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  東京版 令和4年1月下旬号  
外国映画でも増す存在感  俳優・國村隼さん

子どものころから「自動車のエンジンが好きだった」と言う國村隼さんは、今も車が大好き。「車の良さというのは自由なところ。車に乗っていたら自由を手に入れたような感じがします」。たとえ長距離であっても、趣味の渓流釣りや、ロケ地に行く際には自分でハンドルを握って運転を楽しんでいるという
2月公開の日中合作映画「再会の奈良」に出演
 いぶし銀の魅力を増す俳優・國村隼さん(66)が日本映画やテレビドラマだけでなく、アメリカ映画「MINAMATA —ミナマタ—」や韓国映画「哭声/コクソン」など、外国映画への出演でも存在感を見せている。2月4日から全国公開される日中合作映画「再会の奈良」では、日本で中国残留孤児の娘を探す養母に協力する元警察官役で主演した。「脚本は作品全体の設計図。読んでみて面白いと感じるかどうか」と脚本のクオリティーを第一に考えている國村さん。中国の新鋭・ポンフェイ監督が執筆した同作の脚本は「主人公が“娘探し”を手伝うことになった動機が納得できました」と話す。

 物語の舞台は、2005年の奈良。中国人の陳ばあちゃんは、孫娘のような存在のシャオザーを頼って来日、奈良にやってくる。11年前、日本に帰した中国残留孤児の養女・麗華からの連絡が数年前から途絶え、心配して探しに来たのだ。その2人に、ひょんなことから知り合った元警察官の吉澤一雄が協力し、3人による娘探しの珍道中が始まる…。

 かつて戦火を交えた日本と中国。日本の敗戦で混乱する中国・東北部(旧満州)で縁あって“家族”となった親子の絆を切なく、かつユーモア豊かに描いている。國村さんは、陳ばあちゃん役の中国の名優ウー・イエンシューや、シャオザー役の中国の若手女優イン・ズーと共演。日本語と中国語、それに身ぶり手ぶりを交えた3人のやりとりが時にコミカルで、味わい深い。各シーンには、ロケ地となった古都・奈良の魅力が彩られている。

演じる人物の心情探求
 “今と未来、奈良と世界をつなぐ”映画製作プロジェクト「NARAtive」から生まれた同作。出演依頼を受けた國村さんは脚本を読み、自身が演じる一雄という人物像の理解に努めた。「一雄さんは、妻亡きあと定年を迎え、娘も家を出て行ってしまい寂しさを紛らわすのに苦労していた。そんなとき、なじみの居酒屋で働いていたシャオザーが、陳ばあちゃんの養女を一緒に探していることを知った。自分の娘によく似ている、とシャオザーに親近感を感じていた一雄さんは、元警察官の自分は人探しが得意だから、と手伝うことに決めたわけです」

 一雄の心情が理解できたとき、役の“根幹”が固まった。「僕は“役の腹”と言っているんですが、一雄さんの、他人や社会への感じ方が自分の腑(ふ)にふっと落ちたとき、一雄さんを演じられると思いました」  今回、撮影現場の状況に応じフレキシブルに一雄の役を演じた國村さんだが、若いころはそれができずに苦労した。「当時は、現場に入る前に、演じるシーンの形を完璧に決めていました。すると、現場で監督から別の演技を求められても反応できなかった」。現場で「窮屈な思いをせず、自由になりたい」と試行錯誤を繰り返しながら、今のようなアプローチの方法に変わったと話す。

日米の違い実感
 國村さんは香港映画や、米ハリウッド映画、韓国映画など外国映画にたびたび出演しており、俳優として世界的な認知度を高めている。しかし、若いころは車を設計するエンジニアが志望だった。大阪市で育ち、大阪府立大学工業高等専門学校に進学したが中退、そして大阪放送劇団付属研究所に入り演劇の道へと進む。映画デビューは「ガキ帝国」(1981年、井筒和幸監督)。その後しばらくして、俳優としてのターニングポイントがやってきた。高倉健や松田優作らと出演したハリウッド映画「ブラック・レイン」(89年、リドリー・スコット監督)だ。当時を振り返って、デビュー作と比較した日米の映画製作の違いを話す。「映画を作る予算やシステムなど、これが同じ映画の現場かというぐらい何から何まで違っていました。でも、作品が完成すれば同じ映画というエンターテインメント。映画って面白いな、と思いました」。「ブラック・レイン」への出演を契機に「これからも国内外を問わず、ずっと映画をやっていきたい」と思うようになり、一時期は「ハードボイルド/新・男たちの挽歌」(92年、ジョン・ウー監督)など香港映画にも相次ぎ出演。近作の「MINAMATA─ミナマタ─」では好きな俳優の一人、ジョニー・デップと共演している。

 また、テレビではNHK連続テレビ小説「芋たこなんきん」(2006年)で「カモカのおっちゃん」を演じ好評を得るなど、現代劇から時代劇まで幅広く出演している。

2度目の転換点
 そんな國村さんにとって役者人生で2度目の転換点となったのが、韓国映画「哭声/コクソン」(16年、ナ・ホンジン監督)への出演だった。それまで「韓国映画はパワフルで、クオリティーが高い」と感じていたという國村さん。実際に韓国映画に出演してみて、世界のマーケットを視野に入れて映画作りに取り組むスタッフやキャストらの姿勢に大きな刺激を受けた。「自分にとって非常に大きな経験でした。この作品以降、自分のフィールドが変わったと感じています」。同作で國村さんは韓国で権威のある映画賞「青龍映画賞」の第37回男優助演賞と人気スター賞を受賞した。

 若いころ香港映画に数多く出演して英語力を付けた國村さん。今作「再会の奈良」では「ポンフェイ監督から英語で相談を受けながら撮影することも多かった」。これからも日本の映画やドラマ、舞台はもちろんだが、強みの英語力を生かし、「韓国映画など(外国からの)オファーがあればどんどん出たいですね」と外国作品への出演にも意欲を見せる。


©2020 “再会の奈良”
Beijing Hengye Herdsman Pictures Co., Ltd,Nara International Film Festival, Xstream Pictures (Beijing)
「再会の奈良」 中国・日本映画
 監督・脚本:ポンフェイ、エグゼクティブプロデューサー:河瀨直美、ジャ・ジャンクー、出演:國村隼、ウー・イエンシュー、イン・ズー、永瀬正敏、秋山真太郎ほか。99分。中国・日本映画。

 2月4日(金)から、シネスイッチ銀座(Tel.03・3561・0707)ほかで全国順次上映。

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