・北村英治さん

相棒”のクラリネットを持つ北村さん。後進の育成にも目を向ける。「クラリネットは吹奏楽部の学生にとって定番の楽器。全国的にも経験者は多いです。でも学生時代はコンテストに明け暮れ、卒業するころには“燃え尽き”、辞めてしまう人が多い…。腕を磨くコンテストは必要ですが、音楽人としての本番はその先の、奏者も聴衆も楽しめるコンサートにあるはず。そのことをさまざまな関係者に伝え、若い才能の芽が育つ環境を整える手助けができればと思っています」
90歳で現役、1月に横浜でコンサート開催
 ジャズクラリネット奏者の世界的第一人者として、90歳を迎えた今も地球を巡り音楽の楽しさを伝えている北村英治さん。自身の年齢を考え海外公演は減らしたが、スイング・ジャズの名手らとセッションを重ねた「エイジ・キタムラ」の公演はどの国でもいつもほぼ満員だという。そんな北村さんのコンサートが来年1月、横浜で開かれる。「音楽は心の栄養です。そして僕にとってジャズは、終戦後に自由と音楽の面白さを教えてくれた調べ。コンサートでは難しいことは考えず、リラックスしてジャズのリズムを楽しんでほしいですね」

 繊細な甘い音色で、かつてのスイング・ジャズ全盛期を支えたクラリネット。広い音域を誇るが、独特の運指(演奏時の指の使い方)や、息の量・音域によって音色のコントロールが難しい個性的な楽器だ。でも、それゆえに魅力があると北村さん。「吹き手一人一人の個性に合わせ音色や表現力が変わるところが奥深い。70年以上吹いていますが、今も新しい発見があり、何年たっても共に成長できる素晴らしい楽器です」

 北村さんのステージはいつも、誰もが知るスタンダードナンバーをメインに、奏者、観客が共に楽しみ、元気になる曲を奏でるという。「最近は忘れられた昔の名曲も発掘。“今”の息吹を吹き込み歌も交え演奏します。古くて新しいメロディーを堪能してください」

 北村さんは1929年、東京生まれ。9人きょうだいの末っ子で、父とは4歳で死別したが、その亡き父の方針によりきょうだい全員が教養としてピアノを習ったという。

 ジャズとの出合いは14歳のとき。父の形見のクラシックレコードコレクションの中に、1枚毛色の違うベニー・グッドマンのレコードを発見したのだ。「スイングの王様」と称されたグッドマンのクラリネットの音色に酔いしれた。「絵はがきでしか見たことのないニューヨークの摩天楼が頭にパッと浮かびました。今も忘れられません。僕の原点ですね」。当時は戦争中。“敵性音楽”をおおっぴらに聴くことがはばかられ、押し入れに隠れて手回し蓄音機で繰り返し聴いていたと笑う。

竹ぼうきの柄で練習
 戦後、アメリカ軍のラジオ局から次々と流れるスイング・ジャズのサウンドに心を奪われた。「当時のジャズはクラリネットが花形。何とか欲しくてお小遣いをためていました」。その間、北村さんは友達から教本を借りて写させてもらい、竹ぼうきの柄を切って音孔(おとあな)に見立てた印を付け、運指の練習をしていたという。「いつクラリネットが手に入っても、すぐ演奏できるようにね(笑)」

 大学生となり、パーツが寄せ集めの中古のクラリネットを手に入れると、早速演奏活動を開始。友達と一緒にクラブや進駐軍のキャンプで腕を磨き、学生バンドにも関わらず当時の音楽雑誌「スイングジャーナル」では、人気バンドとして取り上げられている。

 在学中の51年、「南部三郎クインテット」に誘われ、大学を中退しプロデビュー。3年後には「北村英治とキャッツ・ハード・オーケストラ」として独立すると、60年には今に続く「北村英治カルテット(クインテット)」での活動を開始。さらにテレビやラジオにもレギュラー出演し、お茶の間にも人気を博した。

 だが当時、世界的にスイング・ジャズが退潮。ジャズの花形は、アドリブが比較的容易なサックスなどに取って代わられる。北村さん自身の仕事は途切れることはなかったが、同業の仲間がクラリネットを置き去っていく姿を見て一抹の寂しさを感じたという。

 そんなとき、世界三大ジャズフェスティバルの一つ、モントレー・ジャズ・フェスティバル(アメリカ・カリフォルニア州)から声が掛かり、北村さんの演奏はスタンディング・オベーションで迎えられる。その後は同フェスに20年近く出場したほか、これを足掛かりに海外公演のオファーが多数舞い込むようになった。そして、時代の潮流に関わらず、新しい息吹をクラリネットに吹き込み続ける北村さんの姿に、本場の評論家らも注目。「ジャズクラリネット界の沈滞を救った男」と称賛された。「昔からアメリカで活動するのが夢でしたが、現地の人たちに認められてうれしかったですね」

年下に弟子入り
 世界的奏者となった北村さんだが、50代のとき、「我流ではいずれ限界が来る。百歳まで現役で吹くためには基礎を学ばなければ」と、藝大出で年下の講師に弟子入り。クラシックの奏法を学び、音楽の幅が広がったと話す。「若いころは大きな音を出すことにこだわってましたが、基礎を押さえることで小さな音でも人々を感動させる演奏をすることができるようになりました」

 北村さんは現在、ライブハウスなどを中心に年100回ほどステージに立つ。2012年に心筋梗塞で緊急入院したが、今は健康そのものだという。「年齢を理由に中途半端な演奏をしたくはありません。お客さんと音楽に失礼です。楽器を持って音を出せば自分の全てがさらけ出されます。だからステージに立つからには、昔も今も全力投球。意地でも、『昨年よりすごいね』と言ってもらえる演奏をしたいですね(笑)」


北村英治スーパーカルテット(左から山口雄三、北村英治、八城邦義、高浜和英)
♪ジャズ界の宝〜90歳〜北村英治スーパーカルテット♪
 2020年1月28日(火)午後1時半、横浜みなとみらいホール(みなとみらい線みなとみらい駅徒歩3分)小ホールで。

 予定曲:「メモリーズ・オブ・ユー」「シング・シング・シング」「小さな花」「枯葉」ほか。出演:北村英治(クラリネット)、山口雄三(ベース)、八城邦義(ドラム)、高浜和英(ピアノ・ボーカル)。

 全席指定4800円。問い合わせはインターナショナル・カルチャー Tel.03・3402・2171

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