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  東京版 令和2年2月下旬号  
「泥くさくても日本語で歌う」  歌手・なぎら健壱さん

なぎらさんは、カントリー・ミュージックでは故・ジミー時田を師匠と呼び私淑している。「初めてジミー時田さんとステージでご一緒し英語でカントリーを歌ったとき、『日本語の方がいい。泥くさいというのは日本のカントリーにない。あなたにはそれをやってもらいたい』と言っていただき、今でもちょっと使命感を感じています。もしかしたら遠回しにお前の英語はダメだと言われただけかもしれませんけどね(笑)」
カントリーの祭典「ジ・オープリー」初出演
 タレント、俳優、写真家、文筆家などさまざまなジャンルに足跡を残す異色のフォークシンガー・なぎら健壱さん(67)。デビュー50周年を迎える今年も、テレビのバラエティー番組やCM、それにステージなどで活躍。その人気者ぶりは健在だ。そんななぎらさんが25日、日本最大規模のカントリー・ミュージックの祭典「ジ・オープリー」に初出演する。「カントリーは原詞の英語でおしゃれに歌うのが流儀、といった風潮があります。でも、アタシは泥くさくてもいいから、日本語で歌いたいですね。可能な限り、フォークと同じく少しでも“自分の世界”を発信できたらと思っています」

 なぎらさんとカントリー・ミュージックの縁は深い。入り口はフォーク・ソングだったが、その神髄を探求するうちアメリカ音楽の源流であるカントリー・ミュージックにたどり着いたと話す。「“懐メロ”から現代のものまで、カントリーはよく聞いていますよ。フォークと同じ、自分の一部です」

「お客さまの笑顔が一番」
 1952年、東京・銀座木挽町で生まれ、小学生で葛飾区に転居したなぎらさん。今も一人称は「アタシ」の“下町小僧”だ。「本当は葛飾は在郷。当時は田舎でしたね(笑)」

 幼いころはメンコやベーゴマなどに熱中していたが、高校に入ると当時流行の爽やかなカレッジ・フォークに影響され友達と「シャンゼリゼ」なるバンドを結成。しかし、当時台頭した社会派のアングラ・フォークに衝撃を受けすぐ路線変更。バンド名も「真・民族平和民謡主義派集団・心の歌」に改称し、社会風刺などを歌い始める。「当時は学生運動華やかなりしころ。それが大人っぽくてかっこいいと思っていました」

 アングラ・フォークに引かれたのはそれだけではない。それまでのフォーク・ソングは、アメリカから来たものを英語でそれっぽく歌うのが“うまい”とされた。「当時、歌い手も聞き手も英語歌詞をどれだけ理解していたのでしょう? そこへいくとアングラ・フォークは自分の言葉で歌います。泥くさい日本語のメッセージは心に響きました」

 以来、衝動に駆られるまま、自分のメッセージをギターのリズムに乗せ歌いまくった。当時のアングラ・フォークは、歌い手と聞き手の距離が非常に近く、誰もがシンガー・ソングライターとしてステージに立てた。なぎらさんも、70年に岐阜県で開かれた「中津川フォーク・ジャンボリー」に飛び入り参加。「怪盗ゴールデンバットの唄」がライブ盤に収録されレコードデビューを果たす。

 ただし、高校卒業後は地に足の着いた就職を考え、アルバイトをしながらデザインの専門学校に通い始める。だが、ラジオのオーディション番組を経て72年にアルバム「万年床」でメジャーデビュー、歌でお金が稼げるようになると、「そっちに流されるようになりました(笑)」。

 そして73年、架空の相撲の取り組みを歌ったコミックソング「悲惨な戦い」が大ヒット。順風満帆!—に思えたが、“神聖”な相撲をコミカルに歌ったのが原因なのか、同歌の放送がなぜか自主規制の憂き目にあう。また75年、人気子ども向け番組「ひらけ!ポンキッキ」で「およげ!たいやきくん」との両A面となる「いっぽんでもニンジン」を歌うが、童謡のレコードが売れるはずないと歌唱は買い取り契約。それがあにはからんや社会的大ヒットに。「最初の契約金以外、ビタ一文入ってきませんでした(笑)」

 散々な感じだが、まだ歌は趣味の延長だったとなぎらさん。「そんなもんか」と笑い飛ばしていたという。

一時引退決意も…
 だが数年もすると学生運動は下火となり、アングラ・フォークも退潮。「メッセージ性より気持ちよく聞ける叙情的フォーク・ソングが主流になりました」

 当時のなぎらさんは妻子を持ち、家族を養うためプロとして歌を歌っていたが、経済的に追い詰められていく。時代に淘汰(とうた)されたアングラ・フォークの歌手に仕事はなく、ある日ついに芸能界との決別を妻に宣言。「辞めた!」—。家族を守るための選択だった。だがその2時間後、TBSからドラマ「2年B組仙八先生」(81年〜82年)出演のオファーが来ると…。「あっさり受けました(笑)。横にはあきれ顔の妻がいましたが、仕事があればお金が入ってくるんです。これも、家族を守るためだったと思います」

 以降は積極的にテレビ・ラジオに出演。歌以外にも笑いを交えてのおしゃべりで、いつしかお茶の間の人気者に。その話術も、歌い手と聞き手がまるで真剣勝負するかのように対していたアングラ・フォークの経験から培われたと振り返る。

 今年デビュー50周年を迎えるなぎらさん。記念コンサートを9月に予定しているという。「歌、そしておしゃべりも含め、お客さんに楽しんでもらうのがアタシなりのエンターテインメント。やるべきことはやりますが、明確な目標は、かなえちゃうと力が抜けちゃうから持たないようにしています。夢はずっと見続けた方が、楽しく人生を過ごせるんじゃないでしょうか」


石田美也&高橋HANK和也(昨年の様子)
©Japan Popular Music Association & Koji Ota
♪ジ・オープリー 〜甦るカントリー&ウェスタン〜 2020♪
 25日(火)午後6時、渋谷区文化総合センター大和田(JR渋谷駅徒歩5分)さくらホールで。

 日本のカントリー・ミュージックの再興を目指し、故・小野ヤスシが提唱、2010年に幕を開け、いまや「カントリー・ミュージックの祭典」として定着してきたコンサート。

 出演:ウイリー沖山、なぎら健壱、マイク眞木、西口久美子、石田新太郎とシティライツ、石田美也ほか。

 全席指定4900円。問い合わせは日本ポピュラー音楽協会 Tel.03・3585・3903

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