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  東京版 令和3年8月下旬号  
「文化を愛する姿に共感」  落語家・柳家喬太郎さん

映画の中で「朝日座」を再建するために募ったのがクラウドファンディング(CF)。不特定多数の人や組織に財源の提供などを求めるCFは最近、コロナ禍で売り上げが大幅減少した都内の寄席でも使われた。「落語文化をなくしたくないと思ってお金を出してくださる大勢の人のありがたみを痛切に感じています」と柳家喬太郎さん
9月公開映画「浜の朝日の嘘つきどもと」に出演
 シネコン(複数のスクリーンがある映画館)に押され、経営が傾いた老舗映画館「朝日座」の再建に力を合わせて努力する人々を描いた映画「浜の朝日の嘘つきどもと」が9月10日から全国公開される。同作で、高畑充希演じる主人公とともに「朝日座」の存続に奮闘する映画館の支配人役で出演した落語家の柳家喬太郎さん(57)。「映画が好きで、町から映画館をなくしたくないと奔走する支配人に『文化を大切にしたい』と考えている点で、落語家と相通じるものを感じました」と共感、「無理に役作りはせず、自然に演じることを心掛けました」と話す。

 物語の舞台となった「朝日座」は福島県南相馬市に実在する、100年近くの歴史を持つ映画館。現在は映画館として常時稼働はしていないが、太平洋戦争の戦災や東日本大震災での津波、原発被害をも乗り越え、企画上映を行っているほか、近所の人たちの憩いの場としても愛されている。

 映画では、経営環境の厳しさに悩む支配人・森田保造が朝日座の閉館を決意。そして、一斗(と)缶に朝日座の財産である名画の35ミリフィルムを放り込み、火を付けるのだが、その直後、森田の背後から水をかけて消火する女性・茂木莉子(高畑充希)が現れる。彼女は経営が傾いた朝日座を立て直すために、「ある人との約束で東京からやってきた」と言うのだった…。

 今作の監督は「百万円と苦虫女」などの作品で知られるタナダユキ。柳家喬太郎さんは、タナダからの「たっての希望」で支配人役として出演することになったという。

 タナダ作品への出演は、タナダが演出したNHKドラマ「昭和元禄落語心中」(2018年)に続き2本目だ。落語好きのタナダとは相性がよく、ロケ地の南相馬の現場では「演芸関係の人とやっているみたいな感じでリラックスできました。僕を操るのがうまかったんじゃないですか」と話す。

 落語家の傍ら、“映像から演劇まで”俳優としても活躍している喬太郎さん。「ちゃんとした演技なんかできない」と謙遜(けんそん)するが、これまで多くの映画やテレビ、舞台に出演している。初めて主演した「スプリング、ハズ、カム」(吉野竜平監督、2017年)など3作の映画に出演しているほか、テレビではNHKドラマ「ちゅらさん4」、「坂の上の雲」などに、また舞台でも「熱海殺人事件」、「たいこどんどん」など、落語家の中でも俳優としての出演は多い方だ。

一度は書店勤務
 喬太郎さんは東京・世田谷で生まれ、横浜で育った。中学2年のとき、学校で開かれた寄席で入船亭扇橋の「饅頭こわい」を聞いて落語に目覚め、3年の文化祭で友人と落語を基にした演劇を演じるほどに…。大学(日本大学商学部)では落語研究会に入って、活躍する。4年生のときに生まれて初めて作ったのが、後に落語家となってからもたびたび演じている新作落語「純情日記横浜編」。このはなしで、新聞社やテレビ局が主催していた「関東大学対抗落語選手権」や「全日本学生落語名人位決定戦」で優勝した。

 しかし、卒業後はすんなりと落語家への道には進まず、当時、銀座にあった大手書店に入社する。「落語家を諦めて書店に入ったわけじゃなく、もともと書店員の仕事が好きだった。2つあった夢の片方が書店員だったんです」と言うが、当時は「憧れが強すぎて落語家の世界に踏み込めない」という、複雑な心境だった。

 当初は「10年以上勤めて仕事を覚え、お金をためたら、町の小さな書店を始めよう」と思っていたものの落語家への夢は次第に募っていき、書店を約1年半で退職。1年間のアルバイトを経て89年、五代目柳家小さん一門の柳家さん喬に弟子入りする。さん坊を名乗って前座を務め、93年二つ目に昇進し喬太郎に改名。2000年に林家たい平と同時に、先輩を12人抜きで興行の“トリ”を務める真打ちに昇進した。

新作も古典も
 「すみれ荘二〇一号」などの新作落語と、師匠・さん喬ゆずりの人情ばなしや「時そば」などの古典落語を演じて今、“最もチケットが取れない落語家”といわれるほど人気がある喬太郎さん。映画「浜の朝日…」では、寄席や落語会への合間をやり繰りし延べ10日間、南相馬市で撮影した。「コロナ禍で地元の人と交流はできなかったんですが、撮影が終わると近くのスーパーで刺し身やビールを買ってきて自室内で楽しみました」

 そんな時間を調整しながらの俳優としての活動だが、これからも「スケジュールが可能で、よほど嫌でなければ経験してみたい」と意欲を見せる。「落語にプラスになる」と考えているからだ。「いろんな経験を積むことが落語家としての芸域を広げることにつながるんじゃないか、と思っている」と言う。

 落語への飽くなき向上心を感じさせる喬太郎さん。「子どものころから落語は好きでしたが、好きだからこそ仕事にするのが怖かった」と言うほど、落語への思いは人一倍強い。それだけに「お客さんにはもっと喜んでもらわなくちゃ」と、現状に甘んじてはいない。「もっとうまくなりたいし、ネタを増やしたい。今はまだ、その過程の真っただ中にいます」


©2021 映画「浜の朝日の嘘つきどもと」製作委員会
「浜の朝日の嘘つきどもと」
 監督・脚本:タナダユキ、出演:高畑充希、柳家喬太郎、大久保佳代子、竹原ピストル、光石研、吉行和子ほか。114分。日本映画。

 9月10日(金)から、新宿武蔵野館(Tel.03・33545670)ほかで全国公開。

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