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  東京版 令和4年12月上旬号  
時の刻みの大きさ感じる  シンガー・ソングライター あがた森魚さん

幻想的な作風で知られる作家・稲垣足穂に「憧れている」と言うあがたさんは、稲垣の月誕生日に北区・飛鳥山公園で音楽集会「タルホピクニック」を開いている。来年も地方公演に加え、3年目に入る同音楽集会とライブ活動に積極的だ。さらに2020年以来となるオリジナルアルバム制作にも意欲を示している
「赤色エレジー」でデビュー…、50周年
 1972年に大正ロマン漂う曲「赤色エレジー」を大ヒットさせたシンガー・ソングライターのあがた森魚さん(74)は、今年でメジャーデビュー50周年を迎えた。「林静一さんの(同名)漫画を読んで感銘を受け、すぐに主人公の幸子と一郎にエールを送る歌ができました」と話す。同曲はシングルレコードで50万枚以上を売り上げ、今も多くの人々の心に残る。それから50年、この曲を歌い続けてきたあがたさんは、「この半世紀の時の刻みの大きさみたいなものを感じています。『ありがとう』の言葉を述べたい気持ちでいっぱいです」と話す。

 あがたさんは若いころ米国のミュージシャン、ボブ・ディランの歌に衝撃を受け、歌手を志した。それから、「(自分が)ディランのような思いを胸に秘めていることを誰かに伝えたい。ディランのように歌って自分もこの時代に参加したい」という気持ちに突き動かされてきた。そのときの気持ちは「50年後の今も変わらない」と話す。そんな姿勢で、現役で音楽活動を続けている。

 あがたさんはデビュー以来これまでにライブ盤を含め、約50タイトルのアルバムを発表している。

 それらの作品は大正ロマン色の濃い楽曲や、バンドネオンを取り入れたタンゴナンバー、あるいはパンク・ロックに代表されるニューウェーブや、ワールド・ミュージックの要素を取り入れるなど、多様で豊かな音楽性を持つ。その傍ら、映画監督として「僕は天使ぢゃないよ」(74年)など、劇場公開3作品を製作したほか、俳優としても映画や舞台などで独特の存在感を見せている。

高2で「出会う」
 あがたさんは終戦後まもない48年、ベビーブームのさなか北海道留萌市に生まれた。いわゆる団塊の世代に属し、「多くの子どもらとにぎやかに育った」と言う。父の転勤に伴い住む場所は小樽、青森、函館と移り変わったが、音楽との最初の接点は小樽だった。「小学3年生の春まで暮らした小樽ではバイオリンを習っていました」。バイオリンは上達できなかったが、今でも最も好きな楽器に挙げている。

 そして、函館ラ・サール高校2年の夏、ラジオを聞いていてたまたま耳にしたのがディランの歌う「ライク・ア・ローリング・ストーン」だった。その曲を聞いたとき、「すごい歌だな」と思うと同時に、「時代の何かを吸い込んだ曲」と直感したあがたさんは、「今度はお前が歌を歌う番だよ」とささやきかけられたように感じ、「自分も歌わなきゃ」という衝動に駆られた。それまで文学者に憧れ、「歌を歌うなんて思いもしなかった」が、「この曲を聞いてから音楽をやりたいなと思い始めて、自分の中のテンションを高めていったんです」。

 この時期、あがたさんの父が定年を機に北海道からの上京を決心、家族とともに横浜市に移り住むことになった。「東京に行けばきっと音楽仲間に巡り会え、歌う場所も見つかる」と、あがたさんも横浜へ—。「ディランがミネアポリスからニューヨークへ移住したように、僕も北海道の田舎町から東京を目指そうという思いでした」。予備校を経て東京の大学に進学する一方、「ディランがやっていることを自分なりに解釈してやってみたい」と、「早川義夫さん(ロックバンド「ジャックス」)と斉藤哲夫さん、2人のシンガー・ソングライターのほか、いろんな人と交流を持ちました」。その早川の勧めにより、「IFC(インターナショナル・フォーク・キャラバン)前夜祭」で初ステージを踏む。鈴木慶一(後にミュージシャン・俳優、ロックバンド「ムーンライダーズ」)と出会ってバンド「あがた森魚と蜂蜜ぱい」を結成したのもこのころ。そんな折、デビュー曲「赤色エレジー」が生まれた。

「時の運」の恵み
 「『赤色エレジー』を作ったのは漫画雑誌『ガロ』に掲載されていた林静一さんの漫画を読んで感動したのがきっかけでした。何が何だか分からないうちにできちゃった。もう“時の運”としか言いようがないですね」。71年の「第3回全日本(中津川)フォークジャンボリー」でステージに立ち、同曲を歌った。すると、同音楽祭の録音テープを聞いたキングレコードディレクターが、あがたさんの歌と演奏を「際だって異色」と評価。同社内に設立したばかりのレーベル、ベルウッド・レコードの第1弾アーティストとして契約し、72年に「赤色エレジー」でメジャーデビューを果たす。

 それから今日まで、歌手を中心に活躍し続けてきたあがたさん。デビュー50周年の今年は記念事業が続々と続いた。7月はCD4枚組ベスト盤「ボブ・ディランと玄米」を発表、9月には渋谷で50周年記念ライブを行い、「赤色エレジー」からの50年を語った自伝「愛は愛とて何になる」(小学館・2970円)も刊行された。さらに全57アルバム、733曲を「スポティファイ」などのデジタル音楽配信で聞くことができる。

 「50周年のイベントが終わったら、全国をギター一本持って回ってみたい」とあがたさん。「道すがら、行きずりで、風や空の色に招かれるまま無邪気に転げ回りたい」と言う。世界はロシアのウクライナ侵攻など緊迫しているが、「みんなの希望やほがらかな気分を分かち合えるように歌えたらいいな、と思っています」。

♪ 50周年記念企画アーカイブ・コレクション「ボブ・ディランと玄米」♪
 デビュー作から最新作まで、あがた森魚本人が選曲した“半世紀集大成”ベスト・アルバム。これまでに発表した約50タイトルの中から、代表曲を発表順に4枚組CDに収録。全61曲をハイレゾ(192キロヘルツ/24ビット)でリマスタリング。5555円。問い合わせはメール(mail@bridge-inc.net)で。販売元ブリッジ Tel.03・3710・8049
http://bridge-inc.net

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