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  東京版 令和3年12月下旬号  
ショパンのピアノ協奏曲…“原点”を弾く  ピアニスト・横山幸雄さん

自宅レッスン場のピアノの前に座る横山さん。2009年の「ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール」優勝者・ 井伸行らの「師匠」としても知られ、ここや各地の大学などで後進の指導にも当たっている。クラシック音楽を「伝統芸術であるとともに伝承芸術でもある」と言い表す。「僕の感性や技術、論理を若い人にも伝えていきたい。その上で彼らの個性が花開けばいいと考えています」
1月にデビュー30周年コンサート
 ショパンのピアノ協奏曲は原点の曲—。ショパン国際ピアノコンクール入賞以降、世界的なピアニストとして活躍する横山幸雄さん(50)は1月、デビュー30周年スペシャルコンサートで“原点の曲”を演奏する。コンクールで挑んだ「第2番」と、デビューアルバムに収めた「第1番」。ショパンに限らず、「作曲家の真情と僕の感性…、『バランスが大事』と思ってやってきた」とよどみない。貪欲にレパートリーを広げた若い頃と違い、「今は培ってきたものをどう成熟させるか」と自らに問う。「成熟が(聴衆に)新鮮な感動をもたらすものであれば、うれしいです」

 「折り返し地点にいるか、あるいは既に過ぎているか…」。今年デビュー30周年を迎えた横山さんは、自身の“現在地”を推測する。1990年の第12回ショパン国際ピアノコンクールで3位入賞。「19歳8カ月」は今も歴代日本人入賞者最年少だ。1月のスペシャルコンサートで予定する「第1番」と「第2番」は、91年のデビュー公演で弾いた曲でもある。「演奏に臨む基本姿勢は変わっていない」としながらも、“再現”への思いをこう語る。「昔の録音を聴くと、思わず消去したくなる(笑)。それは言い過ぎにしても、『今の自分を聴いていただきたい』という気持ちはありますね」

「生の音楽を届けたい」
 三鷹市に生まれた横山さんは高校生のとき、パリ国立高等音楽院に留学。卒業後間もなく、ショパン国際ピアノコンクールで脚光を浴び、「もともと大好きだったショパンと、ますます切っても切れない仲になった」と笑みを見せる。とはいえ30代半ばまでは、さまざまな作曲家の作品に挑む「レパートリー拡大路線」。レパートリーの根幹とするショパン作品では、92年から7年間にわたり、「全曲演奏会」を開催した。

 「ただ、それだと初めに弾いた曲の記憶はどうしても薄れる」。30代後半から「得意な分野を極める」という方向にかじを切り、2010年にショパンのピアノ独奏曲166曲を全曲暗譜で一度に演奏。11年には生前未発表作などを加えた「独奏曲全212曲」を18時間かけて弾き通した。共に「24時間で最も多い曲数を1人で弾いたアーティスト」として「ギネス世界記録」に認定されたが、「もちろんギネスは目的でない。『ショパンを深く理解するには一番の方法』と考えた結果です」。全世界で100人しか手にしていない「ショパン・パスポート」を、ポーランド政府から贈られている。「彼の内面と僕の(作品の)捉え方…、今は双方が『最上のバランス』。そう断言したいけれど、自信と過信のバランスにも気を使っている(笑)」

“3つの協奏曲”
 「デビュー30周年シリーズ」のメインともいえるスペシャルコンサートは、「オーケストラをバックに自分の演奏会をするイメージ。とてもぜいたくな機会です」と声を弾ませる。「第1番」と「第2番」にデビューアルバム収録曲の「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」を加えた“ショパン協奏曲プログラム”。「原点」を意識した上で、「30年前とは全く違う音をお聞かせできる」と明言する。デビュー後の数年間と違い、「今は周りの声に変な意味で左右されることはない。曲の内容をそしゃく・消化した上で、自由で自然な表現ができている」。今秋協演したジャズピアニスト・山下洋輔をはじめ、他ジャンルのアーティストとの交流にも意欲的だ。楽譜を重視するクラシック音楽のピアニストでありながら、「楽譜はガイドのようなもの」とも。「大切なのは、楽譜に宿る作曲家の頭と心。今の演奏家が真摯(しんし)かつ柔軟な姿勢でそこに立ち返ろうとする中から、ある種の新鮮さが生まれます」

「コロナ禍でも…」
 コロナ禍以降、自身の公演も中止・延期が相次いだが、昨春からピアノ演奏のオンライン配信を続けるなど、活動を途切れさせることはない。昨年末には、ショパンと共にレパートリーの「二大柱」に位置付けるベートーベンの「ピアノ・ソナタ全32曲連続演奏会」を敢行。「僕が30年間、演奏活動を続けられたのは、聴きに来てくれる人たちのおかげ。可能な限り『生の音楽』を届けていく」と言葉に力を込める。2022年の「新春公演」でもあるスペシャルコンサートでは、「じかに演奏を聴くのは久しぶりという人も多いはず。音楽専用ホールの響きを堪能していただければ…」。そして、「今の自分(の演奏)が最高であり続けたい」とさらなる高みを見据え、言葉を継ぐ。「デビュー公演の再現ともいえるプログラムを通し、僕の『進化と深化』、そして『成熟』を感じていただけたら、ありがたいです」


大友直人 © Rowland Kirishima
♪デビュー30周年スペシャルコンサート 「横山幸雄 ショパン“ピアノ協奏曲”を弾く」♪
 1月12日(水)午後7時、サントリーホール(地下鉄六本木一丁目駅徒歩5分)大ホールで。

 予定曲:ショパン「ピアノ協奏曲第2番」、「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」、「ピアノ協奏曲第1番」。出演:横山幸雄(ピアノ)、大友直人(指揮)、東京都交響楽団。

 全席指定。一般S席9500円、A席8000円、B席6500円。65歳以上S席8600円、A席7200円。ジャパン・アーツぴあ Tel.0570・00・1212

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